KuraMaster 2021年度 純米酒部門 プラチナ賞 37/45 「わかむすめ 秘色-ひそく」
*https://store.sakestreet.com/products/wakamusume-hisoku-junmaiginjo-nama より
精米歩合(%) 60%
アルコール度数 16%
新谷酒造 株式会社 山口県山口市徳地小古祖666-2
新谷酒造のラインナップ
「わかむすめ」瑠璃唐草・薄花桜・牡丹 など
新谷酒造の歴史とこだわり
新谷酒造の歴史
新谷酒造の酒造りは、地元酒蔵の蔵人として働いていた初代、新谷熊吉が独立し造りを止めていた蔵を買い取り、始まりました。
昭和2年に創業し、二代目新谷末彦が引き継ぐと「和可娘(わかむすめ)」の名で長く地元でご愛顧頂きました。そして平成になり跡継ぎのなかった蔵を、孫である新谷義直が三代目として引き継ぎました。しかし、これまで長きにわたり新谷酒造の酒造りを支えてくださっていた杜氏が高齢のため引退し、廃業の危機に立たされます。平成19年ひとりでも造り続ける決意をし、一年中仕込みが可能な四季醸造蔵へと改装しました。しかし造りに関しては素人同然で、苦難の船出でした。それでも毎月毎月、酒造りと向き合うことで自身の酒造りのスタイルを確立していきました。そして社長と杜氏を両方担う蔵元杜氏として、あっという間に10年が経ったのですが、四季醸造蔵へと改修した蔵の梁が損傷。移設を余儀なくされまたしても廃業の危機にさらされましたが、私たちは歩みを止めることなく、ここで造り続ける道を選びました。
こだわりの酒造り
平成30年12月、新蔵完成。新たなスタートです。
この仕込み蔵の移設を機に、これまで社長と杜氏を兼任していた夫から、杜氏のバトンが妻へと受け渡されました。
当時(平成30年10月)山口県では唯一の女性杜氏が誕生しました。
昭和2年に創業してから今日まで、時代の変遷とともに様々なことがありましたが、手作業というクラシカルな酒造りを守り続けています。
その工程は秒単位で時間管理する洗米・浸漬や0.1℃単位で調整する温度管理など、一つひとつが緻密で繊細な作業の積み重ねです。
手間暇はかかりますが、雑味の少ない日本酒本来の清らかで美しい味わいを目指し、少量を丁寧に、我が子のように手をかけて育てるのが、私たちの酒造りのスタイルです。
わかむすめの生まれる場所
徳地の風土について
私たちの蔵は、人口約6000人のとても小さな町にあります。
春には美しい新緑の山々、夏は無数のホタルが飛び交い、秋には辺り一面燃えるようなヒガンバナ、冬は満天の星空。自然豊かな山や川に囲まれたのどかな田舎町ですが、江戸時代後期頃は市場が連なる賑やかな町だったと言われています。そのため、蔵の建つこの場所は現在でも「市いち」と呼ばれています。
ここでは200年以上にわたり、日本酒が造り続けられて来ました。一級河川「佐波川」の恩恵を受け、古くから稲作も盛んで小さな町の中に5軒以上もの酒蔵がありました。しかしながら時代の変遷と共に新谷酒造が残された最後の1軒となりました。
そして新谷酒造も、何度も廃業の危機にさらされながら、今では夫婦ふたりだけで営む小さな小さな酒蔵となりました。
私たちの使命は、どんなに小さくとも、この伝統の灯を消さないこと。
都会的で洗練された華やかさはなくとも、悠々とした大地のぬくもりと、そこで生きる人々の骨太な強さを持って、ここでしか醸せない日本酒を造り続けています。
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