気楽にとり(鳥&撮り)歩き

近場で身近な野鳥たちを観察しながら撮影しています。

モッコクに集まる野鳥たち 1

2022年07月30日 | 強く記憶に残る鳥たち

今回はモッコクの実を食べに飛来する野鳥たちの特集です。
2020年10月下旬、兵庫県立明石公園で撮影しました。

実は、このモッコクの木は切り倒されてしまい、いまは跡形もありません。
明石公園は、明石城の史跡を囲む巨木の林が広がる貴重な生態系の宝庫でした。
しかし、近年、景観や石垣保護の名目で毎年多くの木々が伐採され続けています。



最初に登場する二枚の写真は旅鳥のエゾビタキ
越冬地へ渡る長旅の前に、明石公園でモッコクの実を食べ英気を養っていたのでしょう。



続いてキビタキ

いわゆる「雌タイプ」 メスか、その年生まれの若い幼鳥と思われます。
こちらも、南への渡りに備えて、明石公園に滞在していたのでしょう。


ムギマキ

10年以上明石公園で野鳥観察を続けていますが、ムギマキを観たのは初めてでした。
「雌タイプ」 旅鳥のムギマキも渡りの前に、モッコクの実を食べに立ち寄っていました。


コゲラ

一年中で観察できる留鳥で、明石公園で繁殖しています。
木の中にひそむ虫を捕食する小型のキツツキですが、秋の実りを味わっていました。


サメビタキ

夏鳥として日本に渡って来て、本州中部以北の高山の森林で繁殖します。
越冬地への渡りに備えて、平地へ移動して来たと思われます。


オオルリ

夏鳥として日本に渡って来て、山間部の森林で子育てをします。
「半分青い」オオルリのオスの若鳥、この年生まれ。
初めて海を渡る長旅に挑むため、明石公園でモッコクの実などを食べて栄養補給。


メジロ


一年中見られる留鳥です。
木の実や花の蜜など甘いものが大好きな小鳥です。





石垣保護とは直接関係ない樹木も多く伐採されており、あちこちに残る切株の数々は見るも無残な光景です。
明石市内の小学校の環境学習で一年を通じて観察していたモッコクの木も伐採されてしまいました。
「なんとか残して欲しい」と公園側に協力をお願いしていた木だったそうです。

ひょっとして、この野鳥たちの集まっていたモッコクと同じ木ではないか、と思っています。
毎年、秋の渡りの前に美味しい実を食べられるとあてにしていたモッコクの木がなくなって
渡り鳥たちは、じゅうぶんな栄養補給ができたのでしょうか。海を越える渡りの旅はうまくいったのでしょうか。



◆「切りすぎでは?」城跡がある公園で1600本以上の樹木を相次いで伐採
https://www.mbs.jp/news/feature/hunman/article/2022/03/088196.shtml


大々的な報道や地元住民の方々の地道な抗議活動などもあり、2022年4月に兵庫県は伐採の一時中断を発表しました。
「石垣保全は大事だが、地元が大切にしてきた思いもある。今の計画については一度立ち止まって考えたい」

これ以上の樹木伐採は中止して、失われた樹木の再生や自然環境の保全活動につなげて欲しいものです。
次回も、モッコクの実を食べにやってきた野鳥たちシリーズが続きます。

今日も最後まで見ていただきありがとうございました。

※ 今回は連載につきコメント欄を閉じています。


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