デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



…雇い主であるフィリップへの接し方、人を見下すフィリップの養女への怒り方、弟、妹、母親とぶつかりながらも、優しさを秘める接し方、どれをとってもドリスの気持ちというのは、ものすごくイスラム的なのです。…
 突き詰めて言えば、それは、分け隔てをしない他者への接し方です。人と人との間に「線を引かない」態度と言ってもよいでしょう。…
 ドリスは、相手を障がい者だから、大富豪だから、と人間に線を引いて接しようとはしません。もちろん、郊外の移民の出身ですから、白人のフランス人への反感はドリスにもあります。しかし、本質的に、他の人に対して「差別」や「区別」をするという観念がないのです。
  内藤正典『となりのイスラム』(ミシマ社)p49~50

『となりのイスラム』のなかで上のように触れられていた映画『最強のふたり』(2011)を鑑賞した。今年も映画はあまり見ていないけれども、たぶん今年見た映画のなかでは一番の作品だろう。
感動ポルノの押し売りのいつになったら世界は救われるのか分からない一晩中やってる番組を見て涙を流すよりは、この映画を見た後に1時間のディスカッションをしたほうがはるかにいい。

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