いいもの見ぃ~つけた!

「いいもの」は探せばいっぱいあります。独断と偏見による個人的「いいもの」情報発信所です。

<交雑品種> あすみ

2023-01-02 07:55:15 | 果物

 「あすみ」

 1.樹勢は中程度、樹姿は直立性と開張性の中間です。現在のところ、枝梢のとげは発生が多く、長い特性があります。
 2.露地栽培も可能ですが、かいよう病には弱いため、施設栽培向きの品種です。そうか病に対しては抵抗性が強いです。隔年結果性は中程度で、「せとか」並です。
 3.果実は150g程度、果皮は橙色で、滑らかで薄く、剥皮のしやすさは中程度です。また、露地栽培では完全着色しにくく、緑斑が残ることがあります。
 4.成熟期は2月上旬で、果汁の糖度は15.7%と極めて高く、クエン酸含量は1.0%程度となり、オレンジの芳香があるため、食味がたいへん良好です。果肉は濃橙色で、肉質はやや硬く食感に特徴があります。じょうのう膜は軟らかく食べやすい品種です。種なし果の割合は高くありませんが、種子数は1.5個と少ない品種です。
 5.浮皮の発生は見られませんが、果実肥大期に裂果が発生することがあります。
 6.機能性成分のβ-クリプトキサンチン含量は果肉100gあたり1.66mgと多く、ウンシュウミカンの「興津早生」と同程度含みます。
 7.施設栽培において、16%程度の高糖度果実の生産が可能です。かいよう病の発生はほとんど見られず、果皮色の赤みが増し、外観が良好で商品性の高い果実の生産が可能です。(農研機構)

 食味は最高の「あすみ」、施設では糖度17度、露地でも14度を越えてくる。但し、今の所5cmものトゲがある上、かいよう病に弱いので、完全な防風システムが無い場所での露地栽培は不可能。
一般的な育種は、母親と父親を掛け合わせて出来た実の中にある種が子供(雑種)となる。この種を蒔いて発芽した苗が「新品種」となる。実生苗のためトゲは概して強い。
宮川早生の珠心胚実生の「興津早生」も誕生当時ひどいトゲがあったが、今ではまったくといっていいほど無い。これは、エージング、年代を重ねるとDNAは変らず、形質だけが原種から弱性化する現象による。
これにより、「あすみ」も将来は露地栽培の可能性を残す。もうしばらくお待ちください。施設をお持ちの方はすぐに植栽ください。但し、トゲの処理はお忘れなく。

 上記した糖度なんか簡単に出る超甘品種。それだけでなく、酸味も含むのでみかんの奥深い味を楽しめる。但し、トゲがひどいので要注意、露地栽培する場合はトゲでのキズからかいよう病が侵入するので、防風樹を植えたり、風当りの強くない所への定植が良い。果皮には紅ものるが、ゴツゴツしており滑らかな上品さはない。
 このトゲのため、傷果がある程度の割合で発生するので、クレメンティンで有名な田島柑橘園さんが「あすみ」ジュースに挑戦された(試飲できず)。その糖度の高さからくるジュースは素晴らしかったと感動されていた。
少しずつですが、「あすみ」の感動する糖度の高さが消費者にも届くようになりました。六次化も視野にトライあれ。

 露地14度、ハウスで17度

*http://www.ykken.jp/14684637679403 より

 ●あすみとは
◆「あすみ」の来歴
 「あすみ」は現在の国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が1992(平成4)年に「興津46号(「スイートスプリング」×「トロビタ'オレンジ」)」に「はるみ」を交雑し、得られた実生から選抜育成されたタンゴール品種です。

 2011(平成23)年に品種登録出願、翌2012(平成24)年に出願公表され、2014(平成26)年に品種登録されています。

 品種名の「あすみ」は、『「はるみ」の子であることと、明日のカンキツ産業を担うようにとの期待を込めて命名』されたとのことです。

 「あすみ」が選抜育成されたのちに、同じ交配系統の中から選抜育成された「あすき」という品種もあり、2017年に出願公表されています。

◆「あすみ」の特徴
 「あすみ」の果実はやや扁平な球形で平均果重が150gほどと温州みかんと同じくらいです。やや橙色が濃く見える程度で、外見的には明確な特徴がなく、パッと見ただけで判別するのは難しいでしょう。

 栽培環境にもよるようですが、糖度は15~17%とかなり甘みが強く、酸味もあり、芳香もいいと食味の評価が非常に高いのが特徴です。

 皮はややむきにくいですが手で剥けなくはなく、ジョウノウ膜が柔らかいことと種が少ないことから比較的食べやすい品種とされています。

 また、機能性成分のβ-クリプトキサンチンを果肉100gあたり1.66mgと多く含んでいるのも特徴の一つです。

(※出典元:農研機構ホームページ)

 農林水産省の品種登録データベースには「あすみ」の特徴が以下の通り記載されています。

『-----

 果実の形は扁球、果頂部の形は平坦、果頂部放射条溝の有無は無、果頂部の凹環の有無は無、果梗部の形は切平面、果梗部放射条溝の多少は無、果心の充実度は中、果心の大きさは小、果実の重さはやや重、

 果皮の色は橙、油胞の大きさは小、油胞の密度は中、油胞の凹凸は平、果面の粗滑は滑、果皮の厚さは極薄、果皮歩合は極小、剥皮の難易は中、じょうのう膜の硬さはやや軟、

 さじょうの形は中、さじょうの大きさは中、さじょう(果肉)の色は濃橙、果汁の多少は多、甘味は高、酸味は中、香気の多少は中、種子数は少、発芽期はやや晩、開花期はやや晩、成熟期はやや早、隔年結果性は中、浮皮果の発生は無、裂果の発生は少、貯蔵性は中である。

 出願品種「あすみ」は、対照品種「はるみ」と比較して、果頂部の形が平坦であること、果梗部の形が切平面であること、果心の充実度が中であること、果心の大きさが小であること、胚の数が単胚であること等で区別性が認められる。

 対照品種「せとか」と比較して、花粉の多少が中であること、胚の数が単胚であること等で区別性が認められる。

-----。』以上、抜粋。

●「あすみ」の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
 「あすみ」は農研機構で開発された品種で、全国のミカン産地で栽培が可能とされており、各地で栽培が始まっているようですが、まだ品種として新しく、樹が育っていないため生産量は少ないようです。

 また、樹の枝に長い棘があることから風によって果実に傷がつきやすく、他の要因もあって施設での栽培に向いているとされています。

◆「あすみ」の収穫時期と旬
 成熟期は栽培立地にあまり影響されず1月下旬から2月上旬となっています。生産量が少なく、出回る時期が限られているので見かけたら買うことをお勧めします。

*https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/asumi.htm より


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« <慣用句・諺> 首を縊る など | トップ | <いろいろな異名-郷土富士>... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

果物」カテゴリの最新記事