かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

助かった住まい

2008-02-02 | 事例
銀行の担当者はリスケ延長の書類にYの保証人の
捺印を貰うのが嫌で仕方有りません。
老人ホームに入っている92才のおばばです。
面会しても良く聞こえないらしくあらぬことばかり口走って居ます。

抱えるように自筆で署名させると担当者はぐったりします。
もう2年此れをやりました。未だ続きそうです。

おばばの子供は二人、倅と其の姉です。
姉は生まれつき軽く脳を患って居ますが、
今は生活補助を受けながら暮らしております。
倅は早くから町で衣料の卸と不動産賃貸を営んで居ました。
おばばは自宅があるころ、倅の銀行借入の全ての保証人に
なっていたのです。

特に不動産をやっていたために銀行借入はたっぷりありました。
書けぬ手で保証の切り替え毎に署名をする姿は、倅にも
耐えがたかったのです。ましてや担当者はもっと嫌だったでしょう。
どうせ資産があるわけでなし、「保証人を解いて貰えないか。」
と担当者に持ち掛けたのです。

担当者は喜びました。いいチャンスとばかりに直ちに本部に
申請したのです。幾らも日を経ず本部から指示がありました。
「念の為におばばの固定資産税の納付証明を取ってください。」
担当者は直ちに倅に伝えました。

「自宅は売却して御行に弁済しました。もう何も
無いから取れませんよ。」
「いや、何も無ければ無いでそれなりきの証明が出ます。」
担当と倅の会話です。

自宅を売却した後、おばばの頭にあったのは娘のことだけです。
将来自分が居なくなったらどうなるか気がかりです。
しかし住むところが有って、生活補助を受けれれば何
とかなるのではないかと云うのがおばばの考えです。

生活補助も貰えそうです。
おばばは今までの蓄えを全部投げ出して、娘に名前で
小さい住まいを手にしたのです。
ところが此れが問題でした。娘が住居を持っていると
生活補助が駄目になると云うのです。
そこでおばばは仕方なく自分の名義にしました。
それがそのまま残っているのです。
おばばは保証人であり、1軒の無担保の住居を持っているのです。
固定資産税の明細を取れば一目して解かります。

さあ、倅は困りました。そんな証明書を出すことは出来ません。
この話、取り下げようと思っても既に本部まで話は通じています。
特に担当者を誤魔化すのが一番困ります。担当者は保証人を
解くことを願っている第一人者ですから。其の担当者は本部に
提出しないとならないからと毎日のように催促です。

改めて、この住宅について考えると注意すべきことが有ります。
おばばはもう長い事は有りません。
その時は姉の名義にすると生活保護はなくなります。
月3万の年金では生活できません。
倅の名義にして、万一銀行に判れば唯では済みません。
町の在、小さな家ですから価値は幾らもしないでしょうが、
当事者にとっては無くては困るものです。
幸いにして銀行はこの所在を知りません。
しかしこれは未だ打つ手が幾らもあります。
現在のことで銀行が不審に思わず又今まで通りのおばばの
保証人を認めれば、とりあえず一段落します。

息子は腹を固めました。
下手な嘘を言っても直ぐばれるだろう。正攻法で行こう。
そして担当者におばばの保証人解除の件の取下げを話したのです。
勿論姉の住所は教えません。

担当者は良い人でした。
「本部には、おばばは今倅の為に出来ることといえば、
苦労して書類に署名することだ。其れがなくなっては、
倅から見捨てられるかも知れないと、保証人の解任に
反対しているらしいです。と説明して了解を取っておいたよ。
今まで通り続けましょう。しかしサインさせるのは嫌だね。」

業績も下げ止まりのような気がして居ます。
これから明るい話も有りそうな気がします。





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