かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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先物外貨は不良債権

2009-08-07 | 事例
ふと1行の記事に目を奪われました。
九州の非鉄問屋の債権者破産の記事でした。
私の目を引いたのは、こうなった原因です。
「昨年夏より単価が減少、在庫評価を20億下げたばかりでなく、
 今まで高水準の利 益を支えてきたスワップ取引で多額の逆ザヤを発生。
 資金繰りが急速に悪化したため。」とありました。

在庫評価減の赤字は直ちに資金難と結びつきません。
特に海外から仕入れたものならば決済は済んで居り、
お金が無ければ次の仕入れが出来ないだけです。
在庫をバッタ処分すれば若干は生き延びることも出来ます。

しかし金融商品の損失は、商品がお金だけに、期日が来ると待ったは
有りません。損失、即、要資金です。
この記事の商社は100億くらいの売上も有ったらしいです。30億の負債で
倒産と有りますが、この殆どは急激に来たスワップの逆鞘ではないかと
推定されます。良いと見られている会社でも倒産となれば本当に早いです。

私が、此れと同じような事件に初めてぶっつかったのは昨年末でした。
建築屋でしたが、其の基を殆ど輸入に頼って居たのです。
当初は、ドルの予約と云っても目の前の必要額しか買いませんでしたが、
若干の差益で儲けることも出来たのが運の付き、次第に銀行に薦められて
先物ドルの購入に移ったのです。

ここ1年以上円高になりすぎたのです。
半年前に1ドル100円で予約したドルが今日90円ならば時価より10円高く
買わなければなりません。其れを今後2年間、毎月2万ドル購入すると
約束すれば、毎月200万づつ2年払わないとなりません。
解約は簡単に出来ず且解約料は非常に高いです。
又取引もレバレッジと云う手法を使えば同じ金額で何倍かのドルを
買うことも出来ます。
儲かる時は良いが損をする時は溜まったものでは有りません。
レートの動きが少なければ保険としてよいでしょうが、今のように
極端な動きは博打と同じです。

当初はよかったですが本格的にのめりこんだ頃リーマンショックが来たのです。
其れからは目茶目茶。アット云う間に資金が回りません。
月商6000万の会社がたちまち2億の損をしたのです。

この会社も最初は破産などと騒いでおりましたが、結局は第2会社を作って
任意整理をして居ります。

3月以降も、食料品関係が1社、雑貨を仕入れているところ1社も
全く同じようになって相談を受けました。
ともに月商は6000万と9000万です。
でも損失は解約まで含めて1億5000万と5億5000万でした。
5億5000万の方はレバレッジの怖さを学んで居ります。

バブル崩壊後私は本業以外で破綻したいろいろのケースを見ております。
不動産投資が、一番でした。
株・ゴルフ会員権なども多くの悲劇を招いております。
特に変動保険は相続税対策で多くに年寄りを悲惨なことに陥れました。

もうこうした本業以外で、銀行との間で悲劇は起こらないだろうと思って
居たのですが、今、なるかも知れないと危機感を募らせているのが、外貨に
関する事です。中小企業が安定した仕入れをして、安定価格を続けようと
思ったのが、裏目に出たのです。

先日ある中小企業の社長の集いに出て、この問題で悩んでいる人が多いのに
びっくりしました。これらの人たちは円安になることを祈っているのです。
輸出業者ならば円高を嫌う事は解かりますが輸入業者が円高を願っている
誠に納得の行かない風景です。
 
それにしても、まだ耐える力がある間は良いとして予約の最終期間が後2年も
有ったのではとても持ち堪えないでしょう。
そんな人はこれから多発すると見ております。

しかしそれにしても、過っての不動産やゴルフ会員権の時のような被害者が
束になって現れないことを心より祈って居ます。





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