かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

身勝手な債務者

2010-02-20 | 事例
「裁判所から訴状が届きました。あのサービサーです。2400万しかないのに
 訴状なんて、少しサービサーも図に乗って居ませんか。」
迷惑を掛けているのは銀行だけです。
あの時、銀行は6行有りました。
何処もに払えず、夜逃げみたいに隣接市よりこの都会に越したのです。

会社は整理も何もして居りません。要は銀行だけが払えなかっただけです。
サービサーがお目見えする少し前です。
大手銀行に売掛金を差押えられたこともあります。
引っ越さざるを得なかったのです。

よせばよいのに、大都会のビル街、出物があったために、其処に越しました。
しかし知らない人が見ると、会社の発展的の引越しと受け取るでしょう。
事実得意先など「一段と飛躍しましたね。」と感心したものです。

銀行は何も連絡しないのに、直ちに押しかけて来ました。
すかし払うつもりもありません。
「金が無い。」で頑張っていれば銀行も諦めるだろうと、
メインの3人の幹部の思惑です。

しかし、此処に引っ越してからが、この会社だ不良債権として責められるように
なったのです。銀行はおとなしく下がって、保証協会に代位弁済か、または当時、
急激に伸びてきたサービサーに債権譲渡をしたのです。

地下鉄から近く、ビルの1階です。
訪れた債権者はびっくりして居り、ついでに迫ってきます。
「此処でしたら高いでしょう?」
つまり裏を返すと「此処ならばお宅は古い借金など簡単払えるのでないですか。」
と云うことです。

債権者担当は3人の中の最下位のMの担当です。
Mはこうしたサービサーの空気を早くも察しておりました。社長と副社長に
進言しますが直接に会っていない二人にはぴんと来ません。逆にMが弱気と
叱られる始末です。

差押さえも多かったです。
近場の銀行がちょくちょくやられて居ます。売掛金などありませんから、
社長・副社長とも未だ意気軒昂です。

「社長今度は、Nサービサーです。債権額は2400万しかありません。」
「うまく和解にもっていけよ。100万も有れば十分だろう。」
それがうまくいかず、漸く聞き出した相手の本意は1200万でした。

「こんな小さな金額で50%の1200万なんて相手を何と考えているのか。」
逆に3人が上げる気炎です。
しかし、ついにこれは訴状に変わりました。

よせばよいのに、中の答弁書も出し、口頭弁論にも出席しました。
狙いは「100万で和解をせよ。」と云うことです。
「100万は最悪でも出るな。」と解ったサービサーが承知をする筈がありません。
裁判の時、金額を出して和解を主張するほど馬鹿なことは有りません。
相手に全部手の内を見せて居るのです。
「今の事務所の賃料だけでも相当な額と思われます。
 そうしたものを少し削って回して頂きたく思います。」
簡単に債務名義が相手に渡ったのです。

「サービサーは債務名義をとってから、もう1度支払いの交渉をして来て、
それが駄目に時に差押をするそうだ。それまでは何も無いよ。」
誰かが聞いてきて、3人とも信じてしまったのです。

しかし、このサービサーの差押さえは徹底して居りました。
差押さえ額を50万から300万にして25箇所、売掛金や預貯金など差押えてきたのです。
「この差押さえで効果があったところを徹底的に狙って行く。」
と言う態度です。

サービサーが持っている4-5年前の決算書から差押先を参考にして居ります。
事実この頃と売り先は変わって居りません。
この差押さえは、額は小さいですが、反響を生みました。
直ちに取引に懸念を示すところも何社も出て来ました。

鉄壁だった3人の仲が割れようとして居ります。
社長と副社長は「見通しが甘かった。適切な具申も無かった。」
とMを責めますし、Mは「此処に移った事がそもそも間違いと
当時から何回も意見を述べて居ました。」責任の擦り付けです。

Mが有能だっただけに社長はMの解決力を信じ、サービサーとの真実は
耳には入れませんでした。社長が少しでも自分から交渉をして居れば、
この場所には越さなかったでしょう。

普通ならばとっくに解決していること事ですが、この会社では解決して居りません。
事務所から判断しても未だ取れると信じて居たからです。

今回の差押さえでどうなるか、其れにしても、身勝手の債務者です。


お問い合わせ等は、オグチ経営研究所のホームページをご覧ください



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