将来が楽しみ 今治西の楠橋
第三日は各チームとも投手の不調で試合時間を浪費したにすぎなかった。これでチームが力量を披露したわけだが、このうちもっとも優秀なプレーヤーとして今治西・楠橋遊撃手をあげたい。チームメイトは楠橋をやさしくすなおで、よく気がつく選手と話していたが、グラウンドでの闘志は猛烈で、まこと好感の持てる選手だ。身長1㍍77、体重72㌔というから内野手にもってこいの恵まれたからだであり、加えて攻守にわたっての敏感な神経は、抜群だといってよい。
打力はタマ筋の読みとポイントのとらえかたが明確なうえに、無理せず左右に打ち分ける打法を身につけている。守備もダッシュからはじまるフットワークと確実な捕球、そして正確なスローイングのすべての面で、藤田(市和商ー阪神)を上回るとも劣らない。生来の気質どおり何事にもすべてすなおに伸びていったならば、将来すばらしい選手になることだろう。