かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

回り道でしたが自宅は無事です。

2009-08-23 | 事例
Kは自宅を守りました。
方法は至極簡単でした。それでいて完璧でしょう。
しかし其処まで行くのにKはどれほど調べ、どのくらい悩んだでしょうか。
其の過程をご紹介します。

自宅は河川の脇、土手下にあります。会社と隣合わせです。
500坪の土地に、家を建てる80坪くらいは盛り土をして、鉄筋3階を建てました。

元の土地は非常に安いものですが、整地と建築に金がかかっています。
豪邸と人は云っておりますが、周囲に家は少なく、交通や買い物に不便で他に
売り地の多い現在では、人の欲しがる物件では有りません。

それでもKはこの不動産の価値は1億を優に超えると見ています。
ローン残は6000万足らずですから、何か有れば即差押になると読んで居ります。
しかし公示価格もなく、路線価も倍率地区です。何故か固定資産税の評価は
隣近所に比べて、このKの土地だけがずば抜けて高く、今でも6000万くらいです。
確か、役所の評価で最初1億くらいだったのを2度ほど文句をつけて下げさして
おります。

Kは此処を守るにはローン担保の下に2番抵当をつけて無剰余に
するしか無いと思いました。
しかし、それでは4000万以上を借りなければなりません。
勿論銀行は貸しませんし、知人親戚では金額が大き過ぎます。
借りる理由とお金の流れを作るのに自信が有りません。
と云って担保だけをつけてもその時になると詐害行為など
騒がれれば無意味の行為になります。
無剰余にするには諦めざるを得ません。

次に考えたのは4人の息子に生前贈与です。
年齢から考えておかしくない有りません。
此れで2年も問題を起さなければ、詐害行為にもならないでしょう。

ただ息子達は相続時、此れが大きな課税対象になると困るとか云って
なかなか決まりません。

焦ったKは自宅を残すことを諦めて、今の内に売却を考えました。
1億が時価ならば、上手く行けば4000万、悪くても2000万は残せると見たのです。
会社がおかしくなっても、其の前に自宅まで処分したとなれば、世間に対する
言い訳も出来ます。

ところが売れません。
問い合わせすらないのです。

広いと行っても正味は整地してある80坪だけです。
隣にKさんの工場と関連会社の工場があるだけの、
交通の便も悪い不便の場所です。
たまたま市役所が、高い資産税の評価額をつけたからKも
惑わされたのでしょうが実質の土地代は、近隣と比して
坪2万くらいが妥当の処でしょう。としてみると世間の
掛け値無い評価は4-5000万かも知れません。

斡旋を依頼した不動産屋も投げ気味です。

「取られるか、仕方無い。」
仮に無剰余であっても倒産する老人に払っていけるローンでは有りません。

諦めかけたKに囁いたのは税理士です。
「Kさん、お子さんの誰かにローンごと贈与する
 負担付贈与を考えたら如何ですか。」
今までに不動産の贈与は考えました。
しかしローンはあくまでKが払わないといけないと決めて居ましたから、
税理士の言葉に光を見出したのです。資産と負債を相殺しての贈与税です。
評価さえ同じならば払わなくてもよいです。

不動産評価が落ちたことはKにとっては好都合でした。

「でも銀行は承知をするかな。」
若しローンを変えることを認めないと云っても、此方が強引に
名義変更すればどうなるだろうか。それでも税務署は負担付贈与と
認めてくれるだろうか。

「贈与を受けた者が、間違いなく自分のお金でローン代を
 払っている事が証明できれば負担付贈与は認めます。」
わざわざ聞きに行った税務署の返答です。

ローンを組んでいるのは会社の主力銀行です。
でも銀行は何一つ云わなく趣旨を了解してくれました。
80才を過ぎた老人から、若い子供4人に均等にローンを移行することを
内心歓迎したかの様です。
責任は4名で連帯して、窓口は次男がなりますと、直ぐに話が付きました。

「普通はローンの借主は変えないですよ。所有権の変更は認めますが、
 当然其の方にも保証人兼担保提供者になっていただきます。」
この場合は特別ですよと云わんばかりでした。

最初から負担付贈与にすればなんてことは有りませんでした。
しかし此処までたどりつくまで、Kは何年とかかっています。
会社の整理で、主力銀行に迷惑を掛けるからと、銀行には
相談しなかったのが尚 回り道になったみたいです。

今Kは4人の息子から使用貸借と言う事で同じ家に住んでいます。
会社は不動産の処分に大童です。
しかし債権者の銀行は何処も自宅まで追及はする形跡が有りません。





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