【最新の遺跡分布図】
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現われては消え、消えては現われるの連続です。今回、井堰の水を抜いたことにより、C6とC7が新たに見つかりました。
ここ3年ほど、貴重な遺産が増水の影響で流失・不明になっている中、ほんとうによかったと思います。
(ポイントの地点名は仮称です。)
【新しい発見 C6】
このC6が今回発見された化石木です。
170×110cmもある巨大な立木化石。中が室のように空洞になっています。
ほかの2つ(A・C4)と同じく、直立した状態で現在の川底から数十センチの所より下の部分が残っています。
C4と同じく真ん中が空洞になっています。
外側の部分の組織が硬く、そこが残ったものと思われますが、樹木が生きている時から室になっていたかどうかはわかりません。
すんでのところで、川底の工事で消滅をまぬがれたC6。上流部の高橋までは160m。
【新しい発見 C7】
C6より下ること、約20m、半分姿を現しているのが、C7です。今回同時に見つかりました。
同じく立木化石で、年輪もはっきりしています。
樹幹が小さいところから、まだ若い樹木か、別の種類の樹木かと思われます。
C群はかなり密度の濃い化石木の分布となっており、化石林と言ってもよいと思われます。
深溝(ふこうど)井堰のゴム引布製起伏堰が点検か修理のため取り外され、貯水ゼロの状態です。
水位が2m以上下がり、今まで水面下にあって、よく見えなかった化石木がよく見れるようになり、さらに、新たな化石木が発見できました。
下流より上流の高橋を見たところ。
ポイントAがよく見えます。
【ポイント A】
御嶽山のようにみえるこの化石木がポイントAです。ここのステータス。白く見えるのは、石川の水に多く含まれているミネラルが結晶化したもの。樹種は針葉樹で、メタセコイアの可能性が高いということです。
近くで見ると巨大な樹幹 1,5×1m、幹回り4.5mもあります。
上流の高橋からもよく見えます。
【ポイント C4】
最初の発見(2013.6.5.)から遅れること約1年(2014.7.18.)、四天王寺大学の森山義弘先生が発見したもの。それまで、ほとんど埋まっていて発見できませんでした。
中が室(空洞)になっています。
ポイント AやC6に匹敵する大きな立木化石です。
インパクトのあるポイントC4(手前)とポイントA
いつまでも、ここに残ってほしいものです。
【ポイント C5】
2015年9月に発見された、倒木(流木)の化石木
ちぎれて、裂かれたような印象です。大阪層群でない中洲の表面近くから見つかっていますので、後に上流から流されてきたものかも知れません。
C群のエリアでは川底に表面が摩耗した化石木を見つけることができます。
C群エリアでみられる、炭化層
葉っぱや小枝が長年堆積したもので、チャコールグレー色をしています。これも今回出てきました。
大阪層群の粘土層に出ている紋で、亀甲紋がみえますが、森山先生によると「乾裂紋」らしいということです。
C群エリアと高橋から380m下流部にでています。
乾裂紋はこの写真(2017.3.1.撮影 深溝井堰上手付近)のように、堆積した泥の表面が乾燥するときに生じる亀甲状の割れ目で、後の水没時にすきまに砂や泥が堆積し、そのまま地層となったものということです。
下流部の川底には化石木の一部がみえます。高橋から380m下流地点
同じく表面に出ている大阪層群 還元鉄粘土層からは、樹木の破片が出ています。
化石木を調査する森山先生
手前は100万年前の大阪層群の粘土層
ポイントAの横 あけぼの運動公園に設置していただいた足跡化石・化石木の案内板
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「あけぼの運動公園」の「あけぼの」はアケボノゾウの足跡化石に由来しているようです。
アケボノゾウの足跡化石が現在見れるところは、下流の金剛大橋 180m 左岸河川敷にあります。
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今までの経緯をポイント別に紹介します。
撮影:2017年2月28日、3月1日
2017年3月4日 (HN:アブラコウモリH )
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