ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME8 1-III The Road to Isengard (1)

2006-03-25 00:16:46 | Tolkien・HoME
ちょっとだけですが,更新します。

この章の下書きは,正式版とかなり違うそうです。‥とは言いましても,映画のこの辺りはまた激しく改変されている(汗)ので,下書きが正式版とどう違うかを見分けるのはとても難しいですが‥‥。

<メモ>
エオメルとギムリがDeepから戻ってくる。2人共怪我をしている(アラゴルンが手当て?) ガンダルフは散り散りになった兵を集めていたと説明。王はEodorasに戻る代わりにアイゼンガルドに行く。ただしガンダルフが,留守の間に荒らされないよう,幾らかの兵を送る。皆ガンダルフに木について尋ねるが,答えはアイゼンガルドにある,と彼は答える。アラゴルン,エオメル,ギムリ,レゴラス,セオデン,その他手勢でアイゼンガルドへ。木々の傍を通ると不思議な呟き声。オークはいない。ガンダルフは作戦を検討,ギムリは洞窟について話をする。

日差し。大きな人影。騎士達は剣を抜く。人影は「自分はブレガラド,またはせっかち」と名乗る。
</メモ>

HoME8 1-II Helm's Deep (6)

2006-03-25 00:12:05 | Tolkien・HoME
‥せっかくはらはらしていたのに,アラゴルンの危機一髪の話は何故かここで切れ(汗;)ギムリの話です。彼はエオメルを助けた時「私はモリア以来木しか切ってない。」と言うのですが,ボロミアの助太刀をしているはずやん,と,クリストファーさんのツッコミがはいっておりました。(笑)

次は,褐色人の国の野蛮な人間達(当時は西の谷もしくはWestmarchと呼ばれる地域から来ていたそうです)について語る,アラゴルン,エオメル,ギャムリングです。

<本文>
「彼らの声が聞こえたが,鳥か獣のように聞こえた。」とエオメル。アラゴルンは「しかし西の谷(後に褐色人の国)の訛りを持った者がいたぞ。人間の言葉だ。かつてはよい人間達だった。」するとギャムリングが「その通り。かつてはマークのどこでも聞けた言葉だが,現在は憎悪に満ちている。『奴らの王を滅ぼせ! ロヒアリムに死を! 藁頭に死を! 北の侵略者に死を!』 彼らは我々の事をそのように言う。彼らは500年の間忘れていない。ゴンドールの領主がエオルにエレンディルとイシルドゥアに仕えた褒美としてマークを与え,彼らは引き下がった。そしてサルマンがその憎悪を煽ったのだ。」
</本文>

7巻にも出てきましたが,元々,ローハンは,エレンディルとイシルドゥアに協力したエオルへの褒美という事になっていたのですね。正式版では,エレンディルとイシルドゥアが活躍したのは3000年前で,500年前にエオルがゴンドールからマークを貰い受けた理由はちょっと違いますが(まあどっちみちゴンドールを助けたという事には変りはないですが),褐色人のローハンへの憎しみって,こういう所から芽生えたんですね。なかなか勉強になります。

次は,アラゴルンと敵側の初期の"parley"の下書きです。

<メモ>
西の谷人は,王がアイゼンガルドまでの領土を放棄したら皆助けてやると言う。誰がそんな事を? サルマンだ。いい取引だろ。アラゴルン,彼らを,オークの味方なんぞして,と,叱る。オークがやじを飛ばし,オークの射手が矢を撃つが,西の谷の大将,射手を切る。
</メモ>

へぇ~,これはちょっと面白いですね。取引の内容は,少し黒門でのガンダルフとサウロンの口との"parley"も思い出させます。

最後にレゴラスは,不思議な森を見て,魔法のようだと感銘。そして7巻でガラドリエルからガンダルフに伝言された"Thy last shaft when thou hast shot, under strange trees shalt thy go!"を,唐突に思い出します。「行くぞ!魔法が変る前に,この森を見ておこう!」

南極物語(Eight Below)

