かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

返済できる人が狙う第2会社

2013-05-25 | 事例
彼はその手口を知りたいのです。
この街でもやり手の事業家が倒産しました。200坪位の自宅があり、車もちょっぴり高級車です。
「倒産? もうあの家から出て行くんだな。」
当然そうなると思って居たのが、そうなりませんでした。以前のように自宅に住んで
居ります。車も変えて居ません。

街の噂も75日。噂は消えても事業家は動きません。
「個人保証もして居るでしょうが何故自宅に住んで居られるのか? 恐らく我々とは違った やり方が有るんだ。」

彼も1代で企業を築き揚げた人です。
今は二人の子供も自宅を持ち、親父を手伝って居ます。それなりきの生活をして居ます。
事業に暗い影は有りません。
銀行にはリスケもせず、毎月元金返済は180万です。さすが最近は180万の元金返済はちょっぴり堪えて居ります。

借金の残高は今4億有ります。今の調子で返しても20年近くかかり、自分は其処まで生けて居られないでしょう。
息子たちが「親父、俺はこの会社をやっていくよ。しかし借金だけはご免だな。
親父が片つけて置いて下さい。頼みますよ。」
彼の胸に響きます。
資産は取られなくて、事業はこのまま続き、借金がなくなる方法をどうしても探したいのです。

冗談混じりに弁護士や税理士に聞きます。この話だけは何時も相手にしてくれません。
考え抜いたすえの結論です。
「第2会社を作って、そこに全て譲渡し息子達にやらせよう。
 今の会社は借金だけを残して、儂がやって、やがて倒産させる。
 第2会社にやらせたことが詐害行為にならなければ何の問題も無い。
 そして、儂の資産はあの事業家のように残ればよい。
 どうすれば良いか解からないが、世間の例を見てもある筈だ。
 
 そうだコンサルタントに相談しよう。その手を知っているかも知れない。」

「10年以上前には、2会社が稼動し始めると詐害行為なんて騒いだ事は確かに有りました。
 今は先ず問題のはなりません。公の立場で詐害行為では無いとは云いませんが、
 事実上は見逃しですね。
 貴方の場合も本当に潰れそうな会社が第2会社を作るならば詐害行為と騒ぐところは
 無いでしょうが、借金を返済しないために、第2会社にを作るのだったら問題は
 置きますね。だから、事前に、この会社を今にも潰れそうな会社にする、之がで出来ればよいでしょう。
 出来ますか? 出来れば詐害行為にはなりません。」

尚も続きます。
「それから自宅を守る方法。こちらの方がまだ簡単です。
 担保になっていれば必ず一旦は取られます。普通は身内の方が買い戻しのでしょうね。
 そうした場合の交渉の仕方などは詳しく説明いたします。
 担保でなかった時は、最初から他の担保であったり、または会社が可笑しくなる前に
 他の人に名義を変えて置いたのだと思います。
 謄本を取れば、其のあたりの事は直ぐに解かります。

 こうして自分の財産を守ることは危機管理と言いますが、之は何らかの手は有る場合が多いでしょう。
 しかし単なるテクニックで儲かるというような事は先ず有りませんから
 ご承知置き下さい。

此方が潰れる。それでも生きていかなければならない。仕事は今までやって来た仕事しか出来ない。
こんな時は第2会社を作っても、貸し手は責めないでしょう。
責めて、勝ったころで、そんな会社ならば、果たして払える会社かも解かりません。
そんな会社相手に詐害行為の争いなど出来ませんと云うのが一般の考えらしいです。

しかし、余裕は有るが、借金を返済するのが嫌だ、だから第2会社で逃げると云う方法は
恐らく貸し手も黙っては居ないでしょう。ましてや資産を隠匿して居るのです。
こうした資産は、全て返済に回して貰うのが、お互いの絶対的のルールです。

こんな場合ですと、貸し手は詐害行為を云って来るだろうと思います。

資産を守る方法は、不動産以外の資産は先ず守れるでしょう。
不動産に関しては詐害行為と云われる場合は多いです。
事件が発生する相当以前から他人の名義に変えて置いたならば良いですが
問題が発生してから慌ててやっても、先ず詐害行為になると覚悟しましょう。
こうした場合は、不動産の時価で買い戻すなどの解決が必要です。
恐らく彼が気にかけた事業家の方も、これ等のどれかのやり方で今の住んでいらっしゃる
のでしょう。決して何かうまい方法があったと云う事は有りません。

「無理か。」
でも本心から諦めません。
まだまだ方々で何か出来そうな方法を探すでしょう。
「そんな事ばかり考えていると本当に会社は駄目になるよ。」
「駄目になったら本当に借金を返さない事を考えてもよいね。」


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