1969年
一ノ関投手は左腕の本格派。制球力をやや欠きながらも、重い速球には威力がある。
アトムズ球団から指名された五城目高一ノ関投手の父親、金一さん(47)の話「指名されたことはきょう夕方、知った。本人はいろいろ悩んでいるようで、親としては本人の意思にまかせている。学校の関係者と相談してみる。いまは全く白紙だ」
1969年
一ノ関投手は左腕の本格派。制球力をやや欠きながらも、重い速球には威力がある。
アトムズ球団から指名された五城目高一ノ関投手の父親、金一さん(47)の話「指名されたことはきょう夕方、知った。本人はいろいろ悩んでいるようで、親としては本人の意思にまかせている。学校の関係者と相談してみる。いまは全く白紙だ」
1990年
一軍入りが期待されていた杉本だが、開幕はファーム。それも、中継ぎからスタートした。5月12日に2勝目をあげて先発ローテーション入りし、一軍へのチャンスをつかむかと期待していたが、慣れない東京での生活で疲れが出たのか、3勝目は3か月後の8月14日の大洋戦だった。昨年はウエスタン・リーグの最多勝(9勝)だったが、広島首脳陣の評価は「ファームでは通用しても上で使うには、すべての面で物足りない」と厳しいものだった。カープのピッチングスタッフは強力だったが、5年間チャンスらしいチャンスもなかった。今年は大野、川口、津田らが揃ってファーム落ちを経験し、先発のやりくりに四苦八苦しているのを見れば、皮肉なものである。ところで、木樽二軍監督は「杉本は繊細だが、ピッチングは攻撃的な面がある。ウチにないタイプの投手だ」と評す。杉本にとっては広島の投手王国にいたことが、今では大きな財産になっているのかもしれない。武器は187㌢の長身から投げ下ろす剛速球である。145㌔の直球に加え、大きくぬいたカーブ、スライダーにもう一つ、自分で考案したオリジナルボールがある。SFFファイアーミラクルクロスボールだ。杉本自身、コントロールに自信がないのでフォークはほとんど投げない。そのフォークの代わりとなるのがこのボールで、SFFとフォークの中間の変化をみせるが、試合で投げるのは多くて5球くらい、あくまで見せ球である。これだけの球種を持ちながらファームに甘んじていたのは、課題のっコントロールだ。昔は突然ストライクが入らなくなり、四球で自滅していくといったパターンが多かった。さすがに最近はストライクが取れるようになったが、まだ微妙なコントロールは持っていない。狙った場所にボールが行き始めれば、一軍で二ケタ勝利も夢ではない。そのためには、上体に頼った投球をしないことだ。下半身を使わないからスタミナも消耗するし、集中力も失う。体も前に突っ込むと悪循環である。そしてもう一つ、どんなときでも、たとえ練習でも低めに投げる癖をつけてしまえば、投球はかなり楽になるはずだ。今年のロッテは一、二軍の入れ替えが激しい。杉本が「敗戦処理でもいいから一軍へ入って、中継ぎと出来れば先発が最終目標です。パ・リーグはパワーのある打者が多いし、特にオリックスは左の打者が多いので手ごわそうですね」と話す横顔は、もうパ・リーグ、ロッテオリオンズの杉本だ。杉本にとっては、チャンスを与えてもらったトレード。このトレードを生かしてもらいたい。