1988年
昨年からマウンド経験のある右本格派太田が一段と成長。ストレートの威力が増し、課題の変化球に制球力がついたことで投球の幅が広がった。四ー五月の練習試合では尽誠、志度商、神港学園の強豪相手に好投、自信を深めた。
松商は4-4の同点で迎えた九回裏、二者が凡退、延長戦かと思われた。しかし、この日2安打の佐々木が帝京・太田の五球目をライナーで左翼席へ運び試合を決めた。太田のヒザ元を突く直球と緩いカーブに手を焼きながらも三回、四球と長短打で2点、六回は四球と犠打、安打で1点、七回も2安打と盗塁を絡め1点とチャンスを確実に生かし、リードを奪っていたのが生きた。
近鉄の河西チーフスカウトは二十九日、ドラフト3位指名した田口茂樹投手(18)=京都・西城陽高、180㌢、75㌔、左投げ左打ち=と、同6位指名の太田暁投手(17)=愛媛・帝京第五、180㌢、68㌔、右投げ左打ち=の自宅(いずれも京都府内)を訪ね入団交渉、具体的な条件提示をした結果、ともに合意に達したため、両投手の入団が決まった。左の本格派で140㌔級の速球が魅力の田口は、契約金三千五百万円、年棒四百万円。右腕からキレのある速球を武器に、今夏の愛媛県大会でベスト8進出の原動力となった太田は、契約金二千二百万円、年棒三百八十万円。(金額はいずれも推定)