1984年
ドラフト6位で、異色の選手が入団した。昨年秋、長野・松本工から川崎市の橘高校夜間部に転校し、昼は日本ハム合宿所勤務(練習生)の苦学生、丑山努(うしやまつとむ)捕手(19歳)である。松本工2年までは、現阪神の御子柴投手とバッテリーを組み、強肩強打のキャッチャーとして将来を嘱望されていた。58年夏の県大会の準決勝で甲子園に出た長野商に敗退したあと、三沢編成課長の誘いで日本ハムの練習生になった。昼はバッティング捕手、夜は眠い目をこすりながら学業に励み、6位ながら晴れてプロ選手の座をつかんだのだ。契約金1500万円、年棒160万円の条件でサインした。ウシは「ようやくボクにも春が…」