プロ野球 OB投手資料ブログ

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小川宗直

2018-06-16 21:38:59 | 日記
1987年

ちょっぴり突き出た腹。肩をゆすって歩く姿。そして何より、体を巻き込むように右足をあげる投球フォーム・・・。「江夏だなあ、まったく」「ホント、そっくり・・・」4月10日、西武球場。日本ハム相手の公式戦開幕試合。新人・小川宗直投手は、8回から松沼雅をリリーフ。公式戦初のマウンドを踏んだ。そして2イニング、6打者を完封。新人離れしたマウンドさばきは、かつてのミラクル左腕・江夏豊にそっくりの投球フォームとともに、ファンに強く印象づけられた。「開幕のマウンド?オープン戦と同じですよ、エヘヘ・・・」5月23日に25歳になる。度胸がすわっている。春野キャンプ初日の夜、一軍宿舎の大広間に、全選手が集まった。選手会総会で、新入団選手の自己紹介になった。「趣味はカラオケです」と、小川は答えた。場内が爆笑のウズに包まれたのは、その直後。「じゃあ1曲・・・」司会をつとめていた球団管理部・辻岡紘司氏がいい出さない前に、小川はマイクを握るのだ。そして?キィタグーニィノォ・・・歌い始めるのだった。れパートリーは30曲。「所沢の山ん中に隔離されているから、思いっきり歌えないのがつらい」という。カラオケとくれば、酒が付きもの。「ま、当然、飲みます」よく見ていると、ビールでふくらんだのではないか、と思えてくるツキ出た腹。「そりゃあ、ないですよ。でも、ま、好きですね」腹がでてきたのは、享栄高時代だという、夏の甲子園予選愛知県大会決勝で、間瀬投手(のち東海大。巨人・槙原は2年生で控え)のいた大府高に敗れた後、野球部を退部。その後、突然太り始めたのだった。「実はね」小川は恥ずかしそうに、きり出した江夏に似たフォームは、太り出したたまものだという。「腹が出ちゃって、右足が上がらなくなっちゃったんです。それまでボク、西本さん(巨人)じゃないけど、足を高くあげるフォームだったんです。腹が出たおかげで、あの程度にしか足が上げれなくなった」決して、江夏をまねたわけはでない。必然的にそうなった。というのだ。「ともかく、一軍で実績を積んでから・・・」という新人だが、内心では左のエース・工藤に負けたくない、と思っている。高校時代、名電高の工藤に投げ勝っているからだ。「いまは実力の開きがありますけど、でも・・・」ところで、その工藤に絶対に勝てないものがある。ファッション・センスだ。日々、ファッション雑誌とニラメッコ。流行の最先端をいく工藤に対し、小川はつい先日まで、ジーンズすら持っていなかった。よくいえばニュートラ。早くいえば、ゴルフズボンにゴルフセーターといったおじさんルックで歩いていた。まわりをみて、「これじゃあ、あんまり恥ずかしい」と、ジーンズ専門店に駆けこんだのだった。

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