第77回 2014年12月9日 「素朴な模様の 暮らしの器~福岡 小石原焼~」リサーチャー: 加藤夏希
番組内容
今回のイッピンは、「小石原焼」。福岡県の山間にある東峰村で作られる器は、中心から外側に向かって細かく放射状に散る独特の模様が特徴。その素朴な美しさが今、注目を集めている。模様を生み出すのは「飛びカンナ」というワザ。ろくろで回転させながら「カンナ」を当てる。「カンナ」の形状やあて方ひとつで、さまざまな表情が作り分けられる。江戸時代から徹底して親しみやすい器を作り続ける職人たちを加藤夏希がリサーチ。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201412091930001301000 より
福岡県の小石原焼は普段使いの器で素朴ながらも美しい模様で、九州では長年愛されてきました。
渋谷のセレクトショップでは、ナガオカケンメイさんがディレクションしていて、小石原焼は今一番注目されてているとおっしゃいます。
d47 design travel store 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8F
1.太田哲三窯(太田哲三さん)
こちらでは、「飛びかんな」の模様付けの様子や「打ち刷毛目」、化粧土に凹凸をつける「櫛目」という技法を披露してもらいました。
「飛びかんな」は江戸時代に誕生しました。
小石原の陶土は粒子が荒く、絵付けには向いていないためです。
昭和29年、柳宗悦やバーナード・リーチらが小石原を訪れ、「用の美の極致である」と絶賛。職人達は技を磨いていきました。
太田哲三さんは有田の高校で窯業を学んだ後、民藝運動で知られる陶芸家・浜田庄司の元へ弟子入りをする予定だったそうですが、浜田氏より、父・熊雄氏の元で学ぶようにと促され、以来、昭和50年に独立するまで父の元で修行し、現在は長男の太田圭さんと2人で作陶を続けています。
太田哲三さんはろくろの名手。
小物から大物に至るまで、器のサイズがピタリと決まるほどの技術を持ちます。
伝統の飛び鉋や刷毛目といった技法をベースに、用途に忠実で使いやすいもの作りをしていらっしゃいます。
太田哲三窯 福岡県朝倉郡東峰村小石原941
2.鶴見窯(和田義弘さん)
伝統技法を活かしながら、自分なりの味付けをした和モダンスタイルの器を提案しているのは「鶴見窯」の和田義弘さんです。
和洋問わず使え、現代のライフスタイルに程よく溶け込む生活の中の器を作っていらっしゃいます。
鶴見窯の特徴は「点飛び鉋」。
鶴見窯オリジナルの紋様「ドット飛び鉋」は、特に若い女性に人気です。
鶴見窯 福岡県朝倉郡東峰村小石原鼓2514-3
3.マルワ窯 (太田富隆さん)
マルワ窯の太田富隆さんは、小石原焼窯元の中でも壺や大皿など大物を得意としていらっしゃいます。
アメリカ修行で習得した薄づくりのマグカップ類には、こだわりをもって作っているのだそうです。
また、今まで小石原焼にはなかった土鍋や焼酎サーバーや陶器のスピーカーなども作陶されています。
「藁刷毛目」という技法を使って、飛び鉋を加え、新たな器を誕生させました。
化粧土と顔料を混ぜ、カラフル飛び鉋を作り、色にこだわることで小石原焼の可能性を広げたいとおっしゃていました。
マルワ窯 福岡県朝倉郡東峰村小石原892-1
4.小石原ポタリー
「小石原ポタリー」は、小石原の窯元とフードコーディネーター・長尾智子のコラボレーションによって開発された、新しい民芸の器です。
テーマは「料理をおいしくする器」。
フォルム、手触り、重み、意匠の一つひとつに、温かい風合いが息づいています。
<参加窯元>
『森山實山窯』(森山 元實)
『宝山窯』 (森山 金光)
『元永陶苑』 (元永 彰一)
『福嶋窯』 (福嶋 秀作)
『川崎哲弘窯』(川崎 哲弘)
『鬼丸豊喜窯』(鬼丸 豊喜)
『圭秀窯』 (梶原 秀則)
『秀山窯』 (里見 武士)
『原彦窯』 (梶原 正且)
*http://atmarymead235.seesaa.net/article/478020304.html より
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