プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

阿井英二郎

2024-11-08 20:57:30 | 日記
1983年
ヤクルトのルーキー・阿井英二郎投手が、9月30日の対西武戦で初勝利を飾った。今年のユマキャンプで、シャーリー臨時コーチから「実戦向き」と期待された一人。しかし、しばらくは基礎体力作りに専念していた。そして、今季七度目の登板で念願の初勝利。リリーフで3イニング投げ、速球とカーブ主体の投球内容で、1安打に抑えた。「ボクが中三の時に亡くなったオヤジも野球が大好きだった。きっと喜んでくれているでしょう。この1勝は一生忘れない」給料から七万円を母親のゆきさんに送っている。一軍のマウンドに立つ時は、ゆきさんを呼びたいという。


1986年


童顔が、汗だらけの中でほころぶ。九回裏二死一、二塁、中日・平野を遊ゴロに仕留め、グラブをポン。四年目にしてプロ入り初完投をあげた。阿井だ。「完投よりも、勝ったことがー。初めてやっと勝てた、という気持ちです!」高木新体制となった中日が相手だが、人さまのことを考える余裕はない。「別に意識しなかった」という阿井は、ストレート、スライダーで押し、フォークで勝負する。9安打を浴びたが、「気持ちで負けない」粘投で、1失点完投。昨年の勝ち星(3勝)を早くも上回る4勝目だ。四年前のドラフト、荒木が一位で、阿井は三位指名。常にスーパーアイドルの陰に隠れる。サイン、ファンレターの数は雲泥の差。「実力でダイスケに負けたくない」若者の心に、ライバル心が生まれても不思議はない。その荒木が不調でミニ・キャンプ中「やっぱり、一緒に争いたい」と、この日の好投は、ライバルへのカツでもあった。球場入り前、「ロッキー4」を見た。イタリアの種馬(S・スタローン)のガッツに「ボクは美浦の種馬(兄・宏之さんが中央競馬会の厩務員)だ」と、闘志に火もついていた。

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島田章弘

2024-11-08 20:43:56 | 日記
1986年
スタンドにはこの日、治美さん、紀子さんの両親と、母校・箕島高校の恩師、尾藤監督が応援に駆けつけてきていた。尾藤監督は期末試験中で休み。教え子が、どのくらい成長したのか、午前二時和歌山発のフェリーニ乗ってやってきた。島田弟を見るのは高校三年の夏、甲子園の二回戦で取手二に敗れて以来三年ぶりだ。その両親と尾藤監督が心配そうな顔をしたのが立ちあがりだ。いきなり、福本に打たれ、蓑田に四球、松永に初球を打たれて1点を失った。試合前、「驚きました。私が教えていた頃とは見違えるほどたくましく成長していました」といっていた尾藤監督。いきなりの失点に顔をしかめた。だが、やはり、そこは成長した島田弟だ。二回以降は立ち直った。三回には簑田、熊野を三振。5回を被安打3本、失点1で、幸先のいいオープン戦初白星だ。「いやー、ホッとしましたよ。監督も両親もきていましたからね。オープン戦といっても、ボクは初めての経験だし、そりゃ緊張しました」本人もニコニコ顔なら、もちろん、スタンドの尾藤監督も「ストレートも変化球のキレも、そして何より体つきが全然違う。高校の時は、もっとスラっとしていました。やはり、プロに入って一年間、もまれたことだけはありますね」と成長した教え子に目を細めた。もちろん、ベンチの米田投手コーチも、吉田監督も好投の島田弟をほめあげた。「きょうは合格点。去年とくらべるとスライダー、カーブも、よかった。一年間たてば成長するもんだ」吉田監督も「三回の簑田、熊野に対する攻めは非常に良かった。これからも、どんどん先発させて慣らさせていく」とうれしい合格サインだ。「三回に弓岡さんに二塁打された後から、やっと体が切れてきたんです。カーブのコントロールさえ何とかなれば、そこそこ投げられることがわかりました」このペースでいくと、目標の先発ローテーション入りは、意外に早くやってくるかも知れない。

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