ダ・ヴィンチ・コード (上)角川書店このアイテムの詳細を見る |
気がつけば今年もあと2週間!
ということで、取り急ぎ読書記録を残していくことにしよう。
「ダ・ヴィンチ・コード」(角川文庫版)を読んだのは、丁度ロン・ハワード&トム・ハンクスの映画が公開された頃。
映画の評判はイマイチみたいだし、興行収入的にもメディアが期待したほどではなかったようだけど。
さて、原作の方だけど、まあ手放しで絶賛するほどではないけど、悪くはなかった。
この小説の一番いいところは、やはり「神秘」っぽい雰囲気を醸し出すのに成功していることだと思う。
キリスト教や美術の知識がある人だったら(そんな日本人はめったにいない)もっと楽しめるのかもしれないが、ルーブルを1回訪れたことがある程度の自分くらいの人間でも、宗教・美術に関するウンチクには「ふん、ふん」と興味惹かれるところはあった(右から左に抜けてもう忘れてしまったけど)。
ルーブルをはじめ、出てくる各場面の舞台設定がなかなか良い雰囲気だし。
一方でこれをミステリとして読んでしまうとやや物足りない。
特に終盤、「導師」の正体がバレバレなのに長々と引っ張るあたりは、読んでてちょっと恥ずかしくなった。
さて、小説の主人公ロバート・ラングドンは宗教象徴学のエキスパート、という設定である。
「宗教象徴学」、そんな学問があるとは、初耳だった。
少なくとも日本では聞いたことがないし、西洋では一般的なんだろうか?(まさか創作ではないよな・・・)
死者の残した暗号を、象徴学の知識を使って読み解き真相に迫っていく、という展開なんだけど、こういうのも好きな人には堪らんのだろう。
個人的にはどうも興趣をそそられなかった。
なんか主観に閉じちゃってる気がして。
バラバラだった事実の断片を組み合わせていくうちに真実が立ち現れる、ってのに比べると何となくご都合主義っぽく感じられてしまうんだよね。