世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

大人の人生参観日

2008年05月15日 | Weblog
東京都国立博物館で日光菩薩&月光菩薩を観て、帝国劇場にて観劇をした母。
もちろんソロ活動。

昼過ぎ、彼女からメールが来た。
「残業がなかったら、会えないかな?」
と。

そんでもって、妹と母とで「女だらけの飲み会」決行。@池袋。

「てしごとや」に集合。
雰囲気が良い和風居酒屋で、池袋で飲みというとだいたいココを選択してしまう。
入口が謎めいていて(画像参照)、初めて親友わたに連れてきてもらったときは興奮したものだ。
身を屈めて入場するところが、いかにも隠れ家って感じで好き。

ビールを飲みながら、母は東京の百貨店の品揃えに感動したことをしきりに話していた。

また、出された料理の味付けなどに感想を述べていた。
「この味付け、上品ね」
とか。
たしかにここの料理は美味しい。だし巻き卵、アサリの酒蒸しも絶品である。

てきぱきと盛り皿から料理を取り分ける妹、煙草を吸いながらぼんやりとそれを見つめる私。よく喋り笑う母。
栃木の実家でよく繰り広げられる光景だが、こうして場所を池袋にしただけで凄く新鮮だった。

思いもかけず、母や妹に会えて良かった。

22時。お開き。
池袋駅に向かう。

見るもの見るものが珍しいらしく、母はいつもキョキョロしている。
そんな母をエスコートしながら雑踏を歩く。

私と母は埼京線、妹は山手線のホームへ向かった。

人の波に流されていく妹の背後を見ながら母がぽつりと言った。

「私の遺伝子が…ああ、こうやってこの街に浸透していくのね」
と。

そのとき、ハッと思った。
これは遺伝子を次世代に繋いだ人だけが持つことができる感性である、と。

小さい頃、近所のスーパーに行くとき、私は必ず母の背後について回っていた。
買い物カートを押す母のスカートを握っていないと不安になる子であった。

そんな私が数年後、東京で母の半歩前を歩いて案内をしている。

今日は、彼女の娘である私や妹が、この東京という街でどのように生息しているのかを見せる良い機会だったのかもしれない。
大人の人生参観日というか…。

親に、遺伝子の行く末を心配させないようにするのも子供の役割だと思う。

「娘たちは、こうやってちゃんとここで生きているんだ」
そんな安心感をお土産にしてもらえたら嬉しい。

しかし。
母がちゃんと家に到着できるか、今、とっても心配…。

「家に着くまでが遠足ですからね!」
と、2回ぐらい言っておいたから大丈夫だろうか。
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