かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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知らないために、大きな負の相続

2016-04-17 | 事例
いきなりの保証人呼ばり。それも、被相続人が死んでから、半年以内ならばまだ話も分かる。
1通の手紙がきたのは、没後4年になる寸前だった。保証協会からだ。
母一人、子供一人・それに学童がいる。母娘の文章は金額まで同じだった。

父が保証協会に保証をしている、元金残債は約4000万弱、それに遅延侵害金と称しさらに加算それが2000万近い。
年14%ががっちりついて居る。

この時の母娘は母名義で1年前に自宅を購入済だった。

相続放棄はしなかった。僅かのお金が有ったら母がすべて相続した。
今までの家は最初から母名義だった。母は結婚後、実親に建てて貰った。
それにしても不便な場所だった。父が他界してから母娘は相談して町中に越すことを決めた。
出物が有ったから今の自宅を売って、買い替えることにした。

自宅は1500万で売れた。母はその金の中から1000万を一旦娘に渡した。
娘はそれにさらに400万追加して1400万、母は400万を出して新居を手にした。

娘の祖父は資産家だった。嫁いだ娘に家を一軒贈ったばかりではない。孫の彼女も可愛がられた。
大きくなったら使ってくれと1000万を母に預けた。
ところが父が専務の会社が左前。夫の頼みで、その1000万を会社につぎ込んだ。
父も、渡した母もそれを口に迄して後悔していた。
母は自宅を売った中からそれを返したのである。

娘はバツイチ。別れる時に若干貰った。今回それと母からの戻りで1400万を出したのである。
名義は本来は娘になる筈。しかし二つの理由から母名義にした。
一つはバツイチのため、手に職をと思って看護学校に通い奨学金を貰って居た。
それが自宅が有る事が解ると支給は没になる。
また母もこの家にずうっと住みたいから、名義の1部は母にするように強く娘に
強請って居た。いずれは全部私の物になるからと娘はそっくり母の名義にしたのである。
不動産の名義人の重要性など考えても居なかった。

そこに保証協会からの相続人確認である。母娘はびっくりした。
保証協会に行って確認したが間違いはなさそうだ。
娘は相続放棄ができる。直ぐした。ところが母は500万と自動車を相続で名義変更している。
逃れることはできなかった。

保証協会は毎月4000円の返済でよいです。
その代わり今の母名義の家を担保にしてくださいと強硬に迫った。
弁護士や、司法書士に相談したが、それは仕方ないと言う。
「担保にしても、すぐ競売するわけでないし、当分は住めるから仕方ないじゃあないか。」
でも全額払わない限り、何時かは取られる。こんなに高い金利ならば母1代でなく、娘がそれを相続しても払えない。
母の相続も出来ないから、母の死とともに家も無くなる。

たまたまそのことを知った男が彼女を励ました。
「その家はもともと自分の家だったことを主張しなさい。本当のことでよい。
 通帳など証拠が有ればなおよい。裁判で争っても勝つよ。
 その代わり、300万くらい取られるかも知れないがその方がよい。」
交渉の台詞から面談の態度、何なら何まで全部教えて貰った。

3回の面談は有ったが男の言う通りになった。300万請求されたが200万にする口実も教わった。

名義は変えた。これで母には何もない。
払えなくなるのは間近だろう。でも保証協会は手を付けられない。

それにしても保証協会がなぜ父の死後直ちに請求に来なかっただろうか。
4年の経って突然来たのであろうか。新居を買った1年目だ。まるで筋書きを知って居た様だ。

債務者の元社長は奥さん名義の自宅で1等地に平然と暮らしている。聞けば1円も払って居ないらしい。

保証協会も解って家の担保は諦めたが、何となくすっきりしない事件だった。
何も知らない婦女子の相続人。まさか意図的に狙っているのではないだろう。















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