山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。
と思っていたけど、もうそんな年齢じゃなくなってきた。

「船の科学館」と「笹川良一」

2018-01-26 21:00:13 | 旅行・街歩き


昔の人間なので、お台場というと「船の科学館」が思い浮かんで、そこをとりあえずの目的地にして出かけて行った。昔独身の頃行ったことがあるし、子供が小さい頃も連れていったことがあった。



ところが、今では、すでに「過去の長物」になってしまったのだなあと感じる。
本館は休止しているし、近くにあった宗谷と羊蹄丸も無い。
営業しているのは、駐車場のみ。



あとは元売店だったところでの小さな展示。



周囲には潜水艦やスクリューのプロペラなどが展示されているが、単に、置きっぱなしになっているというところだ。





本館が休止しているのは、老朽化のためであって、再会する予定もないようである。
トイレだけは使える。ロビーはがらんどうだが、壁に大きな絵がかかったままになっていた。



海王丸の絵。海の絵の美術館にしたらどう?



この「船の科学館」を建てたのは、笹川良一らしい。笹川良一とはどういう人か?
杖をついて母親をおぶっている銅像があった。一瞬、二宮金次郎の銅像かと思ったが、年老いた息子が、さらに年老いた母親を背負っているという親孝行な姿であった。



わが母への讃歌  笹川良一

母背負い 宮のきざはし かぞえても かぞえつくせぬ 母の恩愛

笹川会長が母を背負い、金毘羅785段の石段を上ったときのうた
笹川良一さん59歳のころのものだそうだ。

ちょうど私と同じくらいの年齢。親への恩は数え尽せないものであるということを歌っているのだった。

笹川良一といえば、昔、日本船舶振興会のCMがあって、競艇などの収益金は、社会のために使われているというメッセージが流れていた。笹川良一の周りに子供が集まっていた。「人類は皆兄弟」とか言っていた。
その当時は良くわからなかった。今もわからないけれど、大っぴらに良いことをする人だということだ。

この人は、黒幕とか、右翼系運動家とか言われているけれど、良い人か悪い人かと言えば、良い人に違いない。「大正・昭和時代の日本の政治運動家、社会奉仕活動家」ということである。

放送大学の「政治学へのいざない」という私にとってはわけのわからない科目の教科書に「セルフメイド・マン」として笹川良一が登場する。

そうなのだ、セルフメイド・マンとは「独立独歩型人間」のことで、「既成の枠にはまらぬ奔放な行動ゆえに、その存在そのものに価値があり、論理や言葉をあえて必要としない」のだそうだ。笹川良一は戦後巣鴨プリズンに収容されていて日記を書いていたそうだ。A級戦犯容疑者だったが、後に釈放されたそうである。教科書はよく読んでないから、それ以上の記憶もない。

船の科学館で「笹川良一のことを、どこかで読んだけど、どこだったかなあ?」とずっと思い出せずにいたのだ。そしてやっと思い出した。
放送大学の挫折した科目だった。しかも、ちょうどその科目の再試験日に、すっぽかして遊びに行った場所で笹川良一と遭遇するなんて・・・。

せっかく笹川良一が建てた科学館だけど、こんな状態になってしまって残念だろうな。もし生きていたらがっかりするよね。きっと笹川良一が亡くなったから、ここもこんなになってしまったのかな?などと思う。

笹川良一には息子さんが3人いたが、長男次男が相続を放棄したとかいうことである。三男が相続したものの、財産と負債を総合すると負債の方が多いくらいだったそうだ。やはり笹川良一は、財産を自分のために貯めるのではなく、社会のために使ってしまっていたらしい。

船の科学館も、社会のために作ったんだろうなと思った。

今は、すぐそばの「科学未来館」が活躍する時代になっている。

こんな碑もあった。



建設の目的
四面海に囲まれた日本は、古来海に資源を求め、海を利用し、船舶による物資の輸送によって、国利民福を図ってきた。
海運・造船、その他の海事産業は、日本にとって欠くことのできない重要産業であるが、これに対する一般国民の認識は残念ながらまだ十分とは言えない。
「船の科学館」は、「世界は一家、人類は兄弟姉妹」の理念の下に、日本国民、とくに未来を担う青少年に対して海事産業についての興味を呼び起こさせ、その科学知識を深め、未来に対する夢を与えようとするものである。
  昭和49年7月 財団法人日本海事科学振興財団 会長 笹川良一



水六訓

1 あらゆる生物に生命力を与えるは水なり

2 常に自己の進路を求めてやまざるは水なり

3 如何なる障害をも克服する勇猛心とよく方円の器に従う和合性とを兼ね供えるは水なり

4 自ら清く他の汚れを洗い、清濁併せ容るの量あるは水なり

5 動力となり光となり生産と生活に無限の奉仕を行い何ら報いを求めざるは水なり

6 大洋を充し発しては蒸気となり、雲となり雨となり雪と変し、霰と化しても、その性を失わざるは水なり

水を心とすることが平和と健康と長寿の妙薬であります
                          笹川良一


日本人にとって、海や船は重要なものであり、それを扱った科学館は存在するべきだと思う。
また、水の性質、水のすばらしさについて、確実に記している。

笹川良一さんは、立派な人だったと思う。




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