ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

FOTR CD: 1-10: Strider

2006-03-13 23:44:33 | Tolkien・LOTR
馳夫さんは,まずは自分がガンダルフの友達とは一言も言わずに,フロドを説得して裂け谷までお供しようと試みますね。自信なのか,あるいは控えめな人柄とも読めますが,いきなりガンダルフの名前を出して,ホビットに軽く見られないようにとの,慎重さも見えますね。

ちょっと不思議に思ったのは,HoMEのペレグリン・ボフィン時代の拷問はなくなったはずなのに,馳夫さんが,未だに黒の乗り手に反応して身震いする所です。馳夫さんが震える理由として考えられるのは,ご先祖様を滅ぼされたから,なのでしょうか?

前の章でも感心して見てましたが,ここでもバタバーさんは,交通の要所の町で生きる術をしっかり身に付けている所を見せつけますね。ガンダルフの手紙を持ってきますが,彼一流の方法で,ちゃんとフロドを確認しています。バタバーさんが,ノブにメリーの所在を確認に出したのはこのタイミングでした。

ガンダルフの手紙は,まるでフロドに配達される事を期待していたかのようで,ちょっと不思議です。そして,シェークスピアの有名なフレーズをひっくり返した例の文。
All that is gold does not glitter.
Not all those who wander are lost.
ところで,シェークスピアって駄洒落が多い事で有名なのだそうですが(私にはそれがわかるほどの高級な英語力はありませんが(笑)),トールキンさんも駄洒落多いですよね。‥って,オヤジギャグ多いんですよ。ガンダルフによく言わせてますよ。(笑)

映画では全く無視されていますが,ここでホビット達が馳夫さんと指輪について駆け引きをする所は,TTTでフロド,サムが大将とそれをするシーンとよく似ています。比較すればするほど面白いですよ。実は随分前の記事ですがこちらにまとめてあります。最初は敵か味方かよくわからない所,フロドが年の功の話術で『彼』から逃れようとする所,指輪の話が出てくると『彼』がいきなり立ち上がる所(そしてすごく背が高い‥),"Handsome is as handsome does."という諺が使われる所(微妙に意味が違うんですが‥(笑)),ガンダルフの心配な噂をする所やガンダルフとの関係を示唆する所,等は共通項ですね。

ちょっと違うのは,フロドとサムに成長が見られる事,特にサムが大きく違いますね。また馳夫さんは最初から指輪の事は知っていますし,ホビット達を脅かす余裕もあり,全然動じていませんね。ちなみに,HoME7巻までは,馳夫さんとフロドとサムとの,この指輪についての駆け引きは報告されていませんので,ここは大将が登場してから作られたのでしょうかね?

さて,ここで皆さんが楽しく?駆け引きをしている間,1人でご苦労様なお仕事をしていたメリーがノブに連れられ帰ってきます。映画も改変されているし,BBC版でもほとんど省略気味なのですっかり忘れかけていましたが,彼はここで早くもナズグルの黒の息に襲われていたのですね。もしほったらかしだったらどうなっていたかと思う位危険な状況だったのですが(汗)。。

この章,よく観察すると,原作と映画が全然違う,と言うより,はっきり言って省略されていますね。ホビットと馳夫さんの駆け引きももちろんですが,バタバーさんの妙にしっかりした所とかも,原作に忠実な版をちょっと観てみたい気がします。

HoME8 1-II Helm's Deep (3)

2006-03-13 23:40:32 | Tolkien・HoME
クリストファーさんによれば,この時お父さんはまだ,「Heorulf」という人が現在の主(エルケンブランド)なのか,昔のヒーロー(ローハン第9代国王Helm)の事なのか,はっきりしていなかったとの事。その後,地理的な位置関係などいろいろ変遷があったようですが,まあ興味のある方はお読み下さい。(^^;) と,いう事で,次,参りましょう。

(夜なので,それぞれの小隊(=eored)は『目利き』を先頭に据えて進んでいますが)エオメルの小隊にはレゴラスが付いているからよく見えるし,地理はエオメルがよく知っているので,助けはいりません。彼らは進むうちに,後方の低い土地に(オークと思われる)松明の明り等を見ます。どうやら(そこら辺の)木を切り倒して明りにしている様子。

「大きな軍勢が追ってくる。」とアラゴルン。エオメルは「彼らは火を使って燃やし尽くしている。わら山に小屋に木々。rick and cot and tree 高くつくぞ。We shall have a great debt to pay them.

