アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

奇跡の刺身

2014年03月31日 | Weblog
 「ごちそうさん」というNHKの朝ドラが終わりました。このドラマで、大変感心させられたセリフがありました。

 私が選んだ、「感動のセリフ ランキング」は…
 第6位 「わたしの辞書では『言い訳』と書いて『くそ』と読むんだ」
 第5位 「無能の切り札は、お涙ちょうだいか」
 第4位 「あなたはいつまで経っても、すがすがしいほど浅はかですね」
 第3位 「子供いうんは、親の見えへん力で育つもんや」
 第2位 「子供の希望を握りつぶすんは、親の仕事やない」

 さて、当然ながら、第1位が大変感心させられたセリフなんですがね…
 「食べ物は、人の命の上に成り立っている」…これ、凄いですよ!降参しました。
 えっ?そんなセリフ聞き覚えがないって?「め以子」が言ったのですが…
 ヒトが地球に出現して以来、「食べ物」を食べてきた。ふぐを食べて命を落としたヒトがいたから、「ふぐの毒」が分かった。トリカブトを味見して、食べ物には不向きであることが分かった。ツキヨダケを食べた…。このように、「最初に食べた勇気あるヒト」がいたから、今の「食べもの」がある。「食べ物は、人の命の上に成り立っている」というわけです。

 初めて、「ホヤ」を食べた人…勇気なんてもんじゃない。自殺みたいなもの。
 初めて、「カエル」を食べた人…ガマを食べて苦しんでいる人のあとに「ウシガエル」を食べて、「旨い!トリのササミみたいだ」だったのでしょうねえ。
 初めて、「水仙」を食べた人…御愁傷様でした。

 先人の命をかけた味見のおかげで、私達は美味しいものを食べて生きています。
 で、最近「この人凄いな!」と、思った人がおりました。

 ジュール・ヴェルヌの「海底二万里」。私の世代で読まない人以外は皆読んだことでしょう。140年ほど前の話…完成したばかりの潜水艦が舞台。クライマックスは、巨大なタコとの格闘。ヴェルヌはタコとイカを混同していたようです。「クラーケン」は、大ダコではなく、「ダイオウイカ」であるというのが正しいようです。
 ここのところ、ダイオウイカが水揚げされています。「マジスカ?」ですよ!その、水揚げされたダイオウイカを目の前にして、勇気があるのかバカなのか、それとも単なる食いしん坊なのか・・・!

 ダイオウイカの足をマキリ(ナイフ)で切って、むしゃむしゃと、食べた奴がいたのです。本当ですよ!私でも、食べない。
 ダイオウイカ、初めて撮影されたのが1年前。撮影に成功した国立科学博物館の窪寺恒己さんは、自著の表題通り「奇跡の遭遇」と!
 …そ、その奇跡の生き物を食ってしまった!

 と、いうわけで、「食べ物は、人の命の上に成り立っている」。どうやら、ダイオウイカは食用に適しているようです。まもなく、食卓にダイオウイカの刺身が載りますね。奇跡を食べることができるとは…!