かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

和解は本人で無いと高くなります。

2010-02-24 | 事例
「漸くサービサーとの和解が出来ました。これですべてが綺麗になりました。」
「良かったですね。それでいくらで?」
「8000万です。6000万は今までの返済分も含めて和解と同時に。
後の2000万は1年の分割です。」
2の句が継げませんでした。

残債務は1億6000万。自社ビルの借入残です。
ビルの借金が4億2000万。任売で彼の会社がビルを2億6000で買って、
その残がサービサーに譲渡されたのです。

建設業だった父親の保証債務です。
結局この債務だけが残ったのです。

この頃、彼の4-5年前に造った会社が急成長していたのです。
1年ごとに羽振りも違って来ました。
サービサーに譲渡された1年半前、彼は何とか1000万以内で和解を
したいと真剣に望んでいたのです。

同じサービサーでこれと似た条件のところでも、
私の知って居る和解は2000万を超えていませんでした。
「私は直接交渉の場に出れません。しかし、後ろから全てをアドバイスをします。
 場合によれば差押さえも1度覚悟しましょう。会社とは関係ないです。
 楽ではないが何とかなるでしょう。頑張りましょう。」

しかし、彼は此処で弁護士に委任したのです。
彼は交渉は全て私がやるものと思っていたのです。
「私が交渉するより、餅屋の弁護士に依頼して、私はその間も
 稼ぐことに専心します。そのほうが合理的でしょう。」
彼の身勝手の弁解でした。

彼はサービサーとの争いを予想して居りました。
したがって彼自身の資産は何ひとつ作って居りません。
会社の株ですら最初から奥さんの名義が主体です。
ですから、1回くらい差押さえをされても空振りになり、1000万、
悪くても弁護士費用も入れて2000万では解決すると思って居ました。
私の思惑が大きく影響しております。

弁護士との和解はなかなか進みませんでした。
そのうちに彼の言うことが次第に変わって来ました。
「1000万ではとても無理だよな。6%だもの。やっぱり10%くらいは普通ですね。」

何時の間にか毎月70万を払うようになって居りました。
「毎月70万も払えば、此処は払えるところだと
 サービサーに教えているのと同じではないか。」
私が反対しても取り上げられません。
こちらも払って地位を対等にしないと交渉も弱くなるそうです。
地位の対等とはなんでしょうか。こんなことは考えた事も有りません。

こんな事が有りながら、次第に言い方が違って来ました。
「弁護士も苦労しているよ。今5000万で話をつけようとしているみたい。」
やがて
「私に何もないと言っても、ビルを会社で買い戻したり、株を持って居ない事等、
 作為したことは、見え見えだからね。悪くすると詐害行為になりそうです。」

要はだんだん支払額が高くなることを当然として私に言って居ます。
徐々に上げていく方法。最も下手なやり方です。

其れに弁護士から和解はこのくらいでないと、と言うことを何回も
吹き込まれたと思います。
何時の間にか高くても当たり前だ。
自分の考えが甘かったんだと考えが変わってきたのです。

和解しました。
平穏無事でした。
おそらく弁護士が入らず私がアドバイスをしていれば、
あるいは近くの金融機関など差押さえが有ったと思います。
しかしながら、和解できているかもう少し時間が掛かって居るか
解りませんが、今回の和解額を遥かに下回る額だったでしょう。
だってそうでなければ和解などしません。

平穏無事がよいのか、金額が少ないほうがよいのか、
人によっても違いますが、自分でやらなかった
為に、初心を忘れて非常に高い和解をして例と思います。


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