(ほぅ~,映画ではエオウィンが避難民の子供にスープを食べさせながら言って印象的な,"rick and cot and tree"は,原作ではこういう風に使われているんですね。)

ところで,エオメルの今の最後のセリフに応えるようにアラゴルンが「reckoning(請求書)はそんな遠くではないぞ。後ろの敵と戦える広い土地はもうすぐだな。」(これもお約束ダジャレの1つ?) エオメルは「そう。Helmsgateの少し手前に,土地が険しく落ち込んでいる場所がある。ここをHelm's Dikeと言う。その上には城壁がある。そこで我々は立ち向かう事ができる。」

(Helm's Dikeってそういう意味でしたか。‥実は,この辺りは,TTT映画を観る前に読んで,とても難しくてぼんやりとしか理解できませんでした。)

そして彼らはHelm's Dikeに到着。まだ敵も味方もいません。それぞれ配置に就いた所で,ギムリは大きな岩に寄りかかって立ち,レゴラスは彼の弓をいじりながら闇を睨んでいました。ギムリはこの辺りの岩を絶賛。レゴラスは君と一緒に戦えて嬉しいと言います。(ほほーっ,これが数々の画家(って,Anke EissmannJohn Howe位しか記憶にないけど(笑))が描いた「ヘルム峡谷のレゴラスとギムリ」と知られる名シーンですねっ)

HoME8 1-II Helm's Deep (2)

2006-03-09 23:38:08 | Tolkien・HoME
「闇の中で戦うのも,敵がどれだけいるかも知らずに,この開けた場所で待つのもよくないだろう。どうする?アラゴルン。(What is your counsel, Aragorn?)」とエオメル。アラゴルンは「敵の間を通り抜け,Nerwetの門の前で守るのがいいのではないか。」と答えます。セオデンも「それならそれでよい。」。

ここで,トールキンさん,筆を止め,ハマと仲間の会話の直後まで戻ります。前回出てきた「聞きなれない名詞」については,ここにリファレンスがありました。

Heorulf's Clough→ヘルム峡谷
Heorulf's Hold→角笛城

夜も更け,彼らが馬を進めます。北へ向きを変え,アイゼンのほとりに向かっていると,前を行く斥候達から,角笛や叫び声が聞こえ,矢がビュンビュン飛んできます。彼らは,大きな谷間の端にいました。この先数マイルの所に,Heorulf's Clough,地元の人がヘルム峡谷と呼ぶ,昔あるヒーローが避難してきた場所があります。

斥候が1人戻ってきて,この先狼乗りやオークや野蛮な人間達の大軍が,Heorulf's Holdに向かっていると告げます。彼は,仲間達がヤラレていたり,バラバラに逃げていたのを見ていて,また蛇の舌が北へ向かっているのを見たという者がいると言います。

セオデンは,蛇の舌とガンダルフ,どちらもいなくなってしまったのを寂しいと言い,しかし,Heorulfがどういう状況であろうと,そこへ行くしかないな,どう思う?とエオメルに話しかけます。するとエオメル,闇の中で戦うのも敵の数を知らずに待つのもよくないので,(今回はアラゴルンに訊くのでなく自分で(笑))敵の間を通り抜け,できなかったら,(Heorulf's) Holdまで退却しましょう,と言います。秘密の道があると聞いてます,と。

ここでアラゴルンがこれに反対。サルマンはこの国をよく知っている,そんなに長い事持たない,と言います。するとセオデン,「それなら行こう。」と提案。(さっきのより,こちらの方がセオデンがやけになっている様子が出ているように見えます)

One Flew over the Cuckoo's Nest (212-217)

2006-03-08 22:34:01 | BookClub
ナースステーションの隣には,釣り参加者名簿がある。その最後にChiefの名前。それを見た黒人達が「インニアンにじがよめるはずねぇ。」と言う。彼らは箒を渡そうとするが,Chiefは背を向ける。

