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<経産大臣指定伝統的工芸品> 新潟 小千谷縮

2021-03-18 07:20:08 | 経済産業大臣指定伝統的工芸品

 「小千谷縮」

 Description / 特徴・産地

 小千谷縮とは?
 小千谷縮(おぢやちぢみ)は、新潟県小千谷市周辺で作られている麻織物です。千数百年前から作られていたという越後上布を改良してできた伝統工芸品で、苧麻(ちょま)と言う麻の繊維で作られる織物です。
 麻織物は乾燥に耐性がないため、作る過程で適当な湿気が欠かせません。新潟県の小千谷という地域は雪が多く、湿った空気が保たれていることで麻にとって最適な環境であり、その豪雪地帯の気候を生かし小千谷縮は発展をしてきました。
 小千谷縮の特徴はシボと呼ばれるしわです。撚り(より)の強い糸を使うことで、撚りがほどけたときにシボが生まれます。もともと麻は水分を発散し、乾燥しやすい素材なのでべたつきにくい着物ができます。シボの要素が加わることによって、さらっとした夏に最適な着物を作り出すことが可能です。
 高温多湿という日本の気候にも合っていたことで、日本人に愛される着物となりました。

 History / 歴史
 小千谷縮 - 歴史

 日本の衣服には絹や藤布、麻布などがあり、越後上布は新潟県周辺で古くから庶民に利用されていました。越後上布の歴史は古く、奈良正倉院にも記述があるほどです。将軍や朝廷への献上品に利用されるように、当時より高級品として扱われていました。
 小千谷縮が生まれたのは、1670年頃(寛文年中)です。明石藩士であった堀次郎将俊という人物が、明石縮を参考にして越後上布から生み出しました。その後魚沼地方全域に広がり、江戸時代に最盛期を迎え、年間で20万反を生産するという産業にまで発展しました。明治時代以降は近代技術が発展したため、手仕事で生産する職人が減少し、工業化の波に飲まれていきます。現在、この技術を守る活動があり、伝統を受け継ぎながら上質の麻織物が作られています。

*https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/ojiyachijimi/ より

 長い冬と織手の根気が花咲かせた小千谷縮(おぢやちぢみ)
 光沢ある麻糸で、今も小千谷の縮は作られ続けている。越後麻布からの流れをくむ小千谷縮の特徴は麻と“しぼ”。夏に着るにふさわしい着物である。

 
 受け継がれる伝統技術
 日本古来の衣料には上流階級用布としての絹と、庶民用布としての藤布、麻布があった。中でも麻の歴史は古く、特に越後地方で生産された麻布は越後上布と呼ばれ人々に親しまれていた。小千谷縮は、この越後麻布の技術に端を発し、雪に囲まれた越後の長い冬の仕事として熟成してきた歴史をもつ。今もその伝統技術は受け継がれ、上質の麻織物を世に送り出している。今回は、そんな小千谷縮の職人で伝統工芸士の高橋汎聚(ぼんしゅう)さんにお話を聞いた。

 越後麻布が改良されできた小千谷縮
 千年以上続く麻布織りの技術に、寛文年中(1670年頃)明石藩士、堀将俊によって改良が加えられ、緯糸(よこいと)に撚(よ)りをかけることでしぼ(しわ)をだす技術を生み出された。さらに白地に縞や花文などの模様を織る工夫がなされ、小千谷の縮は創始された。その最大の特徴は、今も受け継がれるしぼだ。「着物でもシャツでも暑い時に着ていると、布がぴたっとくっつくでしょ。ああいう感じがこのしぼの凹凸でなくなるんですよ。だから、くっつかない。」その肌触りは爽快だという。また「麻は非常に風通しがいいからね、日陰なんか入って、風でも吹かれると本当に涼しい感じがします。」また「水に強いですから、夏はしょっちゅう洗濯してもへたらない。」と高橋さん。麻、そしてしぼによる肌へのさらっとした感触。「夏の着物として、これ以上の組み合わせはないですね。」
 文化8年に作られた長唄「越後獅子」には既に小千谷縮が歌われている。『越後がたお国名物数々あれど…かりの便りに届けてほしや小千谷縮のどこやらが見えすく国の習いにや、』昔から小千谷の縮が愛されてきたことを伺わせる。現在もその評価の高さは変わらない。

 手間隙かかっているけど、それを押し出してもしょうがない
 「たくさん作ることはできないですね。時間はかかりますよ。」という高橋さん。数ある着物の材料の中で、特に麻は扱いづらく手間隙かかるということだが、いまだに麻の縮が続いているのは、「小千谷の職人たちが辛抱して麻の良さをつないできた」から。また、豪雪地帯という気候が麻に合っていたからでもある。麻は乾燥に弱いので、うまく織るには適度な湿気が必要だ。新潟の中でも特に雪深いこの地域は、湿気の保たれた麻織物に適した環境なのだ。しかし、縮を織る作業が大変だという事実に何ら変わりはないだろう。最近は作業の中で機械が入っている部分もあるというが、こと織に関しては、染められた絣糸の柄合わせをしながら、人の手によって織られて行く。
織りの作業をしている女性を指しながら高橋さんは言った。「周りが機械になっても、肝心な部分は人がやらないといけない。」極めて忍耐力を要する、手作業が続けられている。

 今の中で、生きられる小千谷の織物をつくっていく
 「まぁ、いいものをきちっと作って、みなさんにお渡しするのが私らの役目ですから。」という高橋さん。手間のかかる仕事に対して、「あたりまえだと思っている。」と凛とした声で語る。その言葉の背景に、これまでの小千谷縮の歴史の重みを感じさせながらも、その目は先の将来を見据えている。「相手が欲しいというものを100%満たしてあげればよいのではないですか。そこに行くまでに積み重ねた努力というのが結局大事だろうということですね。」

 職人プロフィール

 高橋汎聚 (たかはしぼんしゅう)

 「自分で作った作品の中で、よくできたものでも、完璧にできたなというのはまだまだない。奥は深い。」という。


 こぼれ話

 織物の産地ならではのおそば、へぎそば

 へぎそば。この聞きなれない名前のそば、小千谷の名産です。特徴は、つなぎに海藻の一種である“ふのり”を使っていること。ふのりと織物、一見あまり関係なさそうですが、かつてふのりは縮を織る際の縦糸の糊付けに使われていたのです。そのふのりをつなぎに使ったそばが、へぎそば。へぎは杉でできた大きなせいろの様な器のことで、ここに、そばを一口大程度に丸めたものを30個ほど盛りつけ、3、4人でそれを囲んで食べます。へぎに並ぶそばは海の波を表しているといわれ、涼感たっぷり。また、手を振りながら、水から揚げ、へぎに盛りつける特有の動作から、「手振りそば」とも呼ばれます。つるつるとした喉ごしと独特の豊かな風味がポイント。信濃川近くの雪深き中作られる縮、その工程に使われていたふのり。小千谷でそんな景色に思いをはせながら、ぜひ味わってみて。

*https://kougeihin.jp/craft/0112/ より


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