かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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相談者が信じられない

2016-02-06 | 事例
昨年暮れ、ローンとそれ以外の担保があって完全な無剰余の自宅が強制競売になった人が居る。

彼は次のように聞いてそれを信じ切っていた。
「自宅はローンと担保で完全な無剰余になります。きちんとローンを払って居れば
 少なくとも時価とローン残が同じになるまでは競売もなく住むことが出来ます。
 そのほかに担保まで有りますから、まず、競売はありません。
 万一、間違って競売申請をしても裁判所が取り下げ勧告をします。」

その理由などは解らないが、競売は無いと信じ切っていた彼に、「競売開始決定」が届いたのである。
無剰余だから、取り下げがあるなんて説明はとうに忘れている。
そのために彼は飛び上がった。

不動産屋の知人も多い。彼は聞いた。誰もが無剰余の競売なんて知らない。
裁判所が競売をするというから、競売は行われと殆どの一致した意見。彼はおびえた。

困り抜いて私のところに相談に来た。

「物件時価より担保の方がはるかに多いですね。そんなもの、競売にはならないです。」
私の一声だ。
これが不味かった。彼の信頼感が一挙になくなった。
「それそれ、それで相談に来たのです。現実に私のこれがそうなって居るのです。」
強制競売者はサービサーだ。
「サービサーはこうした事は知り抜いて居る。なんでこんなことするのか。」
少し私も困った。その態度を見て、彼はますます私は素人と同じと思ったみたいだ。

私は無剰余の競売について説明した。
無剰余と言う言葉すら呑み込めないから理解までには程遠い。
「必ずこれは取下げになる。あなたは何もせず、じっとしていればよい。」
と説明しても、話がうますぎるという顔色だ。
けれど懸命な説明に、納得のふりをして帰った。

帰ってから、大勢の人に聞いた。
誰もが私の言を信じない。競売を取り下げるのが裁判所だ。
裁判は公平で、決して彼の味方ではない。
貴方の為に取り下げ勧告すると言うのは、話が出来過ぎだ。と言うのが殆どのの意見。

そうなることを心配して、何回も連絡した私に黙って、競売をやめるには早期和解しかないと彼なりきの結論を出した。

いずれにせよ、その頃はサービサーも申請のミスに気付いたらしいから、和解も大幅に負けた。
それにしても彼は相当な金を工面し和解をした。
サービサーは競売を取り下げた。
彼は普通だたっら払わない多額のお金を払ったのだ。

大勢の異なった意見。その中から真実の意見を探し出すのは実に難しい。間違えば命取りだ。
私が信じられなかったことは、最初の私の態度にあっただろう。
スタンスがぶれていると見られたのである。

ただ同じような事はいっぱいある。

真実を信じさせること。
相談に乗る者の勤めであろうが、これほど難しいことはない。



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