寝室ではMcMurphyが張り切って仲間を起こしている。

ChiefはChronic達の視線を感じ罪悪感を感じる。彼らはChiefがどこかに行くという事を感じ取っていた。(Chronicと言えども誰かが亡くなる時位はわかる)McMurphyはまだAcuteを少し誘っていた。

食事時,George Sorensenというとても恥かしがりの患者が申し込んだ。Georgeは元漁師で,ハーフ・ムーン・ベイからピュジェット湾までの漁場で働いていたそう。(お~懐かしい! ピュージェット湾,行った事あります。アメリカのシアトルとカナダのバンクーバー島との間の,とても静かで湖のような海域で,アメリカとは思えないナイスな所です。オルカとかがいるんですよ。ダーク・エンジェルにも出てきた事ありますね)

それを知ったMcMurphy,彼を船長にしようと説得するが,汚い事はイヤと言って,なかなか乗らない。McMurphyは,ドクターには,付き添いの女性2人は自分の叔母で漁師の未亡人だと言ってある,と,打ち明ける。自分も船の事はあまり知らないので,是非,Georgeに船長をやって欲しいとお願いする。ようやく根負けしたGeorgeはサインする。


One Flew over the Cuckoo's Nest (203-212)

2006-03-05 22:31:10 | BookClub
日本語版見つけました。興味のある方はどうぞ! ‥ところで,ここで驚くべき事が起きました。なんと,これまで現在形で書かれていた物語が,過去形に変わったのです。さて何が起きたのか,確認しましょう。

それはChiefの,最初の記憶だった。よく思い出したと思う。

気が付くと,GeeverがChiefの隠したガムを削っている。McMurphyが起き出す。「お前ら勤務中にテレビ見てんだろう。Miss Rachedが聞いたら何と思うかね?」するとGeeverは「おら,ずーっとChiefがどうやってガムを手に入れているんだろうと思ってただ。そしたら,ここに1000回使った噛みかすがあるだよ。」

何故かウケるMcMurphy。黒人が言ってしまうと,Chiefに囁く。「Chief!何か言ってくれよ。」と言ってダサい歌を歌い出す。「スペアミントは一晩置いとくと固くならないか?」Chiefは思わず笑いそうになる。誰かが自分に話しかけるのは久しぶりだ。そして彼は「ほら」と言ってScanlonから取ったジューシーフルーツガムを出す。Chiefは気付くより前に「ありがとう」と言ってしまう。。。

Chiefは笑おうとしたが,キーキー言う声しか出せない。McMurphyはChiefがそれ以上声を出すのは大変そうだと見て,時間あるからゆっくりでいいよと言う。そしてベッドに横になって(まるでChiefの心を読んでいるかのように!)独り言。「なあChief,俺はガキの頃の事を思い出すぜ。豆を摘む仕事をもらったんだが,俺は他の大人より早く豆が摘めるとボスにアピールしたんだけど,奴ら俺がそこにいないかのように無視しやがった。だから黙ったんだ。そして奴らのくだらない話を聞いていた。誰かが来ないとあらぬ噂を立てたりする。俺はチャンスを待っていた。そして最後の日に,それぞれに休んでいる間に他の連中が何を話していたかバラしてやったよ。やっと聞いてもらえたんだ! そしたら,皆言い合いを始めた。ボーナスはもらい損ねたが,それだけの価値はあったよ。」と笑う。

(次の会話は面白かったんで,ほとんどそのまんま)

そして「お前もチャンスを待ってたのか? 奴らを非難する。。」
「‥できない」
「お前が思ってるより,簡単だぞ。」
「あんたは私より大きいし,強い。」
「何?何言ってんだ?」
「あんたは私より大きいんだ。あんたならできる。」
「おいおい,お前はここの誰より頭1つ以上デカイんだぜ。お前は誰にも負けないぞ。これは事実だ!」
「違うよ。私はかつては大きかったが,今は小さすぎる。」
「お~い,お前『気が狂って』るな。俺はクラマスとテキサスとオクラホマとギャラップに行ったが,俺が見た中で1番大きなインディアンだ。」
「私はコロンビア・ゴージから来た。パパは完璧な酋長で,Tee Ah Millatoonaと言う名前だった。山の上の1番高い松の木という意味だ。私達は山に住んでいたわけではないが,彼は本当に大きな男だった。しかし母親は2倍大きかった。」