2006-03-24 00:23:14 | 映画
ネタバレです。
私は英語学習者ですので,是非ナマの俳優さんの声を聞きたくて,いろいろ映画館を調べてみたのですが,結局行ける範囲では字幕版が見つからず,仕方なくいつもお世話になっているシネコンで吹替版を観ました。実は,お客さんはほぼ全員大人で,吹替版がよさげに思えたのは,お年寄りが数人程度(お年寄りだからと言って字幕ダメとは限りませんが,私の母親は「年取ると字幕読むの面倒なんだよ」と言ってました)で,9割は字幕でOKだったと思いますよ。(怒) ふん。

ゲド戦記の予告編がとても素敵でした。

いざ観てみると,そもそも半分「犬語」(笑)で,吹替は思ったほどは気になりませんでした。般若顔(笑)のマックスというハスキー犬が主人公のようでしたが,どうも「動物のお医者さん」を思い出してニヤニヤしながら観てしまいました。(まさか「般若顔」に原作が日本だという意味を込めたのではあるまいな;) 日本版には結構忠実な所もあり,首輪をはずせない犬がいたり,オーロラを見て狂喜乱舞したり,似たような事故に遭ったり,という話もありました。ただ,日本版では,犬達がアザラシを襲ったり,シャチに襲われるシーンがありましたが,米版ではそこはちょっと捻って,シャチの肉の中に隠れていたアザラシが犬を襲うという演出がされていましたね。米版は1990年代という想定です。日本版は,南極観測船が「宗谷」だった時代の話ですので1950年代でしょう。犬やシャチに対する考え方は,日米の違いというより,時代の違いを感じました。(アザラシが悪者になってかわいそうかな(汗))怪我をしながら尚も皆をリードするメスのリーダー犬(かわいい犬なんですよ,これがまた)に思わず「リキ頑張れ!(名前が違う(笑))」

クライストチャーチの空港から飛び立つシーンで,懐かしさに思わず狂喜乱舞‥,ちなみに,空港の傍(徒歩で行けます)には「南極センター」なるものがあり,確かに南極に近いんだなあとは感じますが,いくらなんでも,ヘリじゃ南極には行けないでしょう?と余計な心配をしてしまいました。(笑)

生き残った犬の数が違いますね。(笑)

監督さんが,「日本版より明るく軽く作っているよ」と言っていましたが,確かにその通りですね。いずれにしても犬好きにはラブリーな映画でした。ロケはホントに南極?と思えるようなアヤシイシーンが多かったかな(笑)でも私は雪と氷は好きですので,楽しめました。

HoME8 1-II Helm's Deep (5)

2006-03-24 00:17:49 | Tolkien・HoME
その後,手早く書いたメモ書きで
<メモ>
彼らの馬は夜でも見えるが兵士達はそうでもない。暗がりではローハンは不利だ。ヘルム峡谷とStanrockからの突撃隊によりオーク達は後退,そして森が現れる。木がオークを捕まえる。森の中にはガンダルフが集めたHerulfの兵で一杯。オーク達はほとんど逃げ延びる事はできず,望みのない戦いは勝利へ。
</メモ>

そして当時の別の原稿で,最終的に使われなかったもの。

<本文>
アラゴルンは前線から少し下がった所で雪の鬣の肩の手当てをします。アセラスの香り。彼の心は風見が丘の戦い,モリアからの脱出へ。「長い旅だ。希望のない縁から逃れるとまた新たな絶望が現れる。しかし,ああ,フロドよ,もし君がここにいてくれたら,この恐ろしい場所でももっと快活に過ごせるだろうに,今君はどこにいるのだ?」
</本文>

これはなかなか。アセラスが雪の鬣の傷だけでなく,アラゴルンの心の傷すら癒しているという感じで。映画的でよい場面だったですねぇ。。

次は大きな変更の下書きです。

<メモ>
アラゴルンとエオメルがDikeに到着した時,小競り合いがあった。Herulfは,Dikeに見張りを置く。彼らは,Helm's Gateには人が配備され,避難民の為の食料や家畜の餌が整っていると報告。

