イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

相棒取ったな

2008-03-23 18:26:13 | アニメ・コミック・ゲーム

爆笑オンエアバトル』チャンピオン大会ファイナルの三拍子のネタ、ボケが「①番~~、②番~~」と3択選択肢を提示して行く構成と似たようなのを、そう言えばますだおかだもオンバトでやっていたような気がするな。もちろん“ネタ合わせ”がテーマではなく、車内放送ネタかお店ネタだった気も。

ウロ覚えで申し訳ない。ただ、「“完全に真新しい、いまだかつて誰も演ったことのない、誰の何ネタとも似ているところが一切ないお笑いネタ”なんてこの世に存在しないのかもしれない」ということを書きたかったのです。

どこかに微量、先発のネタを思い出させるふしがあったとしても、それでネタ質が致命的にダメになると決まったわけではない。「前に誰かが演ってた」が主因でダメになるとしたら、極端な話、古典落語などは存在する価値がないことになってしまう。

“こういう状況で、こういう人が現れたらおもしろいんじゃないか”“その人がこういう行動をとって、その結果状況がこう変わっていったらなおさらおもしろいんじゃないか”を、プロのお笑いを志すほどの“おもしろセンス”の鋭い人たちがてんでに追求して行ったら、“おもしろい話”は究極どれもこれも多かれ少なかれ似てくるんじゃないかという気もします。

タイムマシーン3のアフター卒業式ネタ、超新塾の後半=上京する友達送別ネタは、オンバトチャンプOBアンタッチャブルがいろんなところでやっていたネタにもろ通じているし、NON STYLEの彼女を迎えに行けネタは、同じくアンジャッシュもよく演っていました。先の三拍子にしても、“ネタを作る過程自体をネタにする”点で、これまたアンタッチャブルの“山崎からのツッコミ指南”ネタとも同類項でしょう。

しかし、「先発の誰かのネタと似ているな」と思っても、不思議なほどそこからつまらなさには直結しない。そこにお笑いにおける“芸風”、“キャラ”“存在感”の出番があると思うのです。

さて、“先発と似ている”つながりで言えば、それこそ毎年毎年手を変え品を変えるだけで同じ善悪対立構図、同じ悪退治ストーリーを何度も何度もやっているのが戦隊ヒーロー。“キャラ”一本で新鮮さを保ち続ける戦術は、毎年真っさらのご新規顧客が一定数必ず参入して来るお子さまマーケットとは言え、東映・テレビ朝日&バンダイあっぱれ。

炎神戦隊ゴーオンジャー』、先週のGP5、今週のGP6では、ゴーオンジャー5人、レッド走輔(古原靖久さん)が短気無鉄砲まっしぐらの兄、ブルー蓮(片岡信和さん)が気ぃ遣いのフォロー役お母ん、グリーン範人(碓井将大さん)が甘えん坊で快楽原理の弟、そしてイエロー早輝(逢沢りなさん)がおしゃまで家族思いの妹…と“擬似ファミリー”に人物造形しようとしているような印象を受けました。ブラック軍平(海老澤健次さん)は…ストレートに頑固親父って感じではないから、変わり者だけどおもしろい“叔父さん”かな。

そう言えば走輔はある局面では弟っぽくもあるし、範人はむしろ“守ってあげたい妹”に近い空気も持っている。もちろん蓮は兄貴的な側面もあり、定着したエプロン姿などはお母んよりむしろサザエさん的なお姉さんに見えることも。走輔と軍平のからみなんかは、兄弟というより“夏休みに会った従兄弟同士”のようでもあります。

制作サイドが擬似家族属性を賦与しようと狙って作って描いてるんじゃなく、観る側がそういうなぞらえ視点で見てみたくなる戦隊だということかもしれません。蛮機獣が現れない平和なときは、年中改造キャンピングカー(=ギンジロー号)駐めて料理作って(←もっぱら蓮で、もっぱら卵料理だけど)屋外にモーターショー風の椅子テーブル広げて食べているので、『デカレンジャー』『ボウケンジャー』のようなプロフェショナルチームや腕におぼえのスペシャリスト集団ではなく、『ゲキレンジャー』のような修業学校や道場的な場所でもなく、やっぱり“家庭”がいちばん近似して見える。