(すみません,ここで私は思わず失笑。。いや,笑っちゃいけないんだけど。。)

「それってホンモノのムースサイズじゃなか。一体どの位大きかったんだ?」
「でかいでかい」
「何インチ何フィートだって」
「誰かが5フィート9インチで,130ポンドだと言っていた。(=175センチ59キロ→ほう,これはリヴ・タイラー並みじゃあありませんか)でも彼は『見た』だけなんだ。彼女はもっと大きくなったんだ。」
「ふん,どれだけ大きくなった?」
「パパと私を足したよりもっと。」
「それはまた珍しい。そんなインディアンの女って聞いた事ないぜ。」
「彼女はインディアンじゃない。ダレスから来た町の女だ。」

そこから,Chiefは,彼の父親と,政府の役人との長い戦いの話をする。役人達は彼らの種族から,全てを奪おうとしていた。(Chiefはここで今まで病院の看護婦や医者等の集合=管理者側,に対して使っていたCombineという言葉を,役人を意味する言葉として使います)

しかし,彼の母親は父親を小さくしていった。やがて父親は酒をたくさん飲む。「Combineは彼を叩きのめした。あんたもそうなるよ。奴らはパパのようなデカイ奴が自分達の仲間でなければ,我慢できないんだ。あんたもそのうちわかるよ。」
「ああ,多分ね。」
「だからガラスを割っちゃいけなかったんだ。」
「マスタングを壊すように?」
「いや,奴らはそんな風にあんたを壊さない。あんたが動きが取れないようにしようとしているんだ。そのうちどこかに閉じ込められるよ。」
「ちょっと静かにしなよ。聞かれるぞ。」

黒人が何の音かを確かめにきて行ってしまった後,Chiefは父親の最期について,囁くように語った。父親は,最後は飲み過ぎで目が見えなくなり,杉の木の下にいた所を,皆で運び出したが亡くなった。彼らが父親を殺したのではないが,何か他の事をしたのだ,と,Chiefは思う。

話を終わるとMcMurphyは寝返りを打つ。Chiefはふいに彼の刺青に触れてみたくなった。何故なのかよくわからない。それでも触れようとすると,McMurphyが振り返り「何故釣りに来ない?」と尋ねる。

Chiefが,自分はお金がないから行けないと言うと,McMurphyは,もしChiefに昔の強さがあったら(いつぞや自分が持ち上げようとした)パネルを持ち上げられるか?と聞く。するとChiefは,できると思う,と答える。するとMcMurphyは「もしお前を以前のように大きくしてやったら,持ち上げると約束するか? そしたら俺のスペシャルボディビルコースと10ドルの釣りにタダで参加させてやる。」

(うわっ,McMurphyってホントステキな人ねっ。思わず目頭が熱くなりましたっ。。。それにしても,この素敵な会話,映画には入らなかったんですねぇ。。これ伏線中の伏線ではありませんか)

「でもどうやって?」と言うChiefに,McMurphyはわけのわからん事を(笑),いろいろ楽しそうに語る。そしてベッドにChiefを縛り付けていたベルトやカバーを取り,裸のままにしてしまう。「これでもう半インチ大きくなっただろう。」


大だる

2006-03-05 12:12:07 | ハリポタ全般・J.K.Rowling
久しぶりにこちらのブログでポタネタでございます。

Gulliver's Travels
この本が届いたので,ちまちまと読んでいますが,これは想像以上に面白い本です。作者はスウィフトという人ですが,物語はガリバーが書いたという事になっていて,まずはガリバーが出版者である従兄弟のシンプソンに宛てた手紙,そしてシンプソンの前書きから始まるんですね。その後ご存知の奇想天外な冒険談が始まるわけですが,地図が付いていていかにも本当にそこにありそうに書かれていたりとか,ガリバーの訪問先の人々は,スウィフトさんが発明した言葉を話したりとか,これはまるで,18世紀のトールキン?な感じです。そして,この本もまた,全てのファンタジーの原点の1つ,と,言えるのではないでしょうかねえ。

