デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 




美術全集で大きく採り上げられている作品が、「一生で一度は見ておくべき作品≒名作・名品」のようにところがあるし、事実それらの刷り込みや手引きがなければ、私などは鑑賞に困る。
しかし、それだけでは面白くないなぁという思いはどこかにあってしまうのだが、今回の松方コレクション展では有名な画集に載っていなくても他では普通に注目されているよ、といった作品が集まっていたように感じた。それは作品リストにけっこう多くの美術館や博物館や企業の名があることかも分かる。
印象に残った作品は多かったが、とりわけG・モローの「ジョット」には三回見入った。モローはギリシア神話や聖書に題材をとった幻想的で神秘的な作品が多いが、まさかのルネサンス絵画の父ともいえるようなジョットの肖像を描いているとは思わなかった。モローの「ジョット」はメランコリックな表情の中に霊感を受けている風ではあるが、色使いが現代のマンガのデザインっぽくておもしろい。
ほか、トロワイヨン、ドービニー、ブラングインらの作品が印象に残ったりした。レールミットの「羊飼いの女性と羊のいる風景」に今なら女性がスマホ触りながら放牧しているような風に見えてしまったり、ダッドリー・ハーディーの「海の収穫」に描かれる網にかかった"機雷"に皮肉と大いなるリアリズムを感じ、ルパージュ「ロンドンの靴磨きの少年」にはこの絵を購入したときの鑑識眼はすばらしいものじゃないかと素直に思えた。

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