「Kのところな。旧会社の株を500万持って居るのはお前も知ってるな。最近資金が足りなくて困っているらしい。
儂に買戻しを言って来た。わしの処じゃ買えないから、お前の会社で買い戻してくれないかな。」
彼のところは県下でも有数な材木問屋でした。資本金4000万です。
社長の父は仲のよい建築屋と何時も行き来をして居ました。
もう何年前の話か、資金が必用と言うより、入札その他の関係で、2社が同時に増資をした事が有ります。
此の時は、 2000万の資本金を倍額増資、増資の半分は1族でもって後は外部でした。
此のときにKと500万づつ株の持合をしたのです。
「儂のところは潰れる前に、Kに買い戻して貰ったよ。その時にも何か言いたそうだったが、
儂は知らん顔をして居たのさ。そしたら昨日会合であった時、言われちゃってね。」
「そんなこと言ったって、会社が潰れた事、言ってないの?」
銀行返済が出来なくなった父親は、仕入債務だけは清算して廃業しました。
只世間体か、自宅に本社を移してそこで企画を続けると言っています。
見栄を張ってか、商工会には出て居ます。
息子は旧会社に居ましたが、潰れる前に飛び出して、自分で同じ仕事の別会社を作って居ます。
此の会社の設立は、父親も旧会社も全く関係が有りません。
只、旧会社が潰れた時、従業員を相当数引き取って居ます。
それと得意先に不便を掛けないよう、旧会社のあとを取引して居ます。
「親父、私だってまだ本格的に軌道に乗っていません。そんな事すれば会社は潰れちゃ居ます。
それに、そんなことすれば、私の会社が債務承継会社になって、大変なことになります。
勘弁して下さい。」
「そんな事云ったって。第一お前の会社は儂の会社と同じだよ。売り先だって従業員だって
儂の会社から7割近くを引継いでいるんじゃあないか。」
トンでも無い事を言い出したのです。息子が何より恐れていた事でした。
全くの同業です。父親の会社から移行した者は結構有りますが、息子は親を救うためにやった事です。
それが債務継承のある第2会社だと思われてはなりません。
「Kさんだって私の事、知って居たよ。
噂で、私の会社が廃業したが、息子が新しく会社を作って引継いだ居るから、息子さんに買い戻して
貰えば良いでしょう。何てね。」
息子は強く否定し、父親はむくれて物別れです。
あの鼻っ柱の強い父親ですから、会社が倒産したなど、恐らく口にはして居ないでしょう。
株も、買い戻しの約束をしているかも知れません。
只此の気まずい事は、次に始まる序曲でした。
それから数日後。彼も社員も出払い、事務の女性2名のところに一人の老人が訪れて来ました。
「私は旧会社の株を額面で30万もって居ます。之を買い戻してください。」
と云うのです。
名乗った男の名前には心当たりは有りません。
そう云えば旧会社に正確な株主名簿は有りませんでした。
親戚関係を加えれば3000万です。500万はKですから後500万が解からないのです。
増資のときに、Kのほか2名に引受けを依頼しました。
但し、此の2軒とも相継いで、5年以上前に倒産して居ります。
今は何処に行ったかわかりません。此の時に株が分散したらしいです。
倒産前、詐欺同然に知り合いに流したと云う噂を耳にした事が有ります。
其の一人でしょうか、市内の人で、最近、旧会社の噂を聞いて、紙くずにならないうちに買い戻して
貰おうと、やってきたと言うのです。
此の時は何とか返って貰いましたが、こんな人が15-6名居るかと思うとぞうっとします。
父が対応すれば、彼の会社で払うと名言するでしょう。
旧会社が返済不能や代位弁済の時は、此の会社について随分質問が有りました。
其の都度彼は父を跳ね除け、自分で弁解に回って居ります。父には全然対応させて居りません。
しかし今は其の父が、彼の会社を自分の会社の跡継ぎみたいに言っているのです。
株券をもっている人はお金になればよい事です。
狭い街です。
噂が保証協会に入っていなければ良いですが。
保証協会から父親に連絡が有りました。
「最初の6ヶ月は過ぎましたから、今後の支払いの話をしたいのですが。」
息子の会社が債務承継会社なんて話が出なければ有り難いですが。