とは言っても,手紙も前書きも,その後の話も,まだほとんど読んでないのですが,できればそのうちレポートしようと思います。

で,どこがポタネタかと言うと,ガリバーが小人の国Lilliput(リリパットってこんなスペルなんですね)に到着した時の事。お腹が空いたと身振りで言うガリバーに小人達は食べ物を与え,さらに喉が渇いたと言うと,彼らは,
they slung up with great Dexterity one of their largest Hogsheads
という一文に私の目は釘付け。え?「Hogsheads」?註が付いていたので,見てみると。
'Any large barrell' (Jonson , sense 2)
これを見て私は,思わずまちゃまちゃばりに「はぁ~~?」 ちなみに,カッコの中の「Jonson」とは,18世紀の辞書なのだそうです。改めて現代語の辞書を引くと,「hogshead」ってちゃんと「大だる」という意味で載っているんですね。

‥て,事は,ホグスミードにある「ホッグス・ヘッド」は,元々大だるを意味する「hogshead」を語源に,「豚の頭」の看板で不気味さを醸し出し(笑),ホグワーツの頭=校長先生との関係?を示唆すると,3つの意味を持っていたんですねー! いや~「大だる」は知らなかった,勉強になりました!


HoME8 1-II Helm's Deep (1)

2006-03-04 00:34:02 | Tolkien・HoME
まずは,前の章の「時刻合わせⅠ」に従った初期の下書きです。
ローハンの土地の描写から始まります。黒の山脈(後の白の山脈です。何故黒が白に変ったんでしょうね?)遠くにはMethedras(霧ふり山脈の最も南の山)を眺め,たくさんの馬道がついていると説明されます。兵士達の槍の先は赤く,Tindtorass(=Thrihyrne)の上に雲の間から差し込む最後の(夕方の)光のようだと記述されています。(この頃,トールキンさんの文章は,ホビットの冒険時代とは別人かと思うほど,洗練され,美しくなっていまして,とても私の日本語力では適切な訳をつけられません(笑))

そこへ1人のボロボロにくたびれた騎士がやってきます。彼はアイゼンで大敗を喫し,セオドレド(覚えてますか? 7巻の最後で,ローハンの大将Eoforedという名前で出てきました。ここでセオドレドになったわけですが,クリストファーさん曰く,まだセオデンの息子ではないそうです)を失ったと報告。エオメルに会いたいと言います。

するとセオデンがすっくと立ち上がり,「ここに来るのだ! Ceorl! 私はここだ。最後のEoringasは前進しておるぞ。戦わずして帰る事はなかろうぞ!」(このセリフカッコいいので原文をメモ)"Come, stand before me, Ceorl!" he said. "I am here. The last host of the Eolingas has ridden forth. It will not return unfought." するとCeorlは不思議に思いながらも喜びに溢れた表情で,「私にご命令を! お許し下さい! 存じませんでした! 私は‥」「風が冷たい重荷を払ってくれたのだ。この男に新しい馬を与えよ。Trumbold(>>Heorulf)の救出に向かうのだ!」

彼らは馬を進めます。するとガンダルフが何やら飛蔭に話しかけたかと思うと,突然,馬は跳ね上がり,走り去ってしまいました。ローハンの人達は後を追おうとしましたが,すぐに諦め,ハマは仲間とこんな会話を。「一体どういう事だ? 彼はいつも予期しない時に現れ,消える。」「蛇の舌がいたら,きっと説明してくれるだろう。」「確かに。しかし,また会えるまで待とうと思う。」「できればね。」

(ハマってその後二度とガンダルフに会えなかったんじゃなかったっけ?(泣))

やがて彼らはHeorulf's Cloughの大きな割れ目の入り口に到着。斥候達は次々に,この先野蛮な人々や狼乗り達がいて,Nerwetの門に向かっていると報告してきます。

