分厚い特別送達、彼には心当たりが有りません。
いや、そう言っては嘘になります。彼は最近廃業をしたばかりです。その時の誰かからでしょうか。
でも、仕入先にはきれいに払いましたし、得意先には今後の供給ルートも紹介しました。
金融機関も保証協会を除いては担保の売却できれいになって居ます。
代位弁済になった保証協会だけは6500万残って居ます。しかし工場の土地がまだ売れていませんから、
最終残っても2000万以内でしょう。
不審気に封を開いて見ると、予想通りの訴状です。
相手は保証協会サービサーになって居ます。
「儂の債権、保証協会サービサーで扱うのかな。」
しかし違いました。
彼が保証した会社で10年以上前に倒産したところが有ります。1億3000万でした。
債務者の他は、彼を含めて保証人が二人でした。
此の時に、本業で保証協会を利用し、土地持ちの彼だけが責められたのです。
「貴方が払わない時は直ちに差押をします。それに貴方の本業で貸している6500万の切り替えや
追加貸し出しは一切しません。」
彼は、保証協会の此の台詞に負け、土地を売却し、8000万を返済しました。
当時、債務者ともう一人の保証人から回収しない事を逆恨みしたものです。
此の時の債務者は今は落ちぶれて隣町の公営住宅に一人で住んで居ると聞いて居ます。
保証人は近在の町に、自宅も建て直し、良い生活らしいと云う噂が耳に入って居ます。
しかし、此の件はもう10年前の話、今では時効になって清算されていると、あの時まで信じ切っていました。
訴状の主は此の保証協会サービサーからでした。
最近、本業の代位弁済で伺った時、話が済むのを待ってかの様に、同じ場所に居る保証協会サービサーに
呼ばれました。
「まだ残債務が有ります。これに付いて、あなたはどうお考えですか。」
こんな切り出しでした。
「もう10年も前の話でしょう。時効になって居る筈です。それに私は8000万も払って居るのですよ。
これ以上何とかしろと云っても、今は本業が代位弁済になった身です。
払えっこないですよ。
それより、もう一人の保証人が居ますよね。そちらから何故回収しないのですか。」
矢面を変えるのと日頃の鬱憤が吹き出ました。
「それがねえ、何処に住んで居るかそれすら解からないのですよ。」
「近在の町に家まで建て替えて立派にやって居ますよ。」
此処まで言った時に相手は急に身を乗り出して来ました。
はっと気付いて話を止めましたが、なぜか相手は、満足げに別れたのです。
訴状の内容は明らかに時効中断でした。
訴状によると、平成18年に債務者だけの訴状で、此処で債務者と保証人の時効を中断して居ます。
それから5年、債務者は時効までもう5年有りますが、裁判請求をして居ない保証人は裁判請求をしないと、
保証人だけ時効が成立します。
それが、今回の訴状を起した内容でした。
此の保証人の時効の事は私も初めて知った知識でした。
「争っても負けるだけさ。何にもしないで居るのが、一番良い。」
放って置いたら敗訴の判決が送られて、又静かになりました。
2ヶ月くらい経った夜、あの時の保証協会サービサーの担当者から電話が有りました。
「貴方のご助言のために保証人と連絡が取れました。」
何か嫌な気がします。
「今は立派なご自宅まで持って、生活されて居ます。我々は残額の支払いを求めました。
すると相手は、実際の仕事には全然関係の無い、文字通りの頼まれ保証です。
今は侘しい年金暮らしですが、それでも保証人ですから1000万を払います。
それで全てを免責して頂きたいと弁護士を通じて申し出が有りました。
今日、電話をしたのは本当に彼が名だけの保証人であったか、それをお教え願いたいのです。
それによって我々も判断します。」
彼は自分も建物を貸したと云うだけで、会社の内容も、どんな人が関係して居たかも、全然解かりません。
ご質問の保証人のことは解かりません。
と答えて電話を切りました。
此の結果はまだ聞いて居りません。
いずれにせよ、保証協会は10年目で、5000万残の回収が自宅売却か1000万の回収か、
どちらかが出来るようになったのです。
たった一言の彼の言葉のために。
今、保証協会の回収は1層、厳しさを増して居ます。
行き過ぎの無い事を祈って居ります。
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電話・FAXでのお問い合わせは、
０４２－４８３－３６０４（10時～17時）