GP6では紅一点イエロー主役の、年間1エピは必ずある恋バナ仕立てのお話か?と思わせて、戦闘での美味しいトコ取りは初・炎神武装したブラックのガンパード。GP5では磁石蛮機にゴーオンソードを吸着されて負傷したスピードル(走輔「スピードル、大丈夫か!」「い、痛て…」…萌え会話)の場所に、グリーンのバルカが炎神武装。

レギュラー戦士の持ち武器(正確には戦士のほうが“相棒”)がレギュラー合体のパーツではなく、強化武器のポジションというのもユニークです。先輩3戦士の活躍に憧れ惚れ込んで志願した後輩2戦士という設定も心構えや経験値の差、チームメイトシップの体温差などに敷衍させて、ストーリー部分の起伏に見事つながっているし、“毎年毎年同じことの繰り返し”と感じさせず、きっちりキャラ立ててマンネリ感を払拭する企画力には脱帽です。

そして蛮機族、止め食らった後の断末魔というか、今際のキワのひと言が今回もいい。

磁石蛮機「どんな強力な電磁石も、勝利だけは引き寄せられなかったかーっ!!」

スピーカー蛮機「タダイマ マイクノ テストチュウ 5ジニナリマシタ コウテイニ イル セイトワ キタクシマショウ ピンポンパン」

…なんかね、『ゴーオンジャー』見てると、ときどき「平日夜の大人向け連続ドラマ、2時間ドラマを作っているPや脚本家や監督さんたち、スーパーヒーロー枠制作陣がうらやましいだろうな」「やってみたいだろうな」と思うことがある。

やるべきことがはっきりしているというだけでもどれだけうらやましいかわからないのに、やってみたいなと思ったことのほとんどがやれる枠だと思うんですよね。

本編終了後のお楽しみ・ボンパーの“ゴーオンゼミナール”。先週は「バルカの喋る(ヘンなイタリア語風の)言葉はどこで習った?」、答えは「生まれつき(=ボクは生まれたまんまミーヤ、昔からこんな喋り方しテルデンテ、言わばバルカ語なンダルチア、サンタルチア)」。

 今週は「ガンパードは弾を何発撃てる?」、答えは「オレの銃弾が尽きることはない!根性が続く限り撃ち続けるぜ」。

 …あのねぇ。CMまたぐまでもないと思うんだけど、その“直球シンプル”さが潔く気持ちいい。とにかく他局と違う、前クールと違う、前枠後枠と違う変化球クセ球捻り球を自ら求め、求められては迷宮入りしている大人向けドラマ陣にはこういうところがうらやましいに違いない。このシリーズを象徴するコーナーのようです。

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なにげない日常発

2008-03-23 00:19:57 | テレビ番組

トータルテンボス優勝第10代チャンピオン。『爆笑オンエアバトル・チャンピオン大会ファイナル』(222410~)、ふぅーーー。

取らせてあげたかった、という気持ちは正直、M1の直後ほどではなかったのですが、でも良かったよ。“良かった”の7割ぐらいは「妥当だよ」的な“良かった”ですけど、観てるほうも肩の荷が下りた。勝手に背負った荷だけどね。

チャンピオン大会新記録1026kb。「しのびねぇな」「構わんよ」のお約束で大ホール客席からキャー!ヒュー!の声が上がった時点で“今日は彼らの日になりそう”の予感があったし、以前ここで余計な心配した“大一番で大村・藤田のバイオリズム曲線が噛み合わない惧れ”も見事にクリア。「漏らすな」の浮上~潜伏~浮上リズムもさることながら、“前半はすごい良かったよシリーズ”3連発の後、一瞬で終わる“F 1レーサー”を自信満々で挟めるところに器の大きさを感じました。

とにかく“いっぱいいっぱいでないこと”をお笑い力量の必要条件のひとつとするなら、いまこの人たち以上にその条件にかなう組はいないと思う。

演順決め抽籤時の、大村の他芸人を小道具に使った一発ボケも来年のファイナルでもう一度見られるわけだ。実はそれが来期へのいちばんの楽しみだったりして。

ネタとしては21006kb三拍子のほうが新鮮だしチャレンジしていました。ピン芸人は別として、ガチネタより楽屋入り前のネタ作りの過程のやりとりのほうが、この人たち、おもしろいんじゃないか?と思うことは、三拍子以外にもたまさかありますからね。そこを突いた“ネタ合わせ→いったん上手に引っ込んでなぞりネタ”というのはコロンブスの卵だったと思う。M1での千鳥のネタの、理屈っぽさのカドを落とした洗練版と言ってもいい。

