6月4日(月)、朝、妻と散歩に行きました。健康のためになるべく散歩するようにしています。
散歩コースは近所の神社までの往復2km程度。コースは住宅街と田んぼのあぜ道で、四季折々の自然や花が楽しめます。
昨年から、この時期に楽しみにしているのが、カブトエビたちです。すべての田んぼにいるわけではないのですが、田植えの前後、田んぼに水が張られている時期だけ、大量に発生し、動き回っています。詳しくは下のサイトをご覧ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%96%E3%83%88%E3%82%A8%E3%83%93
ミジンコの近縁種で、ホウネンエビも同居していることが多いです。ホウネンエビは昔「シーモンキー」という商品名で卵が販売されていました。これらは「生きている化石」と言われていて、何億年前の形をそのまま維持しているそうです。カブトガニにも似ています。
彼らは真夏になって田の水が干上がるといなくなります。卵の形だと乾燥に強く、長期間生きられるそうで、また水が入った時に発生します。見ていると、動きが面白く、かわいらしい生物です。でも、やはり生存競争は厳しく、よくカラスに捕食されています。
このような生物がたくさん発生し、その死骸や糞が稲の良い肥料になっていきます。化学肥料をやるよりも、稲にとってはずっと健康的で病気にも強くなります。「ホウネンエビ」は「豊年エビ」であり、この種の生物が多く発生する年は稲が豊作になったためだそうです。田んぼの生態系というのは、本当によくできていますね。先人の知恵に感心します。一時期は強い除草剤や農薬で見かけない年も多かったのですが、最近はこれらの生態系が稲にとっても重要であることが理解されてきて、薬の質や時期を変えるなどの工夫をすることで、見ることが多くなりました。里山の自然は、人間と自然が共存しながら作り上げてきた素晴らしいシステムだと思います。
人間も自然の生態系の中で「生かされている」生物であることを忘れてはいけません。食物についても、加工食品を食べるばかりでなく、自然の中で育てられた素材を大切に調理して食べる方が絶対に健康に良いのです。これは、稲とカブトエビの関係を考えてもよくわかります。
書道の「線」には自然が存在します。そこを意識できるかどうかということは重要だと考えています。