※電話番号は、お間違いの無いようおかけ下さい。
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いや、そう言っては嘘になります。彼は最近廃業をしたばかりです。その時の誰かからでしょうか。
でも、仕入先にはきれいに払いましたし、得意先には今後の供給ルートも紹介しました。
金融機関も保証協会を除いては担保の売却できれいになって居ます。
代位弁済になった保証協会だけは6500万残って居ます。しかし工場の土地がまだ売れていませんから、
最終残っても2000万以内でしょう。
不審気に封を開いて見ると、予想通りの訴状です。
相手は保証協会サービサーになって居ます。
「儂の債権、保証協会サービサーで扱うのかな。」
しかし違いました。
彼が保証した会社で10年以上前に倒産したところが有ります。1億3000万でした。
債務者の他は、彼を含めて保証人が二人でした。
此の時に、本業で保証協会を利用し、土地持ちの彼だけが責められたのです。
「貴方が払わない時は直ちに差押をします。それに貴方の本業で貸している6500万の切り替えや
追加貸し出しは一切しません。」
彼は、保証協会の此の台詞に負け、土地を売却し、8000万を返済しました。
当時、債務者ともう一人の保証人から回収しない事を逆恨みしたものです。
此の時の債務者は今は落ちぶれて隣町の公営住宅に一人で住んで居ると聞いて居ます。
保証人は近在の町に、自宅も建て直し、良い生活らしいと云う噂が耳に入って居ます。
しかし、此の件はもう10年前の話、今では時効になって清算されていると、あの時まで信じ切っていました。
訴状の主は此の保証協会サービサーからでした。
最近、本業の代位弁済で伺った時、話が済むのを待ってかの様に、同じ場所に居る保証協会サービサーに
呼ばれました。
「まだ残債務が有ります。これに付いて、あなたはどうお考えですか。」
こんな切り出しでした。
「もう10年も前の話でしょう。時効になって居る筈です。それに私は8000万も払って居るのですよ。
これ以上何とかしろと云っても、今は本業が代位弁済になった身です。
払えっこないですよ。
それより、もう一人の保証人が居ますよね。そちらから何故回収しないのですか。」
矢面を変えるのと日頃の鬱憤が吹き出ました。
「それがねえ、何処に住んで居るかそれすら解からないのですよ。」
「近在の町に家まで建て替えて立派にやって居ますよ。」
此処まで言った時に相手は急に身を乗り出して来ました。
はっと気付いて話を止めましたが、なぜか相手は、満足げに別れたのです。
訴状の内容は明らかに時効中断でした。
訴状によると、平成18年に債務者だけの訴状で、此処で債務者と保証人の時効を中断して居ます。
それから5年、債務者は時効までもう5年有りますが、裁判請求をして居ない保証人は裁判請求をしないと、
保証人だけ時効が成立します。
それが、今回の訴状を起した内容でした。
此の保証人の時効の事は私も初めて知った知識でした。
「争っても負けるだけさ。何にもしないで居るのが、一番良い。」
放って置いたら敗訴の判決が送られて、又静かになりました。
2ヶ月くらい経った夜、あの時の保証協会サービサーの担当者から電話が有りました。
「貴方のご助言のために保証人と連絡が取れました。」
何か嫌な気がします。
「今は立派なご自宅まで持って、生活されて居ます。我々は残額の支払いを求めました。
すると相手は、実際の仕事には全然関係の無い、文字通りの頼まれ保証です。
今は侘しい年金暮らしですが、それでも保証人ですから1000万を払います。
それで全てを免責して頂きたいと弁護士を通じて申し出が有りました。
今日、電話をしたのは本当に彼が名だけの保証人であったか、それをお教え願いたいのです。
それによって我々も判断します。」
彼は自分も建物を貸したと云うだけで、会社の内容も、どんな人が関係して居たかも、全然解かりません。
ご質問の保証人のことは解かりません。
と答えて電話を切りました。
此の結果はまだ聞いて居りません。
いずれにせよ、保証協会は10年目で、5000万残の回収が自宅売却か1000万の回収か、
どちらかが出来るようになったのです。
たった一言の彼の言葉のために。
今、保証協会の回収は1層、厳しさを増して居ます。
行き過ぎの無い事を祈って居ります。
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