ただ、設定的に客席に対するサプライズが決め手となるので、“何度も演ってみることによるこなれ具合”の点で、トタテンとの20kb差は仕方がなかったかな。「オレ、イカ演るから」の高倉軟体モーションで拍手が上がった辺り、会場のお馴染み感・受け容れられ度でトータルテンボスに肉薄してる感はありました。他局の他番組を何度も引き合いに出して悪いけれど、昨暮れM1でトタテンと同ラウンドに並べて、キングコングを蹴落としサンドウィッチマンと競う段階まで駒進められていたら、20kb差はあるいは埋まっていたかもしれない。

11組の中で通常回に比べて出色に良かったと思う流れ星5789位。ツッコミ瀧上「ちゅうえい!ちゅうえいさん!」とファーストネーム呼びも軽く新鮮。本人たちも“全勝なのに優勝なし”をえらく気にしていたし、いつもちゅうえいリードで無理やり半信半疑ノリがむしろ売りの瀧上が、汗出して積極的にしゃべくって消費熱量多いネタも貴重感があったので、もうちょっと玉入って次期へのステップになっても良かった。

3886Kb NON STYLE4878kbタイムマシーン35854kb超新塾6738kbオジンオズボーン7690Kb Bコース8ストリーク650kbはいずれも一長一短で、どの組ももうちょっと上行ってもいいっちゃいいし、妥当っちゃ妥当な気もする。特別致命的に噛んだりネタ飛ばしたりしたところもなかった。

特にNON STYLEはディフェンディングチャンピオンとして、昨年がフロックでなかったと印象付けるのには十分なパフォだったと思いますが、井上も敗者コメントで言っていたように、オンオフ通年の流れを経て進出して来た組や、彼ら自身の昨年に比べると、存在自体のレア感、“良くぞ来た”感がくすんでしまったのが若干安値。ネタ質としても10月のホームランプレゼントネタのほうが締まっていた。でもあのネタ、あの時のデキをチャンピオン大会にそっくり持ってきても優勝までは行ったかどうか。そこがチャンピオン大会の難しいところです。

10えんにちは、偶然か確信犯かM1キングコングを想起させるふしがやはり気になった。「出てない組の過去のネタ、かぶってもいい」との確信犯なら、もっとボケ数増やして密度を上げるべきだった。結局はセミ敗退のななめ45°と同じ“普通の会話を特殊(鉄道or極道)に言い換え”だけが身上の芸風なので、飽きられたら終わりなのですが、いつ飽きられるか今度飽きられるかと大方に思われながら、よく通期保った。ストリークの野球ネタ同様、意外にもう一シーズンぐらい保つかもしれない。

離されたビリ246kbに終わったプラスマイナスにしても、持ち味は十分出せていたと思う。ただ、彼らのネタを見て、セミBでの東京03の敗因がなんとなくわかったような気もしました。設定上とは言えペチペチビシャビシャ叩き合うと、現場でナマで見てる客って引いちゃう、と言うか実際以上に低質なネタに見えてしまうものなのね。ステージハケ時のクチ囃子♪ドンドンチャンチャンチャカチャンチャンチャン にいちばんよく現れていた、彼ら本来のちょっと古めのネアカさ(←この言葉のニュアンスの古さがまた似合う)が活きるネタで、もう一期挑戦してほしい。

いやーー、それにしてもまぁ、ここのところの垢抜けっぷりとは別組みたいなダサ衣装で「ハンパねぇー!」連打連スベリしていた頃から知っているトータルテンボスの戴冠を見届けたことで、いろんな意味で名実ともに“やっぱり一巡終了”感は深まりました。

4月からの来期はとりあえず、新任司会の久々男子アナ・小松宏司さんのMCパフォ・芸人さんたちからのイジられっぷりに軽く注目、ぐらいの気持ちでいようと思います。

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