イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

そうなっちゃいます?

2008-04-22 23:27:01 | CM

ChupaChups(チュッパチャプス)”50周年キャンペーンCMがとてもいいですね。思わず検索かけてストリーミング動画で3ヴァージョン見て、壁紙もダウンロードしてしまいました。

リプレイしてよく見ると“LOLLING STONES(‘ROLLING’にあらず)”がマイク持って腰振ってたり、月面にロケットが着陸、って言うかぶっ刺さったり、インベーダーゲームのようなクラゲくんが浮遊したり、ベルリンの壁が打ち壊されたり、1958年誕生から今日までのいろんな歴史的イベントが盛り込まれているようですが、色づかいとか、キャラのデザイン、アニメーションの流れ方や速度がとても懐かしく、“ザ・アニメーション!”という感じ。白黒テレビの時代にもああいうCMがあったような気がします。

TVCM、嫌悪派ではなくどっちかと言うと愛好派の月河も、最近のCMはちょっと方法論的に行き詰まりかな?と思うことがあります。①想定ターゲット年代層に好感度の俳優さん・アイドルをフィーチャーしたり②大画面ハイビジョンTV普及を追い風に映像美やCGテクニックで魅了したり③既存・オリジナルのキャラクターを前面に出したり④耳に残るユニークなフレーズや有名アーチストの曲タイアップで“耳”から攻めたり…といろいろやってますが、正直、“凝れば凝るほどスルー”という感が否めない。

「こういう商品を買う人は、このタレントのファンが多いと分析されてるわけね、なるほど」という豆知識にはなりますが、最近のCMって、すげー映像!いい曲かかってる!すげーメジャーな人出てる!んでなんかおもしろい芝居!うはは笑った……で、何のCMだっけ??ということのほうが多いのです。

そんな中、♪ チューパチャプスィズ マローリポッ、 チューパチャプスィズ マローリポッ というあの単純なメロディが耳を惹きつけるし、絵もあの通りとてもシンプルでレトロ。CM大量出稿の2400台でも際立って新鮮でした。何年か前『トリビアの泉』で知った、ChupaChupsのおなじみのロゴはシュールレアリスムの巨匠サルバドール・ダリ画伯のデザインになるという話も思い出しました。

それにしても、50年ですか。若い衆にも自信を持って「生まれる前からある」と言えるアイテム、それもお菓子、少なくなりましたからねえ。日本で発売されたのは1977年だそうですが、月河が物心ついてから、絵本や漫画に出てくる“主人公(=小学校低学年想定)とは一緒に遊べないぐらい幼い幼児”や“ちょっとおバカな甘えっ子”は記号としてあの形の棒つきキャンディを手に持ってペロペロしてた記憶があります。

月河はその、まさに“学童期のお兄ちゃんお姉ちゃんがウザがる幼児”期に、虫歯をダカツの様に嫌っていた実家の親の方針で飴モノ、砂糖モノは縁が薄かったのですが、当時“欲しいんだけど買ってもらえないアイテム”定番だった不二家の紙製棒つき“ポップキャンディ”はもう廃盤になったのかな。

50周年と言えば、東海テレビ開局50周年記念番組でもある『花衣夢衣』です。第17話、ここまでどうも将士(眞島秀和さん)と真帆(尾崎亜衣さん)のなれそめに、「そりゃ惹かれるだろう、離れ難いだろう、かわいそうに」と自然に思える要素が少なく「え?」「そうだっけ?」「そうなっちゃうの?」と押っつけ押っつけな悲恋展開、確かに02年『新・愛の嵐』や03年『真実一路』、04年『永遠の君へ』『愛のソレア』辺りは、狭い人間関係の中でも「こういう2人ならもう惹かれ合うしかない!」って納得性があったんだけど。

前に「このドラマで“写真”が出て来たのは将士に母(田岡美也子さん)が見せるお見合い写真と双子父・圭二郎(長谷川初範さん)の遺影だけ」と書きましたが、そう言えばもう一葉、万平(斉木しげるさん)と圭二郎の学帽姿&女学生和美(萩尾みどりさん)の3ショットスナップがありましたね。3人とも推定大正生まれ、撮影時は昭和初期と思われ、婚約中でもない未婚男女が親しく並んで歯を出して笑っているくだけた写真はちょっと時代に合わないかとも思いますが、万平息子・俊彦(吉岡毅志さん)が父親たちの秘めたる事情を知るために必要だったのだろうな。

今日17話では将士が初めて母から見合い候補の澪(尾崎由衣さん)の写真を見せられて、別れを告げられた真帆にそっくりで動揺…という描写がありましたが、ここまで来ると今度は“電話”の無さがおもしろい状況を呼んでいる。連絡手段は、返事が来るか、それ以前に相手の手許に届くかどうかも覚束ない郵便の手紙だけ。この距離感が、“別にこの相手にそこまで…”レベルの恋愛感情に油を注いでいるってことはありそう。早い段階で将士が「結婚し子供を育てて」と真帆の弱点をピンポイント衝いてきたのも、真帆を切ながらせる上で大きかった。

真帆が結婚をあきらめ恋愛を封印し、澪も真帆への罪悪感から見合いを躊躇する、花の盛りの娘たちの将来に暗雲をもたらした張本人にして母親・和美(萩尾みどりさん)の、俯仰天地に恥じるところ無さが見ものです。修業ひとすじの真帆のためには勘当された実家を訪問、姪の婚約祝いに当時は庶民にとって高級品の電気洗濯機を贈りかたがた縁談を依頼。見合い話が持ち込まれた澪には着物を見立てる。もちろんなしくずしに内妻として同居している万平(斉木しげるさん)の財力が裏付けです。

娘ざかりの真帆と澪にないもの、言わば“恋愛体質負け”せずに世間を泳いで行くパワー、ある意味“女”の極北を見る感じ。熟女フェロモン系の女優さんではなく、ポーラテレビ小説『わたしは燁』出身、質素に清らかに耐え努力する女性を得意としてきた萩尾さんが演じていることで、ちょっと独特に迂回した、「…オンナって怖い」と思わせる説得力があります。

コメント
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