彫刻の部屋から隣の洋画の部屋へ移動。
特選の作品が並んでいる。
新潟で育ったせいか冬の風景画が大好き。田舎の昔の11月は、“雲が出たな?″ と思っていると直ぐに雪がちらついてきた。また、軒まで積もる大雪の時は、雪山をつくりソリを出して滑った。道路は車の走りも少なかったので、カチカチに凍った道で、よくソリやスケート靴を履いて滑った。とても楽しい時代だった。
そんなことでしょうか、まず冬の風景画を探す。
東京都・会員 三沢 忠氏の作「雪の妙高・赤倉」。 (野尻湖畔の開発業務に携わった際、観たことのある山のようでしたので再確認したところ、間違いに気づき訂正しました。失礼しました)
石川県(入選)福居路子氏作の「坂道」。 陽の当っているところと影のところが、よく表現されている。
本当にこんなところがあった。懐かしい。
冬景色の作品はまだあったが、これぐらいにして、他に私が気に入った作品2~3点を紹介します。
山梨県(入選)藤原修身氏作の「新緑の川辺」。
サラリーマン時代、仕事でよく訪れた野尻湖周辺でこんな場所をよく見かけた。川の流れが自然のようによく表現されている。
石川県(入選)高柳 惟氏作の「光射す刻」。 夏雲が良く表現されている。
広島県・会員 和田 貢氏作の「ばら園」。 花を描いた作品は数少ないが、この作品は、色とりどりのバラがきれいに描かれており、素敵。
作品を見ていていろんなことを思い出し、楽しいが、足が重たくなり・・・。
家内が「休憩所で一休みしよう」と、洋画部屋の裏側にある休憩所に誘う。
空いているソファーに腰を下ろし、持参した洋菓子を食べ、これまた持参の飲み物で疲れを癒やす。「もう一度にすべてを観てまわるのは無理だね」の言葉も家内と共通。
あと残すところは、日本画。1階に下りる。
自然と「日本画はさっと観てしまおう」の声が・・・。 でも、これは!!と思う作品の前では、足が止まる。
愛知県・特選に選ばれた福岡正臣氏作の「 回 帰」。 よく見ていると周りのモヤモヤは人間の頭を表している。頭の中で何かと葛藤しているのだろう。
栃木県・会員 中村 眞 氏作の「 岳 」。 赤く燃える山の濃淡のある色彩はすばらしい。
もう、足が重たくて前進に時間がかかる。ゆっくりと玄関を出る。
建物の周りの木々は、もう紅葉が進んでいる。
実は、日展に伺った今日11月10日は、家内の誕生日。家内は朝出掛けにPCで調べ、あるカードが使える新宿のレストランを決めていたようだったが、私はとても途中下車する元気がない。「この近くでも良いレストランがあると思うので、探そう」となって、地下鉄六本木駅近くの東京ミッドタウンの地下食堂街に行く。
「疲れているので、汁物がいいね」と意見が一致、近くにあった「伊吹うどん」店に入った。
右側は、客席数が少ないが落ち着いている。やや上品な「山野菜天ぷらうどん」を注文。食べる前に「〇〇歳、おめでとう。これからも元気で」、「誕生日に日展を見に来たなんて幸せだね」とお祝いを述べた。
どんぶりの汁がちょうど良い味加減でとてもおいしい。ゆっくりと喉に通し、平らげた。
帰りの地下鉄も乗り換えなし、帰宅。時計を見ると午後5時過ぎ。グロッキー。よく歩いたものだ。自分はもう言葉も出ない。シャワーを浴びてベットにもぐりこむ。
途中目を覚ましたら、午後11時過ぎ。しばらく枕元にあるテレビを覗いていたが、寝付けない。 今日の日展の様子をブログに書こうと思い、ベット上でノートPCを開き、書き出す(それが先のブログです)。
朝、ベットから起き出し、犬の散歩の用意をしていたら、家内が「昨日は12時間寝たね」と茶かす。「途中起きていたよ」と話すが、どうでもよいこと。
まあ、来年は、見る作品を決め好きなところだけを廻るようにしたいと思います。
でも、立派な作品が多くみられる機会は他にない・・・。
無理せず、ゆっくりと廻りたいような気もします。