そしてこの後,王の救出話(前回のやつ)へ。
エオメルとアラゴルンは,夜は射手なしではDikeを守りきれないと判断。王と中心部隊はStanrockへ。アラゴルンとエオメルは少数の兵とできるだけ入り口を守る。オークが攻めて来る。彼らは梯子で城壁によじ登る。北から野蛮な人間達が攻め込む。大軍による攻撃。溢れる敵。月が城壁の上で戦う男達を映す。壁は占領され,明け方,アラゴルンとエオメルはStanrockへ。セオデンの脇に立つ。彼らは森の上に輝く不思議な朝日を見る。そしてセオデンが攻め込む。木々はDikeまで来る。ガンダルフがその中を馬に乗って走ってくる。オーク達が鼠か烏かのように,中を縫って走ってくる。
</メモ>

エオメルの事,ハルディアの事,ガンダルフの居場所を除けば,この辺りは映画に近いような感じです。この後,Deeping Streamが登場。(映画で「聖火ランナー」が突っ込んだ小さな流れ)この後話はどんどん複雑になっていくようです。(汗)

これは前回か前々回,アラゴルンがBrandingを抜いて戦っていた場面の発展形です。

<本文>
戦いが始まると,アラゴルンは軍勢を率いてBrandingを抜いて戦います。エオメルはこれを見て「Brandingがついに戦いに加わったぞ,何故私がそこにいないのだ! 一緒に剣を抜いて戦うぞ!」誰もがアラゴルンの攻撃に耐え切れず,オークは逃げ,野蛮な人間達はram(大槌)を置いて逃げて行きます。岩の上には誰もいなくなりました。その時倒れたオークの間から大きなオークが3人現れ,彼に向かって石を投げます。石は彼の兜に当たり,彼はよろけて膝から倒れこみます。彼が起き上がる前に,オーク達がのしかかって来ました。
</本文>

あ,アラゴルン危機一髪‥ですが,今日は時間切れ。。。(汗)

One Flew over the Cuckoo's Nest : Part3

2006-03-22 00:38:50 | BookClub
思ったより時間がかかってしまいましたが,ようやくPart3読了です。いよいよ怒涛のPart4へ(汗)‥‥

このパートでは映画で印象深いバスケットと釣りのシーンが出てきます。映画では重いテーマを和らげるお楽しみシーン的に描かれていましたが,原作ではこの物語のテーマや,それぞれの患者達の将来を象徴するような伏線が,さりげなくというか,巧妙に描かれていますね。原作ファンの人は,映画のこの辺りの描き方にはちょっと納得いかないかもしれません。

まあ,とりあえずは蛙お婆,じゃなかった(笑),Miss Ratchedの影が薄いパートですので,気持ちよく読む事ができました。(笑)

物語全体の主人公はMcMurphyですが,このパートに限ってはChiefが主役でしょう。何と言っても,彼はこのパートで正気を取り戻します。それが何故なのかと説明しようとしたら,実は意外と難しいのですが。。彼はMcMurphyに出会った日から,自分の尊敬する父親に似た強さを持った人だと感じていたんですね。彼はそんな強さを羨ましいと思ってました。で,彼はふと,自分が口をきかなくなったきっかけとなった事件を思い出します。心無い大人達に無視された事がきっかけでした。一方,McMurphyは,Chiefは耳が不自由ではない事も,口をきかなくなった理由も,ちゃあんと見抜いていました。また,彼はChiefと話をしているうちに,どうしたら彼が強さを取り戻せるかもわかってきて,協力してくれると言います。これがChiefが自信を取り戻す為の,大きな1歩を踏み出すきっかけとなりました。

一方McMurphyの方は,前のパートの最後で,患者とMiss Ratchedを仕切るガラスを割るという暴挙に出ます。彼とMiss Ratchedの間は,嫌な予感が高まって参ります。またPart3の最後,ChiefはMcMurphyの育った家に寄った時,健常者とは一味違う鋭い勘で,とてつもなく暗い予感を感じてしまいますね。ただ,Miss Ratchedや他の看護人達は,McMurphyの自己中心的な我儘な行為と受け取っていますが,Chiefへの態度等を見ると,彼は他の患者の症状の改善に尽くしているように見えますね。ジコチューどころか全くその正反対の人物です。病院のプロの看護人達よりよっぽど他の患者達の回復に役立っている事もわかりますね。

