1983年
下降線をたどっていた男が、中継ぎのキリ札として新境地を開いた。池内の役目は中盤から後半にかけて福間、山本和への橋渡し。登板イニングはせいぜい1回か2回だが、阪神のようにリレー策に頼って戦うチームではまさに貴重な存在だ。昨年は全試合ベンチ入り。130ゲームのうち半数以上の73試合にマウンドへあがり、ついにリリーフ最多登板をマークした。時には失敗もあったが、成功率は5割以上。中継ぎエースという新しい称号をもらっている。これが認められて年棒も大幅アップ。「ことしはもっと内容のいい投球で」と意欲満々。池内の身上は打者の胸元をえぐるシュート。これが生命線だ。いきおい死球になるケースも多いが、それを恐れずに投げるのは池内にとっては投球術の一つなのである。「意識して当てるわけじゃない。スピード不足を補うにはコーナーいっぱいを狙うしか方法がないんですよ。昨年の復活の自信がもてたので、ことしは全試合でも出陣の覚悟でやる」と13年目を迎えて意欲もすごい。昨年のオフは巨人と帯同した松山のオープン戦で故郷に錦を飾った。久々の郷里で高校時代(志度商)の恩師や友人が最多リリーフ登板の活躍を祝って、歓迎会を開いてくれた。感激も新たに今季の活躍を誓ったという。「望みは優勝だけ。ことしこそ監督を胴上げして美酒にひたりたい」とベテランは燃えている。
下降線をたどっていた男が、中継ぎのキリ札として新境地を開いた。池内の役目は中盤から後半にかけて福間、山本和への橋渡し。登板イニングはせいぜい1回か2回だが、阪神のようにリレー策に頼って戦うチームではまさに貴重な存在だ。昨年は全試合ベンチ入り。130ゲームのうち半数以上の73試合にマウンドへあがり、ついにリリーフ最多登板をマークした。時には失敗もあったが、成功率は5割以上。中継ぎエースという新しい称号をもらっている。これが認められて年棒も大幅アップ。「ことしはもっと内容のいい投球で」と意欲満々。池内の身上は打者の胸元をえぐるシュート。これが生命線だ。いきおい死球になるケースも多いが、それを恐れずに投げるのは池内にとっては投球術の一つなのである。「意識して当てるわけじゃない。スピード不足を補うにはコーナーいっぱいを狙うしか方法がないんですよ。昨年の復活の自信がもてたので、ことしは全試合でも出陣の覚悟でやる」と13年目を迎えて意欲もすごい。昨年のオフは巨人と帯同した松山のオープン戦で故郷に錦を飾った。久々の郷里で高校時代(志度商)の恩師や友人が最多リリーフ登板の活躍を祝って、歓迎会を開いてくれた。感激も新たに今季の活躍を誓ったという。「望みは優勝だけ。ことしこそ監督を胴上げして美酒にひたりたい」とベテランは燃えている。