かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

自宅の価値

2009-08-13 | 事例
Tさんは近く会社の整理を覚悟して居ります。
法的整理か任意整理か決めて居りませんが何れにせよその時に
今ローン中の自宅だけは残したいのです。
会社の整理をしても、ローンさえ払って入れば、住宅ローンは
何もしないと聞いております。
担保価値の無い無剰余の時は、ローン残高に比して自宅は其れより
安ければ安いほど残すことは可能だそうです。

Tさんは正確な自宅の価値を知りたいのです。
周囲の不動産屋に聞くと、結構なよい価格をつけます。
詰りこの場合はTさんに不利です。
チラシで大手不動産業者が無料で見積もりますと云っています。
此れに依頼すると、業者が買取の場合は、びっくりするほど安い価格を
提出します。この価格ですと無条件に無剰余になりますが、この価格を
債権者に示して、債権者が納得するでしょうか。

不動産鑑定士に頼めば一番正確の価格が出ると聞いております。
しかし費用が高いです。
測量もしなおすと云えば50万では不足です。
倒産を覚悟をして居るTさんに払える金額では有りません。

Tさんは勝手に自己評価をしました。
駅まで歩けば15分だし、学校や病院なども全て10分以上懸かります。
地理的条件は悪いと見てよいでしょう。建物だって築12年です。
価値0どころか取り壊し費用で400万懸かるとなれば、更地よりマイナスです。

此れならば、詐害行為になりやすい、追加抵当権などしなくても、
無剰余になって競売にはならないと、自分で自分を納得させます。
こうした場合10人が10人とも自宅の評価を不当に安く見積もります。
それで守れたと勘違いをします。
Tさんも其の一人でした。

後日この家は競売となりました。
裁判所の査定した時価はローンの1割高です。
そのために競売標準価格はローン残より2割安かったのです。

2割も競売価格の方が安いのだから、無剰余と云うことになって競売は
取りやめにならないか、と思ってもそうはなりません。
競売者が、若しローン残より安く売れて、ローン業者に損害をかけた場合は
私どもが保証しますと保証金まで積めば競売は続行出来ます。

この場合もそれで競売は続行したのです。
恐らく入札者があらかじめ居たと思います。
だからこそ競売者は保証金まで積んだのでしょう。

安全な無剰余になるためには、競売標準価格の1.5倍よりローン残が
多くないと危険です。
そしてこの場合の自宅の評価は高めに評価したいものです。

昔から1物4価と云って不動産の価格は立場・見方によって様々でした。
自分がしても、自宅の評価はその時の立場により大きく違います。

一般にマイホームを資産として評価する時は高めの評価です。
自分の家は高く、自分も此れだけに資産を持っていると思ったほうが
何となく心が豊かになってきます。
自分だけに評価ですから他人に迷惑も掛けません。

しかし、買戻しや無剰余なんて云う時は高くては困ります。
安ければ安いほど自分は助かります。特にお金はない時ですから、
こうした願望はいつか其れが価格となってしまいます。

最後に立場によって違う1例を紹介したいと思います。
自分の家が競売になりそうな人が居ました。
自分の生まれたところ。町から車で20分。
コンビ二すらないような10軒ほどのです。
其処に贅を凝らした豪邸を建てたのです。
2億5000万、銀行から借りました。自分の思いついたことは
全てやったと豪語するだけの物です。

競売になった時、彼は買戻しを銀行と交渉しましたが、銀行は懸かった
お金の額を知っていますから、1億6000万と云って譲りません。
しかし実際に出た競売の評価は違いました。4000万足らずです。
家にそんなにお金をかけたようにはなっていません。再評価単価は
普通の坪幾らの評価です。

裁判所の評価は4000万足らずですが銀行は任売ならば1億6000万と
頑張っているのです。こんなに評価が違うのも滅多に無いと思います。
若し競売で5000万で落札したならば、1億6000を主張していた銀行は
どうするのでしょうか。

彼はこの物件は売れないと判断したのです。
いや苦し紛れにそう思い込んだのです。
「普通の住宅ならばこんな田舎に住む人は居ないよ。
 価格の如何に限らず売れる筈が無い。」
それでも念の為に彼は2割高の4800万で入札だけをしておきました。

彼の豪邸のことは知られて居たかも知れません。
入札者は彼以外に3名も居て結局7000万で落とした人が居ります。
彼は8000万で買い戻しております。
この8000万の出所は面白いですからいつか又紹介いたします。

一つの物件でこうも価格がくるくる変わった例は他に例を知りません。

自宅を評価するとき、立場によって評価額は大きく違ってきます。
果たして不動産は自宅に限って健全な資産と云えるかどうかわかりません。





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