デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



ヴィジェ=ルブランの墓

行ってみて感無量であったことは確かだが、墓に着くまでの自分で調べたプロセスとそれを終えたことの達成感を覚えたことが何割か混ざっていることは否定できない。
正直に書くが、私はヴィジェ=ルブランについてはネット上の情報や世界美術全集の一部に載っている程度の情報しか知らない。
ただ、青春真っ盛りの頃に覚えた、日本でもよく紹介されるダヴィッド以降のフランスの革命期美術やロマン主義の作品たちの傍らで、ひっそりとだが優美さと繊細さを感じさせかつ存在感を放つヴィジェ=ルブランの作品には、小説を読み始めた頃からずっと憧れていた。そして行動できる範囲で作品をみた。
ユベール・ロベールの絵が廃墟のロベールというぐらい一定の型をつくったが如く、ヴィジェ=ルブランの絵は、ロココ期の美術の肖像画の美の型として完成の域に達したと私個人は思っていて、またそこには次の動乱の時代を知る者にとっての理想郷や郷愁を感じさせるように思うのだ。


墓碑銘は“Ici, enfin, je repose…”(ここで、ついに、私は休みます…)



墓地はそこまで広くないし案内板もあるので大丈夫とは思うが…

墓そのものについては古い写真のもののイメージが私の中では強く、墓碑がきれいに塗られ、故人の名と墓碑銘がくっきりと黒塗料でなぞられたものに「リニューアル」されたものであったのがちょっと残念だった。ちなみに前ヴァージョンでは墓碑の天辺は十字架になっていたが、見ての通り今は十字の下の柱部分の一部しか残っていない。


墓から見える光景はこんな感じ。



ヴィジェ=ルブランの「自画像」(1790)

ウィキペディアのヴィジェ=ルブランの項

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