Chiefとは別に,Billy Bibbitも回復傾向を見せてきました。彼の場合問題は精神ではなく,ある意味Chiefと同様,自信が持てない事なのですが,どうやらCandyに恋をしたようで,ここでかなり明るくなりましたね。Candyという女の子も,これだけ病院の患者に強い偏見を持つ人の多い中,純粋に接してくれる,大変いい子ですね。

いつも知性たっぷりの発言をするHardingもカッコいいですねぇ。(笑)「狂気はパワーを持つ」ですか。彼は奥さんはマッチョな男にしか興味がないと思っているようですが,実は彼のそんな知性を奥さんも好きなのではないでしょうか?(笑) ‥でなければ,入院した途端に逃げていますよねぇ。

ところで,魚釣りのシーンのボキャブラリが大変豊かで表現が臨場感に富んでいます。さては,Ken Keseyさん,お好きだったんですね。(笑) そしてGeorgeのすごいキャリアにお口ぽっか~ん(爆),でした。


One Flew over the Cuckoo's Nest (238-245)

2006-03-22 00:35:03 | BookClub
ドクターが魚を釣ったが誰の助けも借りずに引き上げようとしている。皆服が赤と銀のまだらになっていた。何人かは船の脇で洗おうと試みる。Georgeはドクターに天気が荒れてきたので、魚を放すか降ろすかしてくれと言うがドクターは返事をしないで竿を持ち上げリールを巻き上げる。(これじゃあ、どっちが精神病院の先生で患者だか・・・(笑)) ドクターの糸に掛かったのは、大きなひらめだ。

ボートは帰途に就く。波が荒くて救命胴衣を着ける事にしたが,3人分足りない。BillyとHardingとGeorgeが,救命胴衣なしでいいと言った。皆Billyが申し出た事に驚くが(彼はCandyを守る為にそうした),それよりMcMurphyがヒーローに名乗り出なかった事に驚く。

Georgeは鮮やかな腕前で船を港に入れる。港に入ると,船長と釣りえさ屋のろくでなしと警官が待っていた。まずはドクターが交渉に出て,彼らには自分達に対する権限はないと主張する。自分達は公的に認められて外出している,それに救命胴衣が人数分なかった事は問題になるのではないかと迫る。これには警官達も大迷惑。彼らが去った後McMurphyは船長と言い合いをしていたが,彼は酔っていた。

釣りえさ屋のろくでなし達はまたCandyをからかうかと思いきや,獲物の大きい事や,Georgeの腕前を誉め,どこで覚えたんだと訊く。実はGeorgeはただの釣り船の船長ではなく,元海軍の哨戒用魚雷艇(PT boat)の艦長だった。その上海軍十字章(Navy Cross)まで受けていた。でも公的なお仕事は「汚ねぇ」と言ってやらなかったとか。ろくでなし達の態度は朝とは豹変,尊敬の態度に変わっていた。そしてMcMurphyと船長が出てくると,皆で一緒にビールを飲んで楽しんだ。

すっかり打ち解けたBillyと女の子,できればデートの約束をしたいという彼にMcMurphyは,「土曜の夜中2時,俺が夜の見回りにお前を忍び込ませてやる。」彼女はクスクス笑う。

病院に戻ったのはかなり遅くなってから。Acuteの1人はMcMurphyが疲れ切っていると指摘。しかしHardingが,それは彼が一生懸命働いたからと説明する。それを聞いていてChiefはちょっと不安になる。彼はMcMurphyの疲れた顔を既に見ていた。それはMcMurphyがかつて住んでいた所を通った時,そんな表情を見たのだ。

McMurphyは,ここが俺が無駄に過ごしたつつましい家だ,と言う。彼が住んでいたというのは,埃っぽい町の吹きさらしの,元日本人が住んでいたボロ家だった。彼は枝にかかった黄色と黒のボロを指して「あの服が見えるか? 俺が最初に寝た女が着ていたのと同じ服だ。俺は10才,彼女はもっと下だった。」

そんな話をするMcMurphyの顔は,対向車のテールランプに照らされ,とても暗く,疲れていた。あたかも,彼にはもう時間が残されてないかのように‥‥。しかしその一方,彼の温厚な声は我々には生きる力を与えてくれる。夢のような楽しい時間を過ごす事で。。


One Flew over the Cuckoo's Nest (228-238)

