詩とファンタジー№15 夏眺号
投稿詩とイラストレーション
責任編集:やなせたかし
かまくら春秋社
特集「手のひらを太陽に」誕生50年!
春号を見ないうちに春は過ぎ去った。
偶然にも創刊号から毎回手にしていたこの本は季節毎に発行されているもので、しかも私が立ち寄る小さな本屋さんには1冊しか入ってこない。
ご縁があれば手にしようと思っていたので、とうとうその縁が切れたんだわ…
と思いきや、震災のために春号が発行できなかったそう。
想像外の影響、沢山あるんですね。
この夏号に掲載されている詩は本来春号として出されるものだったので、
季節はずれに読むことになった季節感のある詩はどうしても共感が薄くなってしまい、勿体ないというか残念。
ちょっと惹かれた詩
嘘g
吉田理恵子 絵・東瑶子
嘘には重さがあるらしい
そういう重さじゃなくて
gの重さ
罪には深さがあるらしい
そういう深さじゃなくて
mの深さ
何でも数字で測れるから
いいとか悪いとか
計量するのが簡単だ
これは逆説ですね。
今はなんでも数字で表そうとして、また数字で表せることが多くなったものだから、数字で表せないものは信用されなかったり。
だけども、いつもいつも計測器を傍らに置くわけにはいかないし、測りきれない真実もたくさんあって、どんなに科学が発達しても大事にしたいのは人間の感性。
春の人
小谷健 絵・黒井健
いつもにこにこ
ほがらかで
おっとり
まったり
なごやかで
おとなしいのに
はなやかで
たとえばそこに
いるだけで
その場の季節が
春になる
こういう人を
おこらせたら
ものすごく
こわかった
経験あります(フフ)
飛べたよ
延永治子 絵・葉祥明