「クレメンティン」
クレメンテインの枝変り品種。単為結果性(無核性)が高まった上、クレメンテインに比べ大実であるとの紹介。
実際、収穫した果実には、15~16個の種子を含み、強い花粉を持った樹が近接栽培されている場合は無核化は難しい。但し、クレメンテインの糖度の高さは引き継いでおり、糖度は14度、酸味は少ない。果重は110~120gとクレメンテインより大果だった。
また、ミカンでありながら、素晴らしいオレンジ香を持つので、ジュースの香り付け、ジャム等、加工原料としてもおもしろい。たまたま田島さんより、委託で「クレメンティン」の苗木を作って欲しいということで、穂木を持ち込まれ接木。「余った穂木は弊社用に接木してもよろしでしょうか?」と尋ねましたところ。「YES」とのご返事。
そして迎えた、2012年1月23日。「クレメンティン」苗木の問い合わせが殺到。何が起こったのかと思いきや、田島さんがNHK総合「たべもの一直線」テレビ出演。それも地方版ではなく、全国版NHKご出演とのこと。田島さんより頂いた穂木より生産した苗木は、即完売・・・マスメディアの影響はすごい。
穂木を持ち込まれた時に「クレメンティン」の品種名を尋ねました。予想通り「クレメンティナ・ド・ヌーレス」とのこと。「クレメンティン」の枝変わり品種。「ヌーレス」とは、「種無し」の意。昨年カタログ掲載の鹿児島産「クレメンティナ・ド・ヌーレス」の紹介内容は、「糖度は14度、酸味は少ない。果重は110~120gとクレメンテインより大果」と記た。しかし、果実には多くの種子。
田島さんもTVの中で、「小粒なほど、香りと甘みが強い。他の柑橘類の花粉と混じり合うと、本来小さな実が大きくなってしまうことがある。又、他の花粉がまじると本来無いはずの種ができてしまう」と。これで納得です。昨年手に入れた鹿児島産「クレメンティナ・ド・ヌーレス」は柑橘の見本園のような所で収穫したもので、色々な品種の花粉が飛び交っている。熊本県のミカン農家から取り寄せた「クレメンティン」には種がなかった。これより、「八朔」や「甘夏」のように花粉が強い品種さえ近くに植え無ければ無核化は可能であると思われる。
なお、果汁は、素晴らしいオレンジ香を持つので、ジュースの香り付け、ジャム等、六次産業の原料としてもおもしろい。
クレメンティンの由来から書くと、この品種はアルジェリアでみかんの実生から発生した地中海マンダリンと言う品種の雑種と考えられている。この品種を育成したのがクレメント神父と言う方でこの人の名にちなんでクレメンティンと呼ばれるようになったそうです。産地としては原産地のアルジェリアをはじめモロッコ・スペイン・イタリア・イスラエルなど地中海に面した国々とカリフォルニアなどで栽培されています。日本では温州みかんが主流で栽培されていて時期が重なるためこの品種は導入されませんでした。また、南半球でも栽培が広がって6月ごろ日本にも輸入されるようになりました。最初にできたクレメンティンは種が多く含まれていて食べにくかったのですが、スペインでクレメンティン・ド・ヌーレスと言う無核の品種が枝変わりとして発見されて一気に生産量が伸びました。
田島さんが作られる『クレメンティン』。田島さんの技術+クレメンティン香が奏でるジュースは今でも最高の柑橘果汁と思う。
*http://www.ykken.jp/14683011076553 より
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