かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

魔が差した使い込み

2010-02-14 | 事例
魔が差したとしか言いようが有りません。
あの堅い社長が使い込んだのです。
たった2ヶ月足らず、あっという間に7000万もの穴を開けてしまいました。
手形は切って居りません。死に物狂いで4ヶ月ほど回しましたがもう駄目です。
ついに任意整理を宣告する嵌めになりました。

仕事は注文建築です。その中では頑張っていました。
しかしこの不景気、注文軒数は減ってき、悪いことに粗利もがた落ちです。
手形は有りませんから支払いだけはきちんとして居ましたが其れが乱れ始めました。
一旦綺麗にしなければと、長年の竹馬の友から会社名義で1億を借りて会社に入金
しました。

此れで直ぐに遅れた支払いなどを正しい路線に戻せばよかったのですが、
丁度その時に、商品先物の薦めでつい少し手を出してしまったのです。
借りたばかりのお金はまだ会社に有ります。
経理は娘です。強引に出させて6000万が消えました。
1年前の話です。

6000万の仮払い処理をして居ましたが、決算です。
仮払いでは通せないと工事未回収金を膨らませて決算を済ませました。
借りて社長が使い込んだお金、工事未回収金に化けたのです。
社長には何の弁済義務も残って居りません。

任意整理の山は債権者集会です。でも頼んだ弁護士の対応が良かったのか、
債権者は余り騒がずに済みました。
仕事は第2会社で進める手配が全て整って居ります。
第2会社は内容は優秀な会社です。

しかし、問題はあの1億借りた友人でした。
金利は年5%。毎月払い、断金は4半期ごと500万の返済という約束です。
これだけは実行すれば、友人には解らず、余分な心配もかけないと思って
報告もしていません。ところが、うっかり弁護士が送った会社現状報告より
これを知ってしまったのです。
友人は彼を責めました。

「長年付き合っていた君だ。何もかもオープンにしてきたから信頼して
 1億を貸したのだ。会社が悪ければ、返済など幾らでも待ってやった。
 しかし、そんな事一言も云わずに会社を倒産させて居るではないか。
 最近送ってきた貸借対照表にも1行もこの借金は載って居ないではないか。
 つまり最初から君は私を騙そうとして借りたのです。
 直ぐに一括で返済願います。出来ないときは、私は直ちに会社と貴方の
 自宅に第2抵当をつけることを要求します。それも無理のときは、私は
 経費の持ち出しになる恐れも大きいですが、君の破産申し立てもします。」

最初は、社長も逃げ切れると思っていました。
しかしだんだんと相手の言うことが突き刺さるようになったのです。
自宅と会社の不動産は、債権者会議のときは弁護士の「銀行の担保ですから」
の一声でそれ以上突っ込む債権者は居ませんでした。
しかし、友人は調査して担保余力は十分にあると踏んで居ます。
事実彼も、郊外にある800坪の自宅は、分譲住宅にすれば1億以上の利益を
出すと計算して居ります。

そればかりでは有りません。
「万一破産をかけてくれば、管財人は私の使い込みがわかるのではないだろうか。
 するとあいつは使い込みで刑事問題として、かつ、其の資金も会社からの贈与で、
 税金も脱税扱いになるのではないだろうか。」

さあ、こう思い出すと眠れなくなりました。

いくら有望な会社でも、営業活動は始まったばかり、1億なんておろか今は
1回分の返済の500万すら払えません。
土下座して謝っても、許してくれればそうしたいのです。
しかし、一旦口にしたらあくまで遣り通す相手です。
担保取得や破産申請を簡単に辞めるとは思いません。
彼は、鬱になってしまいました。

結局彼は、担保設定は実行し、かつ友人を第2会社の代表権のある役員にして居ります。

彼は最も悔やまれる借金をしたみたいです。





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