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CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

人気が出て金持ちになったものの、ALLMAN BROTHERS BAND

2015年08月20日 | Southern Rock

1973年8月に出したアルバム、BROTHERS & SISTERSの全米1位の大ヒットを受けて、バンドはツアーをスタートさせた。ツアーも以前よりスケールが大幅にアップし、大型の飛行機で北米を縦断するアリーナ・ツアーに格上げされたのだった。

レコードの大ヒットとコンサートからの大幅な収入増で、名声と大金を同時に手に入れることが出来るとよくある話で、誰しもバンド抜きで個人の実力を測りたくなり、ソロ・アルバムを出したくなるのである。

リーダーのグレッグ・オールマンは、1972年末のBROTHERS & SISTERSのレコーディング・セッションを終えると、翌年ソロ・アルバム、LAID BACKのレコーディングを行い、BROTHERS & SISTERS発売の数ヶ月後、1973年10月にそのソロ・アルバムを発売した。(全米13位)

LAID BACK

このアルバムは、BROTHERS & SISTERSがブレークする前にレコーディングされたので、バンド・メンバーいとってはさほど問題に成るものではなかったのだが、翌年自身のバンドを組み、オーケストラを引き連れ全米ツアー行った。そのライブの模様を収めたのが、1974年のアルバム、THE GREGG ALLMAN TOURだった。

THE GREGG ALLMAN TOUR

一方、リード・ギター担当のディッキー・ベッツも、1974年にカントリー・フレーバーたっぷりのソロアルバム、HIGHWAY CALLを出した、(全米19位)

HIGHWAY CALL

作詞作曲に関わらず、スタジオやライブでの演奏から生計を立てていた他のメンバーからすると、主力メンバーのソロ活動の期間は、自身の活動が出来なくなることからフラストレーションを溜め込む原因となっていたようだ。また、グレッグが後に結婚することになるシェールが住んでいるロスアンジェルスに南部から移住することを決めたことから、彼の求心力は薄れバンドが分裂状態となる原因の一つとなった。

そのような状況で1975年にレコーディングされたのが、彼らの5枚目のスタジオ・アルバム、WIN,LOSE OR DRAWであった。当然アルバムの出来は良くなく、前作、BROTHERS & SISTERSの質を落とした焼き直しのようなものであった。

A面には5曲収録され、3曲はグレッグがボーカルを取るブルース・ナンバーであるが、前作と比べると迫力に欠ける。残り2曲はディッキーがボーカルをとるカントリー系の曲だが、前作のヒット・シングル、ランブリンマンと比べるとインパクトに欠ける。

B面はたった2曲の構成からなり、最初の曲は、ディッキー作の前作、ジェシカと同じような長尺のインスト・ナンバー、2曲めは、ディッキーがボーカルをとる軽量級ブルース・ナンバーだった。
すなわち、B面に関しては、グレッグの存在が全く感じられないような内容であった。

以前は、全員が同じスタジオに集まりライブ感覚でレコーディングが行われたのだが、グレッグがロスに住んでいた関係で、ボーカルをロスでオーバー・ダブするような、グループとして全くまとまりのないプロダクションがなされたようだ。アルバムは、前作が生んだ人気の財産もあり、一応全米5位までチャートを登ったが、一旦バンド内に不協和音が出てくると、しっかり活動は続けられないものである。

次作を制作した後、バンドは活動停止となるのである。

助手:博士、以前に“やはり大ヒット曲は、必要じゃ。大ヒットから得られる経済的な余裕は、音楽活動を続ける上で重要なファクターじゃからのう。”と言いましたよね。だけど、大ブレークのおかげで活動停止となりましたよね。

博士:確かのその通りじゃ。しかし、その時の失敗が教訓となって、バンドは復活出来たのじゃ。人生、成功ばかりじゃないのじゃよ。失敗したことから成功への方程式が導き出されるのじゃ。一度人生のロック・ボトムを経験すれば、その後なんらかの困難に遭遇しても、結構落ち着いて対応出来るのじゃよ。

助手:博士! なんという素晴らしいお言葉! 若い頃は博士もいろいろ苦労されたのですね~
それはそうと、研究所の予算不足で購入延期になっていたZEPのPRESENCEのボックス注文しておきました。

博士:それはでかした。以前、多分買っても数回しか聴かないコンパニオン・ディスクに対して劣化ツッペリンと悪態をついたが、やっぱり欲しいものは欲しいのう。

以前ほとんど聴かなかったサントラ・ライブ・アルバム、THE SONG REMAINS THE SAME を最近聴いてすごく良く感じたのじゃ。特に、2曲目のCELEBARATION DAYは素晴らしく、どう言う訳か、1993年の古いCDの方が、2003年にリマスターされた最強盤より、迫力があるように聴こえるのじゃ。しかし、DAZED AND CONFUSEDは、26分と相変わらず長すぎるのう~ 10分ぐらいにすれば、素晴らしく生まれ変わる曲と思うのじゃが。

THE SONG REMAINS THE SAME, 1993年リマスター盤

助手:それから、予算では足りなかったので、博士が半年以上貯めていた通販のポイント使わせてもらいました。

博士:やっぱりそんなことじゃないかと思った。フッ(ため息の音)

Allman Brothers Band - Just Another Love Song