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彼のところは県下でも有数な材木問屋でした。資本金4000万です。
社長の父は仲のよい建築屋と何時も行き来をして居ました。
もう何年前の話か、資金が必用と言うより、入札その他の関係で、2社が同時に増資をした事が有ります。
此の時は、 2000万の資本金を倍額増資、増資の半分は1族でもって後は外部でした。
此のときにKと500万づつ株の持合をしたのです。
「儂のところは潰れる前に、Kに買い戻して貰ったよ。その時にも何か言いたそうだったが、
儂は知らん顔をして居たのさ。そしたら昨日会合であった時、言われちゃってね。」
「そんなこと言ったって、会社が潰れた事、言ってないの?」
銀行返済が出来なくなった父親は、仕入債務だけは清算して廃業しました。
只世間体か、自宅に本社を移してそこで企画を続けると言っています。
見栄を張ってか、商工会には出て居ます。
息子は旧会社に居ましたが、潰れる前に飛び出して、自分で同じ仕事の別会社を作って居ます。
此の会社の設立は、父親も旧会社も全く関係が有りません。
只、旧会社が潰れた時、従業員を相当数引き取って居ます。
それと得意先に不便を掛けないよう、旧会社のあとを取引して居ます。
「親父、私だってまだ本格的に軌道に乗っていません。そんな事すれば会社は潰れちゃ居ます。
それに、そんなことすれば、私の会社が債務承継会社になって、大変なことになります。
勘弁して下さい。」
「そんな事云ったって。第一お前の会社は儂の会社と同じだよ。売り先だって従業員だって
儂の会社から7割近くを引継いでいるんじゃあないか。」
トンでも無い事を言い出したのです。息子が何より恐れていた事でした。
全くの同業です。父親の会社から移行した者は結構有りますが、息子は親を救うためにやった事です。
それが債務継承のある第2会社だと思われてはなりません。
「Kさんだって私の事、知って居たよ。
噂で、私の会社が廃業したが、息子が新しく会社を作って引継いだ居るから、息子さんに買い戻して
貰えば良いでしょう。何てね。」
息子は強く否定し、父親はむくれて物別れです。
あの鼻っ柱の強い父親ですから、会社が倒産したなど、恐らく口にはして居ないでしょう。
株も、買い戻しの約束をしているかも知れません。
只此の気まずい事は、次に始まる序曲でした。
それから数日後。彼も社員も出払い、事務の女性2名のところに一人の老人が訪れて来ました。
「私は旧会社の株を額面で30万もって居ます。之を買い戻してください。」
と云うのです。
名乗った男の名前には心当たりは有りません。
そう云えば旧会社に正確な株主名簿は有りませんでした。
親戚関係を加えれば3000万です。500万はKですから後500万が解からないのです。
増資のときに、Kのほか2名に引受けを依頼しました。
但し、此の2軒とも相継いで、5年以上前に倒産して居ります。
今は何処に行ったかわかりません。此の時に株が分散したらしいです。
倒産前、詐欺同然に知り合いに流したと云う噂を耳にした事が有ります。
其の一人でしょうか、市内の人で、最近、旧会社の噂を聞いて、紙くずにならないうちに買い戻して
貰おうと、やってきたと言うのです。
此の時は何とか返って貰いましたが、こんな人が15-6名居るかと思うとぞうっとします。
父が対応すれば、彼の会社で払うと名言するでしょう。
旧会社が返済不能や代位弁済の時は、此の会社について随分質問が有りました。
其の都度彼は父を跳ね除け、自分で弁解に回って居ります。父には全然対応させて居りません。
しかし今は其の父が、彼の会社を自分の会社の跡継ぎみたいに言っているのです。
株券をもっている人はお金になればよい事です。
狭い街です。
噂が保証協会に入っていなければ良いですが。
保証協会から父親に連絡が有りました。
「最初の6ヶ月は過ぎましたから、今後の支払いの話をしたいのですが。」
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