かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

奥さんに多額のお金をやるな。

2015-09-25 | 雑感
旦那は事務所兼自宅の事務所を構え、不動産の口利きをする男。商売ではあたっているが、
会計が不明朗。自分の口座だけではなく唯一人の専従員の奥さんの名義の口座にも入金している。浮かせる予定だ。
奥さんは何もしらず、自分の名義の預金も仕事に必要だろうと、銀行の出し入れをも手伝って居る。

ある日銀行の外務員が、奥さんに御愛想のつもりで云った。
「奥さんのこれだけ預金が溜まってご自分でも安心でしょう。」
「どうして? これは会社のお金で私には関係もありません。」
「そうですか。でも、その預金に権限があるのは名義人だけですよ。この預金も奥さんが
 下ろしたい時には下ろせる。嫌の時は誰が何と云おうが下ろせません。つまり預金はその
 名義人の物ですよ。」
お愛想の一言が奥さんを変えた。

その日から奥さんは自分ん口座に入れたお金は自分の物と信じてしまった。
そして積むのは大歓迎だが下ろすのは渋った。

ついに奥さんはこれを旦那にぶっつけた。
「私名義の口座のお金は全部私の物よ。勝手に下ろさないで頂戴。」
旦那はびっくり、大きな言い争いになったが、最後は結局旦那が折れて家の預金を半分づつ
各人の名義にして、以後の入金は全て旦那名義にすることにした。

一応目的を果たした奥さんは大喜び。しかし次第に物足りなくなった。
つまりその後の入金が無いか、自分の預金が増えないのである。旦那に云っても取り上げない。
ついには仕事を手伝うのが馬鹿馬鹿しくなった。

あれだけ受話器を早く取り、的確に応対した電話も次第に投げやりとなってきた。
旦那はそんな事は知らず、外を飛び回った居るが、そうした苦労も、内からどんどん崩れる
状態になってきた。

旦那がおかしいと気付いた時は、折角の商売の顧客が離れた後だった。
奥さんがいるため、その復活も難しい状態。業績は極端に落ちた。

其のうえ、急速な売り上げダウンに疑問を持ったのか税務調査。
奥さん名義の口座もばれてしまった。

多額の追徴。どうしても奥さんの取り分からも出さないとまずい。
預金を分けてから、この追徴決定までに約3年。
自分のお金だと仕切って居るお金が人の持っていかれる。

男のやり方全てまずかったが、特に女にお金をやった事が上手くない。
他人の事だ。笑って勉強になる。