かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

ローンさえ払っていれば自宅は安泰かしら。

2009-08-30 | 事例
メイン銀行には結局3億ほど払えません。
勿論社長のSは個人保証をして居ります。
しかもSは7年ほど前に自宅を購入して居ります。
ローンもメイン銀行で組みました。

高級マンションで、月に25万で30年の返済です。
今は時価のほうがローン残高より遥かに低いですが、妻は限りなく
この自宅に愛着を持っておりますので、何とか持ち続けたいのです。
返済は今まで妻名義で残したお金で何とか解決はされそうです。

会社は相当不動産を持っておりました。
S個人も収益目的のマンションがあったり、貸地も有りましたが
全て処分をさせられました。保証人ですからやむを得ないでしょうが、
自宅に付いては1度も処分を言われたことは有りません。
毎月ローン代を振り込んでいますが、この状態が何時まで続くかと不安です。

たまらなくなって有るコンされタントに相談しました。
「まだ、銀行は何も云ってこないが何とか此れだけは残したい。」
事情を詳しく聞いて居たコンサルタントはおもむろに言ったのです。

「ローンさえきちんと払っていればこのマンションは取られないですよ。
 何もする必要は有りません。しかし、次の問題がありますからそれに
 対しては対応は必要です。一つは、相当高額なマンションですね。
 謄本を見れば各銀行とも毎月の支払いは大体見当が付きます。
 そんな高いローン代はどうして払うんだ。安い賃貸に引っ越して
 浮いたローン代を我々に返せ、と言われるでしょう。もう一つは、
 今はローンの方が時価より多いですよ。もう10年も払えば後は、
 担保価値が出てきますよね。間っているところもありそうです。
 其の対策が必要です。」

会社が倒産すれば、保証人の社長は自宅が取られるものだと
思い込んでいたSは、それでも心配でした。
コンサルにさらに念を押したものです。

コンサルは笑って言いました。
「私自身、裁判所に直接聞いた事です。間違い無いですよ。」

自己破産の人の書類作成のお手伝いをしたときに、
其の人は自宅のローン中でした。
しかしローンの支払いは、この辺りの賃貸相場よりはぐんと易く、
此処を出ると住居費が出ないと言うのです。
又、物件時価の方がローン残高より安く、此れを取ったと云っても、
債権者は債権が増えるだけで何の得策も無いと言うのです。
こんな場合、何か救済は無いかと思って裁判所に電話したのです。

裁判所は女の方でした。親切に教えてくれました。
「破産は資産を処分して債務を弁済するのですから、
 債務を逆に増やすようなことはしなくても咎めません。
 それに該当する場合は、ローンを解約して自宅を処分する必要は
 有りませんが将来其のローンすら払えない時はもう破産は10年くらい
 出来ません。自分の債務を減らすのですから良く考えてお決め下さい。」

会社の整理は一段落できました。
不動産は自宅を除き、全て失い、債務も銀行からサービサーに
譲渡されています。其のサービサーとも後2社で和解終了です。

この間自宅のローンは払ってきました。
どの銀行も自宅に関しては一言も言いませんでした。

自宅は義父に担保をつけました。毎年義父から少しづつ妻が借り、
それでローンを払っていることにして、続けています。
サービサーに説明のためです。

自宅はローン中で且時価よりローン残が明らかに多い場合はローンさえ
払えれば取られることは有りません。
特に個人の民事再生などと難しく考える必要は有りません。
銀行もどうするかと聞くことは有っても、それ以上つついて来ないのが
普通みたいです。

ただR銀行には倒産と同時に、個人のローン口座まで
締められたことがあります。この銀行のみ、2度経験があります。

しかし、事情を良く聞いて見ると銀行の想い過ぎがあったみたいです。
「債務整理をするのだから、債務過剰のローンも当然整理するだろう。
 同じ整理するならば1紐早く返済をやめた方が当人は楽だろう。」
親切の押し売りです。
話して又口座を復活しました。

自宅に対する想い。家族に対する想いと同じです。
特に自分で短期間でもローンを続けた人は、人一倍強いでしょう。
世間の評価は易くなっても、そうした人の自宅の評価は変って居りません。

そんないじらしい人の自宅、何とかもち続けるようアドバイスをしたいものです。





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