2006-03-21 00:33:28 | BookClub
船着場に着く。しかし書類ミスとかで船長が船を出し渋る。えさの店の前のゴロツキ達が,Candyをからかう。CandyをBlondieと呼び,執拗に絡む,つりえさ屋にたむろす男達に,患者達はなすすべなし。しかしMcMurphyがようやく話をつけて出てくると,皆ほっ。元船乗りGeorgeは,彼らの事を「Puke-boat」だと説明(pukeはゲロの意味(笑))

ドクターは「船長を待った方がいいんじゃない?」しかしMcMurpheyは「船長の何を? 証明書の連絡先がポートランドの売春宿だって言いにくるのをかい?」そして船は仰天している本物の船長と"puker"達を残して沖へ。

Candyが転んでBillyが謝っている。その様子を見て,McMurphyは2人っきりでお話したらどう?と勧めるが,Billyはどもってしまう。それなら,と,McMurphyがCandyと2人で,船室で漏れのチェックをしてくる,と言う。

Georgeは船を沖へどんどん進める。Billyは(また)ビールを開けて皆に配る。皆はGeiorgeの指示で釣竿をセットしたり,くつろいだりして過ごす。エンジン音と鳥の声以外何も聞こえない静かな海。やがて,当たりがあり,皆興奮。魚が釣れたようだ。

BillyはMcMurphyとCandyが消えた船室をちょっと寂しそうに見る。Chiefは竿をもらって当たりを待つ。Georgeは,ウミウの群れを見つけて船を移動させる。「奴らはcandle fish(干して火を点けると蝋燭代わりになるのだそう)を追ってくるんだ。そこには銀鮭がいるんだよ。」やがて船は雑魚と鳥の群れに行く手を阻まれ,魚雷のような鮭の青銀色の背中が突っ込んでくる。Chiefは1尾の鮭が自分のエサのニシンの方へ向かうのを見た。次の瞬間,彼は誰かが釣竿をバットで殴ったような衝撃を感じる。

見れば周りも同じように竿がしなっている。他の男達も興奮して集まってくる。Chiefは必死でリールを巻き上げる。そこへMcMurphyが現れる。皆彼に助けを求めるが,どうやら彼は助けは出さないと決めた模様。HardingがChiefを助ける。まるで今まで魚釣りをしていたかのように優雅に引き上げる。とても大きな獲物だった。Chiefにとっては,滝で釣っていた魚より大きいと思えた。Chiefは親指に怪我をしていた。(けど,気にしてない模様)

Chiefは竿をCandyに渡し,エサをつけてあげた。(ここで現在形表現に戻ります)彼女に当たりが来て,Billyが必死にこれを助けようとする。そして罵倒やら,呪いやら,の大騒ぎの末,魚がドクターの眼鏡に当って,レンズが散乱,彼女のTシャツは脱げてしまい片方の胸は血だらけ,Georgeは目をそらし,エンジンを止める。

一方McMurphyはこの様子を見て大笑い。彼女と,男達と,Georgeと,Chiefと,船着場に置いてきた船長と,自転車でガソリンスタンドを通りかかった男と,店員と,5000の家と,Big Nurseと,皆を笑っていた。何故なら,不安定のまま傷つけようとするものは笑い飛ばさなくてはならないからだ。

彼はわかっている。Chiefの親指が痛い事も,彼のガールフレンドが負傷した事も,ドクターが眼鏡を失くした事もわかっている。しかし,彼は痛みがユーモアを消すのではなく,ユーモアが痛みを消す方に仕向けたのだ。ChiefはHardingがMcMurphyの横で笑い転げているのを見た。やがて皆も笑い始めた。最初ゆっくりと,やがてどんどん笑いの輪は大きくなっていった。(現在形表現終り)


チクショー!みんな「吹替版」だ!

