富田林百景+ 「とんだばやし」とその周辺の魅力を発信!「ええとこ富田林」

大阪の東南部に位置する人口10万ちょっとのごく普通の町、富田林。その魅力を、市民の手で発見していきます。

小板橋を訪ねて

2013年06月30日 | 日記

『 ゆきずりのわが小板橋   しらしらと一枝(ひとえ)のうばら

   いづこより流れか寄りし   君まつと踏みし(ふみし)夕べに

   いひしらず沁みて(しみて)匂ひき

 

   今はとて思いに病みて   君が名も夢も捨てむと

   なげきつつ夕わたれば   ああ、うばら(茨)あともとどめず

   小板橋ひとりゆらめく  』

(与謝野鉄幹・晶子主宰の東京新詩社「明星」1907年〔明治40年〕12月号に掲載。この詩歌同人雑誌は翌1908年には当時の政府の内務省より発禁の処分をうけ廃刊においこまれた。)

と、この詩の作者「ゆふちどり」こと石上露子( いそのかみ つゆこ、1882年~1959年 本名:杉山 孝)が歌った小板橋はどこだろうと、彼女の生家である杉山家住宅(重文・公開)から東に歩くとすぐ、河岸段丘を降りる坂道「山ヶ坂」に出逢う。同じく石川の河原に降りる「山中田坂」や「亀ヶ坂」が整備されているのに対して、山ヶ坂は昔のまま、鬱蒼とした竹林の混ざった雑木林の中を滑りやすい地道の急坂が続いている。そこを降りると水路がある。この水路は、河岸段丘上の田畑を潤す「荒前井路(あらまえいじ)」や「深溝井路(ふこうどいじ)」などの水路の水を寺内町周辺の農地を通って石川に戻す、幅は狭いが水量豊富な水路だが、そこを渡るために架けられた小橋が小板橋(こいたばし)と言われている。 このあたりだけが昔の風情をよく今に伝えてくれている。

山ヶ坂の寺内町側の出入り口。一人ではちょっと入りにくいほどワイルド?

途中は、木漏れ日が漏れる自然豊かな山中を散歩する気分を味わえますが、足元は滑りやすいので注意を!

降りきったところにある水路。今はコンクリで固められていますが・・・この付近に小板橋が架かっていたと考えられます。

         

 水路の傍らの小径には農耕車がコトコトと。昔は牛や馬に引かれた荷車が通ったのでしょう。


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