1957年
「調子は悪くなかったが、きょうはビクビクものでした。近鉄には自信はあるし、別に十勝を意識したわけではないが、気を抜いてはダメだと思って・・・」とはいうものの十勝をあげても別に感激した様子もなく、ベテランのように落ち着いたものだった。ピッチングは少しの不安もなく、六回には中前に痛打して二点をあげるなど投打に大わらわの活躍で、近鉄戦七連勝の原動力となった。これでハーラー・ダービーのトップ。このうち四つの白星は近鉄から奪ったもの。そして二度は完投勝利とまさに近鉄キラー。「別に極め球はなかったが、速球が内外角にきまり、カーブも切れがあったのでずい分楽だった。近鉄はこの球をつまって打っていたようです。一回関根さんに打たれたのはシュートのかけそこないで、まん中に入ったものだった」六勝をあげるまでは繊細なペースで勝星をかせいでいたが、その後少しペースがくずれた。これもリリーフが多く、相手についてよく知らずに投げたのが原因だったそうだ。「今は体重もふえ、大学時代の二十一貫前後。調子もよい」とこれからうんとかせぐといわんばかり。山本監督にきょうの木村の出来を聞いてみると「立上りが少し危なかった。いつも立ち上がりが悪い。一、二回もう少し点をとられていたらダメだった。この点を直さなければ・・・」だそうだ。
「調子は悪くなかったが、きょうはビクビクものでした。近鉄には自信はあるし、別に十勝を意識したわけではないが、気を抜いてはダメだと思って・・・」とはいうものの十勝をあげても別に感激した様子もなく、ベテランのように落ち着いたものだった。ピッチングは少しの不安もなく、六回には中前に痛打して二点をあげるなど投打に大わらわの活躍で、近鉄戦七連勝の原動力となった。これでハーラー・ダービーのトップ。このうち四つの白星は近鉄から奪ったもの。そして二度は完投勝利とまさに近鉄キラー。「別に極め球はなかったが、速球が内外角にきまり、カーブも切れがあったのでずい分楽だった。近鉄はこの球をつまって打っていたようです。一回関根さんに打たれたのはシュートのかけそこないで、まん中に入ったものだった」六勝をあげるまでは繊細なペースで勝星をかせいでいたが、その後少しペースがくずれた。これもリリーフが多く、相手についてよく知らずに投げたのが原因だったそうだ。「今は体重もふえ、大学時代の二十一貫前後。調子もよい」とこれからうんとかせぐといわんばかり。山本監督にきょうの木村の出来を聞いてみると「立上りが少し危なかった。いつも立ち上がりが悪い。一、二回もう少し点をとられていたらダメだった。この点を直さなければ・・・」だそうだ。