2006-03-19 12:15:16 | 映画
昨日何故テレビで唐突に「南極物語」をやっていたかと言えば,ディズニー版南極物語の宣伝でございました。いやそれは別にいいのです。私は犬猫の類は大好きですので,ではさっそく観に行こうかと思い,いつも行っているシネコンのスケジュールを見てみたら,発見。しかし,‥‥げっ!「吹替版のみ」 私は英語学習者ですので,映画はネイティブの会話を聞ける大きなチャンス。まあ,さんざん観尽くしたLOTRはテレビ放映される時などは吹替で観ますが,これは例外中の例外。(あっ,そう言えば,ROTKがついに近々テレビ放映されるそうですねっ! しかもアナログ民放で) う~む,果たして,水曜に1000円払って吹替版観ようかどうしようか~,悩み所だ~。ちなみに,ディズニー版南極物語の原題は「Eight Below」。アメリカ版の情報はこちら

アカデミー賞で話題になる以前から,注目していた「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」ですが,これもその近所のシネコンでは吹替版のみ。実はこの映画,原題が「Wallace & Gromit: The Curse of the Were-Rabbit」といいまして,何これ?変なタイトル~!と思ってました。(ちょうど変なタイトル~な所が邦題では消えてしまったんですね(悲))しかもBBCなどで大絶賛。という事で楽しみにしていたんですけどね~。う~む,これはさすがに,やはり英語に挑戦しようと思い,UKアマゾンからDVDをゲットする事に致しました。(何故USでなくUKかと言うと,私のPCはリージョンフリー化できない数少ない頑固者ディスクだからなのです(泣)リーフリプレーヤーもあるのですが,家族がテレビを観ている時は使えませんからねぇ。)

そう言えば,ナルニアは,字幕版はありますが,吹替版の半分位の回数しか上映してないし,「デジタルシネマバージョン」は,これまた吹替版のみ。もっとも,私は違いがわかるほど視力よくないから,まあ,いっか。。

HoME8 1-II Helm's Deep (4)

2006-03-16 18:31:07 | Tolkien・HoME
<本文>
レゴラスは,ドワーフの不可解な所は好きではないが,ギムリの逞しい足と堅い斧があれば安心する,と言います。その時後ろからアラゴルンとエオメルが来ました。エオメルは「だいたい揃ったが,小隊が1つ欠けている,そして王の部隊がまだだ。」と心配します。するとアラゴルンが「頑健な兵士を何人か拝借できれば,レゴラス,ギムリと一緒にちょっと見て来よう。」ギムリが「それとプラスαの情報もな。」しかしエオメルは「もう少し待とう。」と言います。

しばらくすると,突然喧騒や武器の音。エオメルは「我々の部隊が待ち伏せに遭った。もうすぐセオデンがそこを通る!」と言って見に行こうとしますが,アラゴルンはそれを止めて,自分が行ってくると言ってレゴラスを呼びます。ギムリも"Where Legolas goes, I go."と言って後を付いていきます。(笑) そして壁の上の見張りは,「エ~レ~ンディ~ル!」と言う叫び声を聞きます。エオメルは「ついにBranding(=アンドゥリル)が参戦したか。」

騎士が来て「セオデンは部下と一緒にいるが,馬を失った者がたくさんいる,オークに『hamstring』された(膝腱を切るという意味→かわいそう(泣)),セオデンと雪の鬣は無事。(雪の鬣は夜も見えるので) しかしセオデンは馬を降りて戦い,ヘルグリム(=セオデンの剣)が久しぶりに歌を歌った,‥」と報告します。

セオデンが到着しようとした時,オークの軍勢がHelm's Dikeの溝に攻め込みます。しかしそこへアラゴルンがレゴラスとギムリを伴って登場。オーク達はBrandingを見て逃げ出します。誰かがアラゴルンを後ろから襲おうとしましたが,レゴラスの弓で仕留められました。ようやくセオデンは砦の内部に到着。彼は失われた馬や部下達を思って嘆きます。雪の鬣も怪我をしていましたが,アラゴルンが「私がその傷を癒す術を持っておりますのでお任せを。敵は我々よりさらに多くを失い嘆いている事でしょう。そしてここを攻撃したらもっと悲しい事になりますよ。」
</本文>

ここで本文は一旦終わり。そして下書きのような書き込みが続きます。

<本文>
終らない攻撃。フック,梯子掛け。殺された者が累々。騎士達は石や死体(汗)を落として攻撃。しかし次第に砦内に退却を余儀なくされる。夜が明け驚愕の出来事が。草の坂の上にブナや樫などの巨大な木々が立っている。それを見て慌てる野蛮な人間やオーク達‥‥。その時トランペットが鳴り響き,セオデンの一行が飛び出し,オーク達をなぎ倒す。。。
</本文>

