「吉田ポンカン」
ポンカンはインド原産の亜熱帯カンキツである。日本には1896年に導入され,経済栽培されるようになったのは大正末期からである。1934年,当時の鹿児島県農業試験場垂水柑橘分場長・池田基氏と県議会副議長・奥亀一氏が,系統のはっきりした苗木を導入し栽培が広まった。
ポンカンは果実により腰高で球形に近い高しょう系と,扁球形の低しょう系に分けられる(松本ら,1997)。また,葉の大きさによって大葉系と小葉系に分けられている。
大葉高しょう系の節間はやや長く,果実は大きく品質は優れているが,貯蔵中に果汁がぬけやすく,食味が淡白になるので,貯蔵管理には注意が必要である。大葉低しょう系の果心部は大きく,果実比重の小さい系統が多く,やや晩熟であるが食味は濃厚で,す上がりは少なく,貯蔵性に優れるので後期の出荷に向く系統である。小葉高しょう系の葉は,小形でやや長く立ちぎみで,果実は果梗部の突出したものが多い。小葉低しょう系の葉は小形で,果実も比較的小形のものが多い。
鹿児島県垂水市原産。1929年に鹿児島県垂水市出身の吉田静吾氏が、台湾の優れた品種の穂木を同市の町田静介氏に送り、それを繁殖させた品種だそうだ。高尚系(腰高)で晩生系のポンカン。
この品種の特徴は糖度が高いのだが、暖地でこそ、その力を発揮するといわれる。この吉田ポンカンの苗木販売が昨年は急激な伸びを示した。つまり、昨年のように温暖傾向にある年の吉田ポンカンの味は良く、価格が伸びたのであろう。全国的には太田ポンカン主流であるが、これからは吉田ポンカンにも期待がかかる。
晩生系ポンカン。香り、味わい共に深い。太田に比べて縦長の果形で大実。暖地で越冬できるなら、ポンカン栽培はこの品種。
*http://www.ykken.jp/14682168244119 より
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます