9月12日(月)です。大学院文学研究科の前期の集中講義「書道史特論(中国)」の後半が2日間にわたって始まりました。講師は滋賀県から松宮貴之先生に来ていただいています。受講生は2名です。両名とも社会人です。1名の方がお仕事の都合で2日間大学に登校できなくなって、今回初めて実施したのが標記の「ハイブリッド形式」の授業です。これは、対面授業と遠隔授業の混合形式という意味です。私は現在、文学研究科の科長を務めているために、この授業の準備も担当しています。

教室には松宮先生と院生の河原さんが座り、その様子をビデオカメラで撮影して、「キャプチャーボード」」という小さな機械を経由してPCに入れます。PCは画面の方を座学者の方に向けて、もう一名の受講者である高嶋さんの顔がZoomで大きく映し出されるようにしています。
音声は、PCからも入出できますが、音質はどうしても硬くなりますので、昨年度、大学院で購入した専用スピーカーを接続しています。このスピーカーは本体と子機があって、机の上に置けて音質もソフトです。人がそこに座っているかのような臨場感がありますし、子機にはコードがついていて離れた人の声をマイクとして拾うことができます。スピーカーの本体は松宮先生の前に、子機は河原さんの前に置きました。授業は順調に進んでいました。
この日は、松宮先生の著書を使用した講義・演習が中心でしたので、文学館の小講義室で実施しましたが、2日目は筆も使うので、書道文化館の実習用の広い教室を使用しました。

コロナ禍以後、遠隔授業が一般化して、Zoomを使用する機会も増えましたが、いままで対面と遠隔を混合して使用する機会がありませんでした。今回は、より質を高めるために、ビデオカメラ・キャプチャーボード・専用スピーカーも使用しましたが、最低限、PC1台かスマホがあって、WiFiで常時接続できる環境さえあれば、ハイブリッド授業は可能です。この形式をもっと活用すれば、仕事・健康・距離などの問題でどうしても参加できない授業にも、参加できるようになります。もし仮に一定期間入院して学校に休む学生がいたような場合も、授業が受けられる可能性があります。不登校問題の一部も解決するでしょう。これは教育や仕事の世界でもどんどん活用すべきだと思いました。
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