★『アメリカの17歳のスポーツ選手』私の娘の方の孫のことだが、17歳だからまだ高校生である。
そんなアメリカの高校生年代のスポーツ選手が、どんな環境にいるのか?
日本の高校生とはちょっと違ったアメリカのトータルな仕組みの中にいて、それは日本のようなチームの勝利優先ではなくて、個人が努力さえすればさらに上の高いレベルが狙えるアメリカ独特の『個人の育成のシステム』の中で育っているのである。
そんなシステムをちょっと客観的に纏めてみたい。
★ これは昨日だったか、Facebook に娘がアップしていた。
末っ子、来週からフロリダ遠征。
たくさんの大学のコーチの前でプレーします。
上手くプレーできたらいいなぁと祈ってます。
GO! Strikers!!
『来週からのフロリダ遠征』とあるが、それは US Soccer Development Academy が主催の大会で、全米のAcademy 公認チームが集まる大会なのである。
http://www.ussoccerda.com/home.php
US Soccer Development Academy とはこの年代のトップ選手を育てるべく、全米で50チームほどを公認しているのだが、年に1回シーズン終了後に、そんなチームだけを集めての大会が行われるのである。
孫がサッカーをしている Strikers FC はカリフォルニア南部で認められている公認チームで、シーズン中はカリフォルニア北部、中部やほかの州の公認チームとのリーグ戦が毎週週末に行われているのである。
そのメンバー数は年齢別になっていて、日本の何百人もいる名門チームと違って1チームのメンバーは15人ほどの狭き門なのである。
そんな全米のトップレベルが集まる大会だから、そこには全米の大学やプロのスカウトが集まって、『優秀選手』を物色し『推薦入学』する選手をピックアップするのである。アメリカのプロ選手はその殆どが、大学からの参加だから、プロを目指すにはまず大学に入学することが早道なのである。
アメリカの大学のサッカーチームはこの2年はカリフォルニアのスタンフォード大学が連続してTOP の位置にいて、日本と違って優秀大学のサッカーチームが強いのである。
それは各大学は、毎年4~6名の推薦選手を採用するのだが、選ばれる選手の方も優秀大学を目指すので、著名大学の方がサッカーチームも優秀選手が自然に集まってくるシステムになっているのである。
大学のサッカー部は、推薦選手以外は入部できないので1チームは20名ほどで構成されていて、日本の名門チームのように100名もの部員がいるのとは全く異なるシステムなのである。
★娘が『沢山のコーチの前で上手くプレー出来たらいい』と言うのも、この大会が大学の入学試験みたいなものなのである。
推薦選手になると各大学によって、いろんな支援があるのだが、まず何百万円もする大学の授業料が免除になったり、寮の費用が免除になったり、ある意味プロの契約内容のようなことが、各大学から申し入れがあるのである。
アメリカのこの年代の選手たちが、Stricers FC のような US Soccer Development Academy 公認チームに参加するのはムツカシイだけでなく、結構高い費用がいるし、フロリダ遠征などの遠征費も自己負担なのだが、大学に入学すると授業料は免除だし、サッカーシューズなども無料支給だし、遠征も勿論負担はなく高級ホテル泊で、トレーナーによるマッサージなど至れり尽くせりで半ばプロみたいな待遇なのである。
ただ、日本と違うのは大学の授業だけは厳しくてちゃんと勉強しないと卒業できないのだが、基本的に午前中は練習だが午後スポーツ選手が授業が受けれて単位が取れるように大学側が配慮しているようである。
次男の方も Strikers FC から Berkeley大学 に推薦入学できて今3回生なのだが、末弟の方は今17歳になったばかりで、大学入学は19歳だからあと2年先なのである。
それなのに、昨年16歳の時にも既に幾つかの大学からは推薦が来ているのだが、まだStanford や Berkeley のような最優秀大学からは未だなので、そんなところから来ればいいと思っているのだろう。
★アメリカらしいな と思うのは、『黙って選んでもらう』だけではなしに、自らこんな『自分のプレイ』を編集した動画を創って、自分が行きたいと思う大学に送って『自らを売り込む』のである。
多分いま創ったのは、自分の行きたい大学に、この大会前に動画を送りつけて、この大会期間中に大学のコーチに自分のプレイを直に観て貰おうという売り込みなのだと思う。
これらはそんな動画から切り取った画面である。
こちらが、Tetsuya Kadono 本人が5分ほどに纏めた PR 動画である
https://www.hudl.com/video/3/8411197/5a1338bbb53e560a40949649
然し、こんな動画の原画があるというのがアメリカの仕組みの素晴らしさである。
US Development Academy に参加しているチームの全試合の最初から最後まで撮影し、その動画がAcademy よって創られているので、その中から自分のプレイの部分を切り取って各自が編集し、各大学に送りつけることができるのである。
末弟の門野哲也は結構恵まれていて、こちらはそのプロフィールなのだが、17歳なのだが、いまプレイしているのは18~19歳の1年上のクラスなのである。
キーパーをしているのだが、アメリカ人の中でも大きくて、プレイには結構自信を持っているようなのである。
子供の頃からアメリカで育って、自分が好きでキーパーのポジションを選んで、小学生の頃から元メキシコ代表のキーパーの人のコーチを受け、Strikers FC からも中学生になると同時に先方から依頼があって一つ年上のチームでずっとプレイしているのである。
ただポジションがキーパーなので、現在いる大学の上級生のキーパーの上を狙う必要があるし、選ぶチーム側も当然そのことを考慮するので、なかなかムツカシイ事情もあるようなのである。
★次男の門野真也は今年は大活躍でこんな賞も頂いたようだが、 Straikers FCに入るまでに、2年も挑戦しやっと入れたのだが、入ってからはうまく伸びてその最終年次の時は全米の得点王争いにも10位以内で頑張ったので、今のBerkeley からも推薦を頂いたのである。
そんな、アメリカの個人を育てる仕組みは本当に徹底していて、プロになるまではチームの戦績もさることながら個人を如何に育てるかに集中しているように思う。例えば、アメリカの大学のリーグ戦のルールだけは特別で、1試合17人まで交代OKだし、それも一度出ても後半はまた出場できるし、後半は3度目の出場もできるという特別ルールなのである。従って試合の過程で、どんどん選手の入れ替えが可能でなので、多くの選手が試合を経験できるようになっている。
アメリカの大学だからアメリカ人が主流なのは当然だが、そこには各国の選手が参加していて、今のBerkeley にはメキシコ・イタリア・フランス・インド人に孫の日本人など国際色豊かなのである。
末弟の Strikers FC も同じように メキシカン・韓国人もいるし日本人も何人もいるチームなのである。
★二人の孫たちは、二人とも小学生時代はレベル以下だたことは間違いなく、単なる『太ったかわいい子』だったのである。
それがアメリカのこのような『上を具体的に目指す仕組み』の中で、個人が努力したことは認めるが、日本では間違いなくこうはならなかったと思うので、アメリカにいてよかったなと思っている昨今なのである。
こんな本を誕生日に贈られて頑張っているようである。