(何やら聞きなれない名詞が一杯出てきますが,これらが後にHelm's DeepとかHelm's Dikeとかになるのでしょうねぇ)

第2弾

2006-03-03 08:28:37 | 雑談
炎の英雄 シャープ DVD-BOX 2

おいおい記事ダブってるぞって。
いや,違うんですよ。今朝,amazonを見たら,いつの間に(笑)か第2弾も「ニューリリース・予約」欄に入ってました。

第1弾のレビューをよく見たら,この企画,たのみこむから来たのだそう。へぇ~,ホントに,願いが叶うんですね。ファンの皆様の努力の賜物だったのですね~。

HoME8 1-I The Destruction of Isengard (2)

2006-03-03 01:28:55 | Tolkien・HoME
時刻合わせⅠ

初期のヘルム峡谷では,次の章で見られるそうですが,Eodorasからの行列が,Nan Gurunir(魔法使いの谷:何故かNan CurunirでなくNan Gurnir)から,煙が上がるのを見ます。(これがエントがアイゼンガルドに攻めた際のものだそうです) そして同じ日に,アイゼンの川原から戻って来た騎士に遭遇。彼(Ceorl)は,前日(Day 2)大敗を喫し,退却を余儀なくされたと報告。その時の煙を前日レゴラスが見ています。そしてその日,セオデン,アラゴルン,レゴラス,ギムリはヘルム峡谷(まだ名前を付けられてなかったそうで)へ避難。(Day 3)

しか~し,ここで早くも時系列的矛盾が発生。エントがアイゼンガルドに到着したのは,Day 3の夕刻だそうで,Eodorasの行列が見た時間と合わないとの事。

時刻合わせⅡ

‥という事で,時刻はちょっぴり修正。セオデン様ご一行は,Eodoras出発後,途中で1泊する(Day 3)事に。そして翌朝(day 4),彼らはアイゼンガルドの煙を見ます。‥と,いう事で,タイムテーブルは以下のように修正

「Day 3」1月31日。ガンダルフとセオデンはEodorasを出発。途中でキャンプ。エントはこの夜オーク軍出発後にアイゼンガルドに到着。洪水を起こす。
「Day 4」2月1日。朝,セオデンの一行はアイゼンガルドの煙を見る。夕刻,Ceorlに会い,前日,アイゼンの川原で敗戦,退却した事を知る。ヘルム峡谷に到着。夜,角笛城の戦い。

しかしこれでは,レゴラスが見た煙の話(アイゼンでの戦い)は,Day 3にずれ込んでしまうので,なしになってしまいますね。。。

時刻合わせⅢ

アイゼンから上がる煙を見て,セオデンがガンダルフに「全ての魔法使いの谷が燃えていると言われるぞ。」と言うシーンがあるのですが,前の案だと,Day 4での事となっております。しかし,正式版では,角笛城の戦いの後,煙でなく,Huorun達の「影」を見つめるような会話に変更されたそうです。

「Day 4」2月1日。ローハン軍は,北の方角に影を見る。(まだエント攻撃前) その夜角笛城の戦い。
「Day 5」2月2日。セオデン,ガンダルフと仲間達はアイゼンガルドへ。そこでアイゼンガルドが水浸しなのを発見する。

時刻合わせⅣ

そしてこれが最終案。

「Day 3」1月31日。エント,アイゼンガルドに到着。
「Day 4」2月1日。夜明けに彼らはダムを作る。メリーとピピンは夕方まで置いてきぼり。夜,ガンダルフがやってきて木の鬚に会う。その夜遅く,水攻め開始。(そして角笛城の戦い。)
「Day 5」2月2日。アイゼンガルドから煙。ガンダルフとセオデン達は途中のキャンプ地からこれを見る。フオルン達はアイゼンガルドへ。
「Day 6」2月3日。朝,木の鬚は門に戻り,メリーとピピンに見張りを命じる。蛇の舌到着。その後ガンダルフ,セオデン一行到着。

‥という事で,この後のヘルム峡谷~パランティア関連の下書きは,このいろいろ変更された時間順に従って書かれているそうので,ご注意下さいとの事でございます。

One Flew over the Cuckoo's Nest (193-203)

