1974年のディランとのライブ・ツアーから翌年のスタジオ・アルバム、Northern Lights-Southern Cross辺りが、The Bandとして最後の輝きを放った時期だと言われている。
ライブ・ツアーに疲れたロビー・ロバートソンが他のメンバーにスタジオ録音に限定したバンド活動を継続したいと申し出たところから、それに反する他のメンバーとの確執が更に表面化しバンド活動がグタグタとなった。
区切りをつける意味でロビーがExtravaganza的なコンサートを提案し、それが1976年11月の感謝祭の日にサンフラシスコのウィンターランド行われたのが、The Last Waltzのコンサートである。この催しは映画化されワーナー・ブラザーズからサントラが出ることになった。
しかしながら、The Band自体はキャピトル・レーベルともう一枚スタジオ・アルバムの制作の契約が残っていたことから、サントラを発売する前に急遽翌年にリリースされたのが7枚目でロビー在籍最後のスタジオアルバム、Islandだった。
収録されたほとんどが前作のレコーディングの未発表曲を掻き集めてオーバー・ダブで肉付けした急拵えだったことから、当時の評価はThe Bandの作品としては物足りないとのことだった。
まあ契約を消化するためのアルバムの出来は往々にしてこんなものである。
しかし今一度聴けば今までのオリジナル・アルバムの制作のように全力を投入したものではなく、反対にその力の抜け具合がうまく作用し、シングル・ヒットを狙うようなポップ・バンドではなく枯れた味わいを売りにしている彼らゆえ、これはこれで出来の良い作品だと個人的には思う。
特にリチャード・マニュエルの歌う郷愁を誘うGeorgia On My Mind、中々心に染み入る。当時ジミー・カーターの大統領選キャンペーンに使われたと言われている。
そして1977年、第39代アメリカ合衆国大統領にジミー・カーターが!
それってリチャードの熱唱のおかげかも?
かっての勇姿、リチャード、レボンそしてリックも今はいない。
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