坂の上にブナや樫‥‥,あら,そういうお話だったんですか。8巻初のサプライズ? もしこのままだったら,映画にするのはきっと大変だったでしょうね。(笑)

One Flew over the Cuckoo's Nest (218-228)

2006-03-15 01:08:24 | BookClub
迎えがやってきた。ただし若い女性が1人。(もう1人は結婚したので来れないのだそう)彼女は玄関から病院に入ってくる。黒人はドアを閉め忘れる。看護婦達は冷たい視線を送る。病室は,お腹が鳴っても聞こえるのではないかと思うほど静か。彼女はTシャツにリーバイスのジーンズ。膝上でカットしてあり,(Chiefによると)お陰で彼女の足に血液が循環している。(それって太っているという意味か?)

Billyが口笛を吹いてようやく静けさが破れ,彼女は皆と握手。しかし,1台の車にどうやって10人乗るのかという問題が。McMurphyは病院の車を借りて運転すると言ったが,それは規則違反。Miss Ratchedはさらに,1人10ドルでは多過ぎる事を指摘。「あなたの計画はだめだったようね。」と勝ち誇るMiss Ratched。

ところが,彼女はMcMurphyが既に聞いてない事に気付く。彼はドクターがお迎えの若い女性にご執心なのを見抜き,誘っている。そしてドクターは,2分もしないうちに彼はオフィスに鍵をかけ,準備万端。

その日Chiefの目には落ち葉がフェンスの上に落ち,鳥が驚いて飛び去る光景が,落ち葉がフェンスに落ちて,鳥に変るように見えた。しかし緑の病院服でドクターの車を待っている間はどうも町の人の視線が気になる。ガソリンスタンドでは,ニコニコして出てきたスタッフが,車の中を見た途端に微笑みが消える。

ドクターは慌てて,「彼らは病院スタッフだよ。患者じゃない。」と言う。
The doctor's lying made us feel worse than ever - not because of the lie, so much, but because of the truth.
しかしドクターの嘘よりむしろ現実が彼らを襲う。スタンドの店員は,ドクターの弱みを握ったと思ったのか,いい気になっていろいろ勧める。そこでMcMurphyがキレる。「いいか,Hank,ドクターの言う通りにレギュラー2台分だ。それと3セント値引きな。俺達は政府の許可を得た呪われた探検隊だからな。」「ドクターは,君達は患者ではないと言ったぞ。」「それは君達を脅かさないようにそう言っただけだ。いいか,我々はSan Quentinのもっとよい病院に行く所だ。あのそばかすのガキは,3人を殺したナイフアーティストだ。その隣は野生の豚に劣らぬBull Goose Loonyだ。あのデカイ奴はマスクラットの毛皮取引で騙した白人を6人殺したインディアンだ。ちょっと立って彼らによく見せてやりな,Chief。」

Chiefが立ち上がると,誰も何も言わなかった。

「大変なお客さんだなあ,赤毛さんよ。規則には従うよ。君は何をやったんだい?」「仲間を殺した。ただの喧嘩好きだと思うなよ。」McMurphyは自分の手の傷を彼に見せる。

McMurphyのお陰で皆堂々とスタンドの店員に話ができるようになる。Hardingは自転車で通りかかった男性を「我々は精神病院から来た気違いだ。ロールシャッハテストがどう見えるか解説してやろうか?」とからかう。彼は「狂気がパワーを持てるとは。例えばヒトラーがいい例だ。」と言う。ChiefはBillyが開けてくれたビールを飲むと,この20年忘れていた感覚が蘇る。

そして海岸まで空威張りしながら楽しく進む。

Chiefは,McMurphyは,何故皆が心から笑えないのか知っているんだと思う。人は物事のおかしな面を見る事ができなければ,芯から強くはなれない。久しぶりに世間を見たChiefは,電車から出てくる同じ格好をした人々や,同じ形の家々,同じ服を着た子供達を見て,この人達も同じと感じる。


Run!Run!Run!