2006-03-03 01:19:51 | BookClub
McMurphyに1度ならずも2度も負けたBig Nurseは,急がず,彼が何かミスを犯すか,終る(汗)かするまで,待つつもりだ。

McMurphyは病院に来て1ヶ月。最近バスケットボールチームを発足。Miss Ratchedは嫌がるが,ドクターは,これは医療的によい効果があると認める。NcMurphyはくじらのパンツ1枚で走り回ったり,1セント硬貨をばら撒いたり大声でわめいていたりしたが,Miss Ratchedは黙っていた。一方彼はMiss Ratchedとの間で,外出許可を取ろうとやり取りをしていたが,断られる。このやり取りで,彼は修理しかけていたガラスを,また見えなかったと言って割ってしまう。

2人の大きな黒人達もバスケットを楽しむ。彼らは速くて正確。とてもうまい。患者チームは動きが遅くて太刀打ちできない。

McMurphyはこの頃トイレに落書きをたくさん残している。また彼のスゴイ話を日誌にも書き込んでいた。彼は時々8時まで寝ていてMiss Ratchedに叱られるが,彼はお終いまでおとなしく聞いていて,彼女にBカップか?Cカップか?それとも他のカップか?と聞いて,彼女の努力を台無しにする。

彼女達は,今度はガラスにMcMurphyが見えなかったと言わないように大きな×印を付けていたが,Scanlonが誤って割ってしまう。

ここでバスケットシーズンは終わり。McMurphyは今度は付き添い付きでの釣り旅行を提案。これは通った。次の週末に決まる。

次の日から彼は行きたい人を募る。Chiefも行きたいが,耳が不自由なのは嘘だったとバレてしまうのでは,と,思うと怖い。

どうしようと悩むChiefはふいに思い出す。自分が最初に耳が聞こえなくて口がきけないという事にしたのではない。元はと言えば,軍隊で,学校で,皆が自分の言う事を聞いてくれなくなったのだ。Chiefが皆が言っている事を聞いているとは思わなくなったのだ。

10才の時,鮭を加工する小屋で,彼は村に1台の車が来たのを見た。彼らは観光客ではない。何故なら,観光客達は,彼らがまだ頭の皮を剥ぐと思っているのでそんなに奥に来ないのだ。でも彼らの仲間にも,弁護士になる人だっている。Chiefのおじさんは弁護士だ。

車から降りてきた男女3人。女性は防弾鎧のような物を着ている。男は鮭を持った10才の少年のChiefを見て,臭いというような素振りをする。彼らはChiefが聞いているのも構わず,ここに気高い酋長さんが住んでいるんだ,話はすぐ終わるさ,こんな汚い所で? ここは暑い,見ろよこのガキ,焦げてるぜ。やがて1人はパパが作ったブランコに乗って,帽子で仰ぐ。彼らはChiefが英語をわかるとは知らないのかと思い,彼は彼は彼らに反論する。「この家は他の家より涼しいよ!」

彼を全く無視する男女。Chiefの時間は一瞬止まる。そしておかしな感覚に包まれる。太陽が明るくなったように感じる。しかし,パパの鶏が突然鳴き,現実に引き戻される。「酋長に会うべきですかね」すると女性が初めて口をきく。「いいえ」なんだかBig Nurseのような言い方だ。母さんの服を見るなり「今日はまだよ。酋長の夫人は白人ね。Bromdenという町の女だわ。町へ行って,皆に言うの。水力発電用のダムが,滝の傍のボロ屋より役立つと皆わかるでしょう。そして彼女に,間違えて?手紙を送るの。その方が簡単でしょ?」

「今日話したって,ナバホ族の頑固親父の‥何て言うんでしょうかね? ふるさと愛?にてこずるだけよ。」Chiefは『ナバホじゃないぞ!』と言いたかったが,彼らにとっては,どこの種族かなんてどうでもいい事だ。

「社会学の先生が,力を見くびっちゃいけない人が必ず1人はいるものだって言ってたわ。」彼らは,Chiefを全く見もせずに,車で去って行った。


Run!Run!Run!