「魏博で軍乱がおきたようだの」
「また軍乱か、あそこはよく乱れますな」
「ほっておけばよいのですよ、あいつらは勝手にやっているんですから」
「自立した奴を追認するだけでいいんですよ」
皇帝と宰相達の会話である。
そこへ宰相の一人李絳がやってきて言った。
「田興は魏博六州を朝廷の管轄に戻すと上奏してきています」
「まさか、そんなことはあるはずがない」と李吉甫
「いや本当です。官吏の任免も求めてきました。」
「興は田家の傍流です。そのため朝廷の承認が必要なのです。」と絳
皇帝も興奮して言った。
「もしそうなら反抗的な成徳の王承宗や平盧の李師道を分断できる」
「田興を留後として認めてやろう」
河北等の半独立の節度使は、まず自立した者が任命を願い出て、
留後となり、牙軍が節度使として推薦してそれを朝廷が認めるという
方式をとってきたのだ。
李絳が言った。
「留後では牙軍のおかげで昇進したという方になります」
「興を一気に節度使に任命しましょう。そうすれば彼は帝の恩を感じ、牙軍に遠慮する必要がありません」
「そうだな名前も与えてやろう、”弘正”はどうか」と帝も乗り気だ。
「さぞ感激するでしょう。それに将兵への恩賞もはずんでやりましょう」と絳
前例のない速さで、興は節度使に任命され感激した。
魏博の將士も莫大な賜物を与えられて文句なく忠誠を誓った。
「また軍乱か、あそこはよく乱れますな」
「ほっておけばよいのですよ、あいつらは勝手にやっているんですから」
「自立した奴を追認するだけでいいんですよ」
皇帝と宰相達の会話である。
そこへ宰相の一人李絳がやってきて言った。
「田興は魏博六州を朝廷の管轄に戻すと上奏してきています」
「まさか、そんなことはあるはずがない」と李吉甫
「いや本当です。官吏の任免も求めてきました。」
「興は田家の傍流です。そのため朝廷の承認が必要なのです。」と絳
皇帝も興奮して言った。
「もしそうなら反抗的な成徳の王承宗や平盧の李師道を分断できる」
「田興を留後として認めてやろう」
河北等の半独立の節度使は、まず自立した者が任命を願い出て、
留後となり、牙軍が節度使として推薦してそれを朝廷が認めるという
方式をとってきたのだ。
李絳が言った。
「留後では牙軍のおかげで昇進したという方になります」
「興を一気に節度使に任命しましょう。そうすれば彼は帝の恩を感じ、牙軍に遠慮する必要がありません」
「そうだな名前も与えてやろう、”弘正”はどうか」と帝も乗り気だ。
「さぞ感激するでしょう。それに将兵への恩賞もはずんでやりましょう」と絳
前例のない速さで、興は節度使に任命され感激した。
魏博の將士も莫大な賜物を与えられて文